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二人の一歩目

 武田率いる1年1組は広大なフィールドに散らばる手がかりを素早く見つけ出していた。

 統率された集団による無駄の無い探索によって時間のロスを無くし、また、行動自体もレクリエーションと遊び感覚で臨む他クラスとは雲泥の差があった。


 「武田! やはり一番ポイントが高い宝は山の手エリアだ!」

 「ちい、やはりか」


 柴崎が手がかりの宝の位置が記された地図を確認し、報告する。

 レクリエーションフィールドは、大きく分けて3エリア存在する。

 もっとも探索が楽だと思われるのは、今1組も居る平原エリア。

 そこは業者も定期的に入っている、学園の庭のようなものだ。

 宝の地図も、このエリアに設けられた机の上に置かれていた。

 次に、まるで北欧のように瑞々しい樹木が生い茂る森林地帯。

 ここにもしっかり人の手は入っているものの、平原と比べて難易度は上だ。

 そして、問題の山の手エリア。

 これは急傾斜に岩盤地帯もある、荒々しい自然そのもの。

 一部の区画は学園からも許可なく立ち入ることを禁止されているエリアだ。


 「さすが本条さん、やはりヌルくない」

 「ああ、だがそれが良い」


 厳しい試練を潜り抜けてこそ、本条七希からご褒美がもらえるのだ。

 男たちはそう信じた。


 「そうだ、俺たちは一番になる!」

 「ああ!」

 「そうして本条さんの……おっぱいを、突かせてもらう!」

 「そうだそうだ!」


 犯罪である。

 しかし、ちょっとしたおふざけで騒ぐだけなら咎められないお年頃ではある。


 「ちょっと武田! お姉様になんかしたら、あんた、タダで済むと思わないでよ」

 「まったくよ! この勝利はただ、お姉様に献上すれば良い、それだけのことよ!」


 猛る武田に噛みつく女子。

 さっそく武田の指揮能力に綻びが生まれ始めていた。

 武田直人たけだなおと、七希の前では聞き分けの良い優等生だが、一皮むけばただのスケベである。

 彼の頭の中は、大体8割がピンク色だった。


 「バカ野郎!! お前ら目を覚ませ!」


 武田の一喝に、クラスメイトの騒ぎが収まった。


 「本条さんがこのイベントを開催した趣旨を思い出せ!」

 「趣旨だと?」


 柴崎の訝しげな声に、武田は頷いた。


 「この学園の悪しき軋轢を解消することこそ、彼女の本懐!」


 提唱したのは生徒会長、九重和馬である。

 七希は結構めんどくさがっていた。


 「その彼女を偶像崇拝の対象にしてしまっていいのか!? 彼女を、一人高嶺の花と孤立させてしまっていいのか!?」


 大歓迎である。

 しかし大抵の場合、七希の思惑通りには周囲は動かない。


 「武田……」

 「武田君……」


 この意外な熱い想いに、クラスメイト達は不覚にも感動しつつあった。

 実際、武田はそれなりのお家柄でもあり、そのせいか人の前に立って話す事に物怖じするタイプの人間ではなかった。

 帝王学という訳でもないが、そういう雰囲気を自然と身に着けているのだ。


 「彼女は確かに特別だ! だがしかし、特異にしてしまってはいけない!」


 握り拳を作りながらの演説に、クラスメイトは息を呑んだ。


 「だからっ! だからこそだ!! 俺は――本条さんの乳を突く!! ――うお!? ちょ! まっ!? 物を投げるな! 小石も凶器だぞ!?」

 「うるさい! この、女の敵!!」


 クラスメイト女子から石が飛ぶ。

 そして便乗して男子も武田にブーイングを飛ばしていた。

 内心では「俺も俺も」という心境ではあったが、彼らはクラスの女子を敵に回した学園ライフを送るほどの潔さは持ち合わせていなかった。


 「ひっこめ武田!」

 「ぬううう、裏切り者たちめぇ! だが、だが負けんぞ! おっぱい、ばんざい!!」


 訂正、やはり武田の頭は9割はピンク色だった。




 ◇■◇■◇


 1組が七希の予想しないアクシデントで時間を食っている間に、四楓院みやび率いる7組は早々と山の手エリアに侵入していた。

 7組クラスメイトにとって、みやびの統率に否を唱えるものなど誰一人いない。

 女王蜂に奉仕する働き蜂のようである。

 もっともみやびは自ら前に出るタイプなので、後ろで踏ん反りかえって偉そうにするいけ好かないお嬢様とは一線を画している。

 そしてそこが余計に彼女の好かれる一面でもある。


 「みやび様、先頭交代しますわ!」


 解放されている山の手エリアは、七希たち実行委員や教職員、業者の方々が事前にチェックを済ませている区画のみではあったが、それでも厳しい自然に違いは無かった。

 背の高い下草を先頭で踏み進めるのは疲れるし、道幅の無い獣道の両側から伸びる小枝を鉈で切り開くのも大変だ。


 「ふぅ……いいえ、結構ですわ! 口先だけで身体の張れない嫌な女、などと思われたくはありませんもの!」


 流れる汗を拭うみやびの瞳は、まだまだ疲れには染まっていなかった。


 「みやび様……!」


 クラスメイト達は恐縮しながらも感動していた。

 やはり、自分たちが付いて行く人間は四楓院みやびで間違いない、と。

 この意地も七希への対抗意識に違いなかったが「地」の部分でも、みやびはそういう心根を持ったお嬢様である。


 「……? あら?」


 小枝と下草に悪戦苦闘しながら7組を率いて進むみやびは、不思議な光景を目撃した。

 それは鬱蒼とした地帯を通り抜け、開けた場所に出た時の事だ。

 少し離れた崖のある方向へ、一人の女子生徒が歩いて行ったように見えたからだ。

 このレクリエーション、単独行動は禁止されている。

 それではレクリエーションの意味が無いという事もあるが、自然の中で行われる行事で何があるか分からないという予防もある。

 それに、女性徒が向かった先はこのレクリエーションで解放されていない禁止区画の方である。

 当然、七希や関係者が危ないと判断した地域ということになる。

 山の手エリアも他エリアもスタッフが所々に無線を持って待機しており、危険に備えているが、あちらは誰かいるのだろうか?


 「藤川さん?」

 「はい、どうされました? みやび様」

 「今、あちらに生徒が歩いて行きませんでしたか?」

 「禁止区画の方ですか? さあ、私は見ておりませんが」


 見間違いか?

 みやびは首を捻った。


 「藤川さん、後を頼んで宜しいかしら?」

 「構いませんが、どうされたのですか?」

 「あちらの方に、もしかしたら誰か生徒が迷い込んだかもしれません。スタッフに連絡して様子を見てきますわ」

 「本当ですか!? それならば、私もお供します」

 「い、いえ……それは、その……藤川さんにはクラスメイトを頼みたいと言いますか……」


 バツが悪そうにしどろもどろになるみやびを見て、藤川は察した。

 勝ちたいのだ、みやびは。

 1組に。

 本条七希に。

 だからこそ不確定な事に人数を割きたくない。

 禁止されている単独行動に出るみやびを、強く非難することはできなかった。

 その想いを汲んでやらないでどうする。

 藤川は頷いた。


 「大丈夫です、みやび様! 7組は私が優勝に導いてみせます! 1組には負けません!」


 そのライバル1組はおっぱいおっぱい騒いでいたが。


 「……ありがとう、藤川さん」


 照れ臭くなって、みやびは明後日の方を見ながらお礼を言った。


 「それでは、わたくしは少し様子を見てきますわ」

 「はい、こちらでもスタッフの方を見かけたら声をかけておきますね! 気を付けてください!」

 「無理はしません、お願いしますわ」


 みやびは後を頼んで、禁止区画へと足を向けた。





 ◇■◇■◇


 進藤かなめは独り、静かな場所に移動していた。

 広大なフィールドとはいえ、1年10クラス、それにスタッフが警備している学園の敷地は喧騒に包まれていた。

 レクリエーションの開催はこの時点で成功と言ってよく、クラスメイトは羽を伸ばしてイベントを楽しんでいた。

 普段あまり話さないようなクラスメイト同士でも宝の地図を読み解いたり、自然の中を開放的な気分で歩いたりしている内に、おしゃべりに花が咲いていた。

 1組ほどでもないが、どのクラスもそれなりに溝は埋まりつつあるのだ。

 ただし、それを心地よく思っている人間ばかりではない。

 周囲の仲が深まれば深まるほど、余計に疎外感を感じてしまう人間もいるのだ。

 進藤かなめは、そうだった。


 「こっちが……静かかな」


 悲しいかな、彼女は人の居ない場所を探すのが得意だった。

 クラスメイトに悟られない様に離れて、ようやく人の声の聞こえない場所に進藤はやって来ていた。

 どうやらこの辺りが立ち入り禁止区域だということは分かっていた。

 ただ、その分人が来ないし都合が良い。

 進藤はそう考える。

 後はイベントが終わるまでここでゲームでもしていればいい。

 進藤はポケットからスマホを取り出して、アプリを起動させた。


 「誰かいるんですのっ?」

 「――っ!? あ!」


 思ったより近くから聞こえてきた呼びかけに驚いて、進藤は手にしたスマホを取り落とした。

 運の悪い事に、それは急な斜面になっている足場の悪い方に転がっていった。

 最悪だ。

 この声、四楓院みやびに違いない。

 おせっかいな彼女はどこかで自分の姿を見て様子を見にきたに違いない。

 ……まだ見つかっていない。

 返事はせずに、落し物のスマホを拾うついでに人の寄ってこない斜面の方に隠れよう。

 そう思って進藤が斜面に降りた時、悲劇は起こった。


 「――きゃあっ」





 ◇■◇■◇


 「悲鳴!?」


 みやびは立ち入り禁止区域の奥、急斜面になっている方向から悲鳴がしたのを確かに聞いた。

 この時、みやびは少し迷った。

 何か危険が起きている。

 近くのスタッフには藤川が状況を伝えてくれている頃だろう。

 それを待つべきか?


 ――否。


 若いと言えば若い。

 この時のみやびは、やはり七希への対抗心が優先していた。

 自分一人で助けて見せる、と。


 「誰か! こっちですわ!!」


 ただ保険に、大声で自分たちの居場所を伝えることだけはしておいた。

 後は目印に、体操着の上着を目立つ様に近くの小枝にかけておく。

 長袖の上着を脱いだみやびは、ほっそりとした色白の腕があわらになった。

 しかし残念ながらお胸のボリューム感は無かったが。


 「……行きますわよ!」


 覚悟を決めたみやびは、足場の悪い急斜面にそっと入って行った。

 断崖絶壁、というほどのものではない。

 わんぱくな子供なら遊びでフリークライミングするくらいの、そんな緩い崖だ。

 ただし、危険な事に変わりは無い。

 しっかり足場になりそうな瘤を探して足をかけ、岩の切れ目に指をかける。

 三点支持を忘れずに、ゆっくり移動すれば恐れる事など無い。

 幸い、みやびの側には崖にくっつく事を邪魔する隆起はなかったので。


 「っ――あ!?」


 崖の先を確認しようと首を伸ばして、一瞬身体が浮きかける。

 全身から汗が噴き出した。

 慌てて足と、切れ目にかけた指に力を入れて三点支持を保持する。

 ――焦るな。

 ミイラ取りがミイラになってどうする。

 それでは助けを求める人を助けられない。

 みやびは恐怖を押し殺す様に、ゆっくり息を吐いた。

 それでも恐怖は抜けてくれない。

 岩にかけた指先が震える。

 人間は自分の身長くらいの高さから恐怖を感じるようになるという。

 今のこの斜面は5階建ての校舎並みの高さがある。

 怖がるなという方が無理な話である。

 そして一度呑まれた人間を、恐怖という悪魔は簡単に逃してくれない。

 つい先ほどまではクラスメイト達と柔らかな風を楽しんでいたのに、今この岩肌に吹き付ける風のなんと凶悪な事か。

 現実ではないどこかに迷い込んだような心細さを感じる。

 気が遠くなりかけた。

 無理も無い。

 運動神経が悪くないとはいえ、訓練したこともないみやびにこの自然は手強すぎた。

 ――早く、早く崖を越えたい。

 みやびの心は焦りに支配されていた。

 左手を伸ばす、岩を掴む。

 右手と左足を一緒に動かす――三点支持を、無視した。


 「――っ」


 今度こそ、復帰できない程に身体が浮いた。

 右足を強く踏ん張って、何とか左手で身体を支え続ける。

 しかし握力の限界は、すぐにきた。

 力を込めているはずなのに、左手が勝手に岩を離した。

 ――空に浮いた。

 視界には無骨な岩肌ではなく、澄み切った青空が映った。

 他人事のような、とても現実の出来事とは理解できない思いで、みやびはその光景を眺めていた。


 「――3秒粘れ!!」


 その鋭い声に、みやびは反射的に身体が反応した。

 投げ出されるままだった身体に力を入れて、唯一かかっている右足で出来得る限りのバランスを取る。

 果たしてそれは、3秒という時間を奇跡的に持たせた。


 「あ――」


 岩肌を、まるで平地のように駆けてくる影。

 人間離れしたバランスとスピードで崖を駆けて来た「彼女」は、崩れ落ちるみやびを見事に抱き留めた。

 お姫様抱っこで抱きしめられたみやびは、そのまま「彼女」に抱えられたまま驚くべき速度で――それも手を使わず足だけで駆けて――崖を移動していった。

 この安心感。

 絶対的に身を委ねられると本能がそう言っている。

 みやびはその腕の中で、身体を弛緩させた。


 「よく耐えたな、金髪」


 驚くほど整った仏頂面から、無機質にも聞こえるいつもの声がこぼれ出た。

 その日常さに、思わず笑みが出る。


 「みやび、ですわ――七希さん!」


 こうして、第一回レクリエーション大会はなんとか無事閉会を迎える事になった。





 ◇■◇■◇


 斜面を滑り落ちた進藤かなめは、幸い足を少し捻っただけで大事はなかった。

 運良く、すぐ下にあった岩棚に転がり落ちて止まっていたからだ。

 そしてレクリエーションの結果は7組が優勝の運びとなった。


 「うおおおおっ! おっぱいがあああ!!」


 と、敗者の将は叫んだという。

 1組の指揮官の煩悩が悪い方向に足を引っ張ったのは間違いなかった。

 時には煩悩が力になる事もあるが、今回はそうでもなかったようである。

 そして現在、生徒会室では本条七希が会長の九重に頭を下げていた。


 「すまない、会長閣下。偉そうなことを言っておいて、事故を起こしてしまった」


 イベントに危険は無かったのか?

 対応は十分だったのか?

 七希の企画力が、問題に挙げられていた。

 重厚なデスクを挟んで会長席に座る九重は、頭を下げる七希を前にメガネを中指で押し上げた。


 「この企画書、OKを出したのは私だよ、本条君」


 改めて企画書に目を通しながら会長は頷いた。


 「企画自体に危険があったとは思わない。立ち入り禁止区域以外で何か危ない事が起こるでもないしね。スタッフの配置も完璧と言って良い」

 「だが事故は起きた。私も甘い。人は生き物だと、机上の空論では動いてくれないのだと身に染みた。処分は受ける」


 九重は密かにため息をついた。

 誰が僅かな期間でここまで周到な企画を練り、実際に人を動かし、手ぬかりなくイベントを実行できるのか?

 本条七希はどうやら自分にとことん厳しいらしい。


 「本条く――」

 「失礼しますわっ!!」


 ノックも無く、威勢の良い音を立てて生徒会室の扉が開かれた。

 返事も待たずに、そのままずかずかと入って来たのは四楓院みやびだった。

 今日もきらきら眩しい金髪をなびかせて会長席の前――七希の隣まで歩いてくると、横目で七希を流し見てから、だん!! とデスクに手を叩き付けた。


 「会長! 七希さんの処分を検討しているなら、それは却下してもらいます! 悪いのは単独行動を取った、このわたくし! わたくし、落ち度がないのに責任者というだけで罪を押し付ける悪しき慣習には意義を唱えさせてもらいますわ!!」


 言いながら、ばんばん! とみやびはデスクを叩き付けた。

 真っ白なみやびの手が赤く腫れている。


 「なんなら、叔父様――学園長に取り計らって頂くこともできてよ?」


 滅多な事では切らないカードを、みやびは切って来た。

 虎の威を借る――という行為は、彼女のプライドを傷つけるものである。

 九重は思わずこぼれそうになる笑みを必死に抑えた。

 本条七希と四楓院みやび。

 この2人は噂の1年コンビではないか。

 その関係は、もちろん九重の耳にまで入っていた。


 「何か勘違いしているようだが、私の方から誰かを処分するように働きかけるつもりはないよ。もちろん、学園の方からもだ」

 「え?」

 「……なぜだ?」


 喜色を浮かべかけたみやびとは逆に、納得いかぬと眉を潜めたのは七希だ。

 余計な事を、とみやびは七希を睨むが、もちろん七希は無視した。


 「自分が悪かった、と言って、既に3日間の謹慎処分を受けている生徒が居てね」

 「あ……」


 進藤かなめである。

 何度も何度も謝っていた彼女の姿を思い出して、みやびは複雑な思いに囚われた。


 「罪には罰を、その相手を間違えないで欲しい。それが彼女の唯一の希望だったよ」

 「……そうですの」

 「本人も親御さんも、この事を問題にするつもりはないし、むしろ否は自分たちにあると言ってくれているのでね。学園側もその意を汲んだのだよ」


 それでも謹慎処分というレッテルは優しいものではない。

 特にこの学園では。

 浮かない顔をしたみやびを見て、今度こそ九重は笑みを漏らした。


 「確かに難しい事もあるだろう。だが彼女にとっても良い経験になった。そういう風に思えるように、君たちが行動すれば良いのではないかな?」


 先の事は分からない。

 それでも、九重にとって彼女たちの未来が暗いとは思えなかった。

 それだけの収穫があったと、今の2人を見て思えた。

 七希とみやびは顔を合わせた。


 「ふむ……会長殿がそう言うなら」

 「学園生として、従わざるを得ませんわね」


 学園は生き物で、一筋縄ではいかない。

 だが確かな一歩を、この2人を筆頭に歩み出したのだと九重は肩の荷が下りた面持ちになった。


 「ところで金髪、ホックが外れた気がするのだが、締めてくれないか?」

 「ひ、非常識ですわ、本条七希!!」


 急にみやびに背を向けて促した七希に、会長が赤面したのは仕方ない事だった。

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