天才の資格
今回は千四百文字程です。
あとがきで報告があります。
「…すけさん。良介さん!」
「ん…」
良かった、まだ生きていたらしい。
…何故死んでいない、俺。
そういえば操はC級印使い、この学校でも有望株とされているほどの素質の持ち主だっけ。
印を使うときには、まず契約した精霊を呼び出し、次に印文字を発現させ、そして系統に応じた力を発生させるという順番だ。
ちなみに、これは重複して掛けられる。
重複させればその分高い威力や効果が期待できる。まあ、下手に重複させると、制御がきかないうえに気を失い、ぶっ倒れるらしいが。
ちなみに、重複させる印文字の名称は、下から、単体二重三重四重五重六重七重八重九重十重の順だ、その上は理論上あるっちゃあるらしいが机上の空論みたいな感じらしい。
ランクに照らし合わせれば、E級は単体のみ D級で単体~三重 C級で三~五重 B級で五~七重 A級で七~九重 S級で十重を使えるようになるような感じだ。
高校生だと卒業時にC級なら優等生とされて、下位の職業印使いだとB級 上位はA級で、最高位のS級印使いなど世界で20人もいないらしい。
1年生の中でも四重を使える印使いはほとんどいないらしい。恐ろしすぎますよ、操さん。
ちなみに、技には、系統がある。俺を吹っ飛ばした技は、風大砲という系統で、暴風を相手に叩きつけるような技だし、そういう技名らしい。
まあ技名を付けて省略する印使いもいるが、いかんせん技名が中ニくさくなるのでみんな恥ずかしがって使わない。実用的なのは本当らしいが。
「あの、良介さん?」
おっといかん無視してしまっていた。
そう思い俺は体を起こし、腕時計で時間を確認する。
「うわ…もう5限目始まってんじゃん…どーしよ。」
いいや、6限目から出よう。どうせ今から行っても意味ないし、ここで弁当でも食おう。
「良介さん、戻らなくてもいいんですか?」
「ああ、いいよ、どうせ今から行っても授業を中断させちゃうだろうしね。あ、そうだ。ねえシエル。」
「はい?」
「うちのクラスの中で契約できそうな人はいた?」
「はいっ!それも、二人いらっしゃいました!」
二人もいたのか、これは先が明るいぞ。
「本当!?どんな人?」
「えっと一人は良介さんを吹っ飛ばした女の人です。」
操かよ!でもまああいつなら何とか契約できそうだ…系統が違うし、契約してくれなさそうだけど。
うーん、やっぱり望みは薄い。
「もう一人は?」
こうなったらもう一人に望みを託すしかない。
「えっと、もう一人は、鋭い顔つきで、他の方とは違って、服をきちんと着てらして、あと、腕に腕章をつけている人です!」
それは…東島の事だな。
東島徹平
花坂高校の生徒会で1年生ながら副会長を務める男。
鋭角的な顔立ちが女子人気の高いイケメンだ。性格もクール…というか冷たい。
確か印系統は雷、門外漢だが、操以外に四重を使える稀有な存在だったはずだ。
俺自身は話しかけたことはないが、彼なら確かに望みがある。
「分かった、それは東島ってやつだ。あいつはこの高校の生徒会で副会長をやってるし、信頼も出来ると思うから、俺から東島に頼んでみるよ。」
「ほんとうですか!?ありがとうございます!良介さん!」
ここまでお礼を言ってくるとは、予想外だ。
でも、シエルはこれでやっと国を救えると思って笑っている。
本当に、そうなってくれるといいな。
更新時間ですが、夜九時までには更新します。
次回からはちゃんと守りますので、どうぞ次回も読んでください。