「目が!」
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「だから、先生とその後何か進展はあったのかって聞いてるの。聞こえないの?」
「い、いや特に無いけど……。」
僕は咄嗟に誤魔化しにかかった。
流石に当日に家まで来て一緒に飯まで食ったなんて言う訳にもいかない。
……ん。
いや、結婚がどうとか言う割には案外まともなことをしてたんだな僕。
今だ少し残る程の高揚感で少し感覚が狂っていたらしい。
「ふぅん。」
明らかな疑いの眼差しが僕を舐る様に刺す。
「な、なんだよ……。」
嘘……は言ってない。
嘘も方便というか一線は越えてないから何もなかったと言って差異はない。
彼女は時間を掛けてじっくりと僕を見ると少し不満げに鼻を鳴らした。
「なるほど、確かに言われてみればその方がしっくりくるわね。」
「……? 何の話、かな。」
しっくりくる……とは?
「ううん、気にしないで。私は───その、見てるだけだから。」
僕は背筋がピシッと音を立てる程に硬直した。
なんだろう、これは。
こんな謎のフラグを僕はいつの間に立ててしまったのだろうか。
音だけを聞けば恋愛的な、影から貴方を想っています的な、言葉。
それはそれで病気的な感情を想像させるのだが、今回はそうではない。
その表情は引きつり、まるでホラーゲームに登場する「アハッ、アハハハハハ! アハハハハハ!!!」という笑いをするキャラに負けず劣らずの恐ろしい笑顔だったのだ。
それからというものの、僕は彼女に抱く別の恐怖に怯えつつ、別のラノベを読んだり読まなかったり景色を見たりしていた。という訳だ。
ちなみにその邂逅の後、彼女は前を向いている様で僕を横目で見ていたり時々ガン見していたりと芸が細かい。
細かくはないか。荒い。
……荒くもないな。
まず芸ですらもないな。
普段から支離滅裂荒唐無稽な僕の思考回路が更に酷い事になっている。
本当に、彼女は僕に何を求めているのだろうか。
……普通に考えて先生と婚約状態にある僕を略奪でもしようとしているとは考え難い。
あとは普通に考えて僕を猟奇的な方法で何か、何かしようというのではないだろうか。
あの表情と言い言動と言いその通りにしか思えなくなってきた。
いやもうそうだろう。
ほら! 今も目が!
目が人⚪︎しの目をしている!
……訳でもないな。
いや、やっぱりそうだ! あれはそうに違いない!
……と、思ったが違うか。
本当に思考回路がショートしてしまっている様だ。
普段よりも思考がまとまらない。
その上妄想癖だけにとどまらず幻覚まで見始めてしまったのか。
やった! レベルアップだ!
変人として。
『おい、おい。詩音。』
肩を指先で小突かれた。
振り向くと優也が僕の後ろに立っていた。
『なんだお前。』
コソコソと小声で話すので僕も小声で答えた。
もうお前の出番はないぞ。
帰れよ。
根に持つタイプだからな、僕は。
『何かお前凄い見られてない? 鈴音さんに。』
スズネ……?隣の席の怖い人か。
『知らねえよ。見捨てたくせにどの面下げて来やがった。』
『あ、アレは不可抗力で……』
「はいはーい! 皆席についてくださーい!」
ここでついにラスボスが登場した。
別に他意はない。ただのリコ先生だ。
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目が! 目がぁ!!




