ドタバタの終息
「えっ、パパ?この露出狂が?‥‥冗談だよな?」
頬が引きつるのを自覚しつつウラルに聞くと真面目な顔で首を振った。
「残念だけどほんとのこと。」
ウラルが疲れた顔で言うと露出狂が後で騒ぎ始めた。
「やっぱりクティーラじゃあないか!いままでどこに行ってたんじゃ!?いきなり家から飛び出したっきりここ30世紀ほど帰ってこんから心配したんじゃぞ?イダも心配しておったし早く帰るぞ。」
そう言うとウラルの腕を掴もうとする。
「やめて!」
そこで初めてウラルがハッキリと拒絶を示した。
「私、契約したから。あそこには戻らない。」
「なっ‼クティーラ‼自分が何言ってるのか分かってるのか!?」
ウラルが『契約』と言った途端、露出狂がさらに激昂する。
「そもそもこんな「ほれほれ、クトゥルー。本人がこう言ってるんだから、あまり年寄りが口を出す事ではあるまい。向こうに行く術式を作ったから早く帰るぞ。」
「しかしじゃなナイアー、いくらクティ「帰るぞ。」‥‥分かった」
もう一人の露出狂があっという間にその場を治めるとウラルに謝った。
「すまんね、クティーラ嬢。クティーラ嬢が居なくなってからずっとこの調子で。イダにも言っとくから、まぁゆっくり羽をのばしてくれや。」
「ん、ありがとう、ナイアー爺。それと今はクティーラじゃない、ウラル。」
「おや、それはそれは。じゃ改めてウラル嬢、こっちでのんびりしててくれや。それとたまにはニャルラの奴らも呼んでやってくれや。あいつらも会いたがってたぞ。」
「ん、分かった。」
ウラルは平気を装ってるけど良く見れば僅かに頬が緩んでいる。けっこう嬉しかったらしい。
ウラルが頷くと露出狂‥‥ナイアーはこっちを向いた。
「それと君、さっきは突然怒鳴ってしまってすまなかった。どうやらウラル嬢は君の子とを気に入ったらしい。なるべくで良い、あの子を悲しませないでやってくれ。」
「はい、分かりました。ウラルの事は任せて下さい。」
ナイアーは一言、「頼んだ」と言うと露出狂の元に行き、何か聞き取れない言語を言うと二人の頭上に大きな魔方陣が現れ、一瞬で姿が消えた。