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馬と鹿による馬鹿な日常  作者: 録
一学期
24/28

「じゃ! ない!」

\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/


コンコン。


「失礼します。一年八組の羽咲はねさき詩音しおんです。」


呼び出しを食らった僕は素直に職員室の門を叩いた。


勿論入門するわけではない。

ただ職員室は普段近寄り難い場所で少し入るのに勇気がいるからこういう表現をしているだけだ。


……今日も自分への言い訳は健在の様だ。


僕が丁寧に挨拶をして入室すると、教師達が一斉に僕を睨んだ。


「ぁ……ぇ……?」


なんだよこいつら、ちゃんとしきたりに習って入ったはずだぞ。

それともこの学校はそんな所まで特殊なのか。


事前に説明してくれよ!


「あぁ!詩音君!」


刺すような視線にアイアンメイデン状態だった僕に璃子リコ先生が気付いて駆け寄る。


「ほら、こっちこっち。」


先生はそのまま僕の手を握ると職員室の外に連れ出す。


職員室から出る寸前、背筋に何か一際強い、殺意めいた物を感じた。

……気がする。


気のせいであってほしい。


「せ、先生。何でわざわざ外に?それに何か凄く睨まれたんですが……。」


職員室の扉を閉める先生の背中に質問を浴びせる。


璃子りこ先生はあははと少し笑いながら頬をかいた。


「それはあれだよ、卒業式の次の日に実力テストしたでしょ? あれの採点中だから職員室は生徒立ち入り禁止なんだよー。」


「あ、そうだったんですか。」


なるほど、それなら納得が行く。

そういえば2日に先生が「これは成績には入りません。」なんて言ってテストまがいの問題をしたような気がする。


他のことで頭がいっぱいだったけど確かそんな感じの物があった。


……それにしては睨まれ過ぎな気もするけれど。


「……それで、何で僕呼び出されたんですか?」


身に覚えは……ない。

朝の事で呼び出されたりはしない、だろうし。


「あぁ、そうだったそうだった。はい!」


そう言って僕に小さな可愛らしい袋を押し付ける。

僕はそのずしっと確かな重みのある袋を受け取ると、首を傾げた。


「これは何です?」


「何って、お弁当に決まってるじゃない!」



なっ……何……だと!?


まさか学生イベントランキング常上位をマークする「女子にお弁当を作って貰う。」イベントが発生するなんて!


この場合女子ではなく教師なのだがセーフだろうか。

見た目は女子というよりも幼女だが。


だがちょっと歪んだ発生の仕方をするのも実に僕らしいといえば僕らしい。


「私はあなたのお嫁さんなんだから当然だよ?」


これまた言われてみたい台詞ランキングに登場したことのある台詞だ。


想像より嬉しくないのも僕らしい。


「あ、あはは……、ありがとうございます。」


僕はできる限りの愛想笑いを……笑顔を浮かべて礼を言う。


すると僕の演技が下手だったのか、璃子りこ先生の顔が少し曇った。


「め、迷惑だったかな……。」


僕は慌ててフォローにはいる。いや、誤解を解く。

決して嬉しくないわけではないのだ。


「そんな事ないですよ。少し驚いただけで……。」


何より女性の好意を無下にはしたくない。


「そ、そう?なら良かった。」


璃子りこ先生が笑顔を見せたので、僕は胸を撫で下ろした。


「それじゃ!……あ、あと放課後に代表委員の仕事の件で話があるからHRホームルーム終わったら残っててね〜。」


手を振りながらそう言い残し、職員室に戻っていった。

僕は小さく手を振り返し、その姿を見送る。


……ふむ。


見た目は可愛い袋に入っているが袋の外からの感触や袋の広がり方から察するに男物の弁当の大きさだ。


僕のことを考えて作ってくれたことが伺えて少し嬉しい。


購買のパンを買う前に職員室に向かってよかった。

早速教室に戻って食べるとしよう。



\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/


これからは固有名詞にはふりがなを振っていこうと思います。


ー以下用語説明ー


【アイアンメイデン】

「鉄の処女」とも呼ばれる。拷問器具の一種。

女性の形をした2m程の中が空洞になっている大きな人形。内側に長い釘があり、中に人間を入れて使用する。



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