王都へ向かおう1
どんどんいくぜ
転送されて着いたのは平原だった。見晴らしがよく、あたりを軽く見まわすと、少し遠いが城壁らしきものが見えた。
「あれがたぶん王都なんだろう。しかし、どうやっていこうかな?」
魔法で飛んでいく手段があるが、その前に関所みたいなのがあったら何かと問題になりそうなのでやめた。まず、今の自分の姿が変じゃないか確認することにした。空中に鏡を作り、自分の姿を見た。
まだ12歳なので背は低いが、それでもしっかりした背格好しているし、自分の顔はこの世界の基準は知らないがまあ普通だろと思える。しかし、長年炎龍帝のそばに居続けたせいか、最初は日本人みたいな見た目だったのに、髪が白く染まっていた。実は炎龍帝との特訓により何度も回復効果のあるブレスを浴び続けたので、その魔力が蓄積し、さらに自分では自覚していなかったがかなりの魔力をフレイは持っていたのでそれも作用してその影響が髪の色として出ているのであった。
とりあえず考えても何にもならないので、歩いていこうと決めた時だった。
「きゃあああっ!」
悲鳴が聞こえて、その方向を見ると何人かの冒険者と思われる人たちがモンスターに囲まれていた。
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『ハイウルフ』
ウルフの上位種。ウルフの群れを率いて人を襲う。F+ランクのモンスターだが、集団で襲い掛かるときにはその危険度はCランクまで跳ね上がる。
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頭の中で炎龍帝が人のいる町で買ってきたというモンスター図鑑の内容を思い出し、助けるために、迷わずそこへフレイは向かった。
モンスターランクは+-によっても強さが異なる