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なんか、殺人椅子取りゲームみたい(本編とは無関係)

たまにやりますお遊び回。この回の登場人物はみんな初対面です。

 古い体育館。


 早朝、この場には7人の殺人鬼が集められていた。


7つの椅子が円を描くように配置されており、少女達はそれぞれ座っている。


 なんかよく分からないけど僕はここに呼び出された。

 細かい経緯はこの際省こうと思う。


しばらくするとスピーカーから声が聞こえ始め。


〈皆様、この度は私の企画したゲームに参加くださりありがとうございます〉


 なにかゲームをするみたいだね。

 なんだろう。


〈早速ですが、今回殺人鬼の皆様を招いたのは、貴方達七人で椅子取りゲームをして頂くためでございます。ルールは単純、椅子が一つずつ無くなっていきますので最後まで座っていた方が勝ちとなります、従来と少しだけ違うのは音楽を鳴らす前に問題が出されます。それに正解された方は座ったままで結構です。不正解の人は、普通に殺しあ、いや取り合ってください、はい以上です〉


 うわ、なんか適当だぞ、殺し合いとか聞こえたような、大丈夫か、これ。

 ていうかそもそも一つおかしいよ。


「あの~、すいません、僕、殺人鬼じゃないんですけどー? あのー」


〈まずはゲームの前に軽く自己紹介でもしてもらいましょう、じゃあ、そこの目の周りが真っ黒な方から右回りでお願いいたします〉


 あ、無視されたよ、なんだ、この人。


「アタシは目黒。通称、眼球アルバムだ、眼球大好き、お前らの目も全部もらう所存」


 目の周囲が真っ黒のおかっぱ少女。手には千枚通しを持ってる。あれで目をくり抜くのか。いきなりやばそうな子だよ。


「切り裂き円だ、私はあれだ、とにかく天才って設定だ、じーさんばーさん、子供、大人、男、女、関係なく誰でも殺す、のだ」


 サイドテール、眠そうな目、ギザギザの歯。手にはナイフを持ってへらへらしてる少女。この子もなんかやばそうだよ、一番殺してそうな気がするよ。


「私はタシイっていうよ。通称、九相図の殺人鬼って呼ばれてるの。好きな者は、おにねー様だよ」


 制服姿、ツインテールの超絶美少女だね。笑顔が眩しいほどに輝いてる。こんな子が殺人鬼だなんて・・・・・・と思ったけど、手にはバールを持って先端には血がこびり付いてた。


「私はそのタシイの母親で、カリバよ。血深泥食人鬼。ヴィセライーターなんて呼ばれているわぁ。ちょっとの間だけど、よろしくねぇ」


 元々細い目をさらに細めて、口元でニタッと笑う、妙齢の女性。エプロンは血があちこちに滲んでいて、両手には二本の包丁。この人、半端ないね、この中で一番危ない、僕のセンサーが一番反応してるよ。針が振り切るレベル。


「私は白頭巾。一応史上最年少のレベルブレイカーだよ。お姉ちゃん達よろしくね」


 口数も少なく、そう小さな声で名を告げたのは、白いレインコートを着た小さな女の子。手には柄が可愛いクマの顔がついててまるでキャンディーのようにポップな包丁だった。こんな子まで殺人鬼だというのか。


「私は葵だよぉ。ドールコレクターって言えばわかるよねぇ。うふふ、みんなよろしくだよぉ」


 金髪眼帯ゴスロリ少女。ニコニコしていて可愛らしい。手にも何も持ってないし、この中で一番まともそう。この子も殺人鬼なのか、いや、僕と一緒で間違って呼ばれたのかもしれない。


 次が最後で・・・・・・。


「あ、僕か。えっと、リョナ子っていいます。ちなみに殺人鬼じゃありません。なんで僕がここにいるのかも分かりません。そういうわけで帰っていいですかね?」


 スピーカーの方にそう言ったのだけれど。 


〈はい、終わりましたね。それでは早速ゲームスタートです〉


 また無視されました。一体なんなんだ、このスピーカーの人は。


〈さてさて、まずは、問題からです。三択になります。薄いプラスチック板に挟んだ三種類のスイーツがあります。そのうち銃弾を止めてしまうものがあるんですねぇ、それは一体この中のどれでしょう、一、アイスクリーム 二、カスタード 三、ホイップクリーム、さぁ数字でお答えください〉


 はぁ? どれも銃弾なんて止められないだろう。適当に答えるしかないのか。

 

「3」「1」「1」「3」「1」


 各自解答を叫んだ。なんとなく固そうな1が多いね。僕も1かな。


「うふふ、非ニュートン液体。答えはカスタードだよ」


 ふいに、隣にいた金髪眼帯ゴスロリ少女、葵ちゃんだっけか、が呟いた。そして2と答える。


「・・・・・・え~い僕も2だっ!」


 聞こえたものはしょうがない。その非なんとかなら銃弾を止められるはずだ。


〈正解は2です。カスタードには瞬間的に強い衝撃を受けると固くなる性質を持ってるんですねぇ。まぁ詳しい事はいいとして、さぁハズレの人は立って椅子を奪い合ってください〉


 僕と葵ちゃんを除いた5人が立ち上がる。そして音楽が爆音で鳴り始めた。

 めっちゃメタル。

 そいや、そいや、と音楽が鳴る間、5人はグルグル周り。

 音が止まった瞬間。


「おらぁぁぁっ!」「おどれぇぇぇっ!」「死に曝せぇぇぇ「殺す殺す殺す」「きえぇぇぇ」


 椅子などお構いなしに誰かれ構わず襲いかかった。


 5分後。


 中央には白頭巾ちゃんの小さな体が。白いレインコートが赤に色が変わってる。


「はぁ、はぁ、手こずらせおってからに」

「くそ、手が動かねぇぇ」

「うう、五カ所刺されたのだ」

「あ~あ、アタシの指無くなっちゃった」


 こうして血だらけになりながらも生き残った四人が椅子に座る。

 あれ、こういう感じだったかな、椅子取りゲームって。


〈はい、どんどん行きましょう。まず問題です。今度は二択です。電子レンジに蟻をいれました。五分加熱します。さて一、生き残る 二、息絶える、さぁ選んで下さい〉


「2」「2」「2」「2」


 四人は一斉に2と答えた。そりゃ普通に考えたらそうだよね。僕も2かなと思ったんだけど。


「うふふ、ホットスポット、答えは1だよ」


 また葵ちゃんが小さく呟いていた。


「え~い1だっ!」


 あんな殺し合いに入りたくない。今回もこの子を信じよう。


〈は~い、正解は1でしたぁ。電子レンジにはホットスポットってのがありましてね、詳しくは言いませんけど、蟻はそこから逃げることで生き残るんですねぇ。とはいえ絶対真似しちゃいけませんよぉ。はい音楽スタート〉


ソイヤソイヤ。そしてストップ。


「ああぁぁっ!」「死ねぇぇぇ」「ぐちゃめちゃだぁぁあ」「トランザムっ!」


 ま~た、四人は椅子には目もくれずに、武器を振りかざした。


 五分後。


中央には眼球アルバムさんが。血だまりに中、ぴくりとも動かず倒れておりました。


〈はい、次です。車の燃料タンクに火をつけます。一番爆発するのはタンクのガソリンの量が、一、満タン 二、半分 三、ほとんど空っぽ。さぁどれ!?〉


「1」「2」「2」


 う~ん、さすがに酸素がないと爆発しないだろうから満タンはないでしょ。てことは半分かなぁ。


「うふふ、15対1の割合が一番爆発するよぉ。したがって答えは3」


「よっし、3だよっ!」


〈答えは3でしたぁ、はい音楽スタ~トっ!〉


「いつでも準備できてっぞ、おらぁぁ!」「殺って殺って殺りまくるぅっ!」「「五連装殺戮包丁いっちゃっうわぁ!」 


 三人が固まり肉団子状態。刺せや殴れやの乱闘だよ。


「うふふ、壮観だねぇ。次は誰が死ぬんだろうねぇ」

「う、うん。そうだね」


 三分後、倒れてたのは切り裂き円でした。まぁ相手は親子だしね。そりゃ協力するか。


「ぜぇはぁ、ぜぇはぁ、いいかしら、タシィ、貴方は可愛い娘だけどぉ、この世界線では遠慮無く殺すわよぉ」

「わ、私もはぁ、はぁ、次当たったら、全力でママを殺すからねぇ、いつか子供は親を超すものだし」


〈はい、どんどん行きましょう。貴方はマラソン中です、途中まで16位でした。そしてそのまま15位、14位、13位を抜いてゴールしたのですねぇ。では結局何位だったでしょうか? 一、13位 2、12位。はい、すぐ答えて下さいっ〉


「え、えっと、13位を抜いたのだから12位よねぇ、2だわぁ」

「そ、そうだね、私も2でっ!」


 僕はちらりと隣を見た。


「うふふ、普通に考えたら1でしょ。なんで間違えるかなぁ」


「僕は1にするよっ!」 


〈答えは1です。一位の人を抜いたら一位でしょう。サービス問題ですよー〉


「ちくしょー、ごめん、タシイ、死んで頂戴っ!」

「ママこそ、ごめん、死んでっ!」


 五分後、中央には親子で仲よさそうに重なって息絶えていた。


 お、てことは僕達だけじゃないか。


〈最終問題になるでしょうか、これも電子レンジにしましょう。中に電球をいれたらどうなるでしょう。一、破裂する 二、光る、さぁどっちっ!〉


 む、これ僕知ってるよ、たしか光るんだよね。


「うふふ、フィラメイトがマイクロ波で・・・・・・答えは破裂するだよ。そうなると1だね」


「よし、1だっ!」


〈はい、二人とも不正解です。答えは光るでした。はい、残念でしたねぇ、さぁ二人とも立ってください〉


 え、え、え、え、嘘でしょ。


「うふふ、間違っちゃった」


 微笑む彼女は、ゆっくり立ち上がると。

 ナイフを取り出して。


「じゃあ殺し合おうかぁ」


 うすら笑いを浮かべるでした。


 ザァ、ザ、ザザァァーーーー。

ーーープツン。

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