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馬と鹿による馬鹿な日常  作者: 録
一学期
4/28

「逆」

\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/


「───!?こ、ここは?」


見知らぬ天井、見知らぬ部屋。

ここはどこだ?

僕は昨日……入学して……あれ……思い出せない。


高校生活初日に教室間違えて初HRホームルームに遅れた上、込み上がって来る朝食を必死で我慢していると気付いたら皆下校していたなんて思い出せない。

勿論ここは自分の部屋だなんて思い出せない。


……いや、もう脳内黒歴史ページを追加するのは止めよう。

齢16近くにして既に広辞苑と肩を並べる分厚さになってしまっている。最早鈍器である。Weaponである。


あぁ、もう嫌だ。学校行きたくない。

布団を被り直してスマホを取り出す。


「詩音ー!ごはん出来てるー!」


母の呼び声に体をびくりと跳ねらせると、僕は自分でも驚く程素直にリビングへと向かった。


\(^o^)\(^o^)(^o^)/(^o^)/


「おはよう。」


腹の虫を擽るような心地良い香りに誘われて椅子に腰掛けると母は手際よく僕の前に朝食を並べた。

ベーコンエッグにトースト、ポタージュ。


普段は和風の朝食で、魚が朝の食卓を牛耳っていたのに今日は珍しく洋風の朝食だ。嫌いではない、むしろ好きだ。

例えるなら散切り頭を叩きたい気分だ。散切り頭がどんな髪型かは知らないが。


トーストにマーガリンを乗せ、溶けるのを待つ間ベーコンエッグを頬張る。厚めのベーコンがジューシーで実に美味い。

その上野菜嫌いの僕の事を考えてサラダは母の前にしか置かれていない。


なんだ、昨日の今日で機嫌が治ったのだろうか。


普段であれば怒らせた翌日の朝は納豆と白米のみなのに。勿論味噌汁はついてこない。

それどころか米は炊かれてない事すらある。


ちらりと母を見ると何事も無かったかのようにトーストを食べている。


「ん?どうしたの詩音。」


僕の様子に気づいたのか視線を上げる母。声色も普段通りだ。

異様に優しかったら怒り狂っているサインだが本当に普通そのもの……。

逆に怖くなってしまう。


「ん……いや。」


生返事で返しつつポタージュのカップに口を付け、啜りながら考えてまたベーコンエッグを頬張る。

何か今某動く城が頭に浮かんだ。アレは本当に美味しそうだったなぁ。


意識がトーストに移った頃に母は唐突に口を開いた。


「ねぇ、あんた大丈夫なの?身体。」


急に心配そうな顔をする母に驚きつつも素直に答える。


「ん?あぁ、もう吐き気は流石に無いよ。寝たし。」


酔ったからといって吐き気がそこまで長期間持続する物でもないだろうに。

案外心配性だなぁ。


「いや、そうじゃなくて昨日関節が逆……え、覚えてない?」


「モグモグ(?)」

何が?


「あぁ、いや、何ともないならいいの。早く食べなさい。」


おい、何があったの。昨日何があったの。

関節が逆?

いやいや、昨日普通に寝たし?

あれ?寝た?


「変に考えなくていいの、早く食べないと遅刻するよ?」


急かされて残りのトーストを口に放り込むとポタージュで流し込み、「御馳走様」と言って席を立った。

果たして何の事だったのだろうか。


僕の中で興味は失せ、これから来たる高校生活へと妄想を馳せるのであった。


\(^o^)\(^o^)(^o^)/(^o^)/



ー数時間後ー



消灯され、静かになった部屋で女は胸を撫で下ろし、一言呟いた。


「ふふ、詩子に似て頑丈なのね。良かった、これから遠慮しなくていいわね……。」



\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/


妄想癖のある少年とそれを取り巻く奴等の物語、の筈がお母さんフル出演ですね。


ちなみに詩子は(しし)と読みます。シコとかじゃないです。


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