異世界(の国)の危機
八百文字ほどの短い話です
「へ?…てことは、亡命してきたって事?」
「はい、3日前に、グランクス皇国がいきなりファム王国に、侵略してきたんです。
グランクスは、隣国のレイロン王国と同盟を組み、ファム王国を、瞬く間に占領してしまいました。」
グランクス皇国とは鋼系の印が発展した工業と軍事の国。レイロン王国とは、雷系の印が発展した電気の国だ。
工業軍事と電力が手を組んだら…想像するに恐ろしい。兵器とか作りたい放題やりたい放題じゃねぇか。
「あの日、私はお父様とお母様に連れられて、必死に逃げていました。でも、すぐに追い詰められて、もう駄目だと覚悟しました。
でも、お父様とお母様が、最後の力を振り絞って、私を炎と爆炎の印で作ったシールドの中に入れて、こちらの世界へ逃がして下さいました。
こちらの世界で、印契約をして強い味方を手に入れて、必ず、ファム国を取り戻してくれ、と、そう私に言いつけて。
私が何かを言う暇もなく、私は、シールドと共に、こちらの世界へ送り出されました。
…お父様とお母様が今、生きていらっしゃるかどうかは、分かりません。こうなった以上、何としてでもファム国を取り戻そうと、そのための協力者を見つけようと、そう決意した矢先に黒服のあいつらから攻撃を受けました。
そちらに巨大な火の玉が飛んでくるから、それを撃ち落とすか、さもなくば、中にいる娘を生きたまま連れてこい…。
きっとグランクス皇国は、そんな風にこちらの世界に、根回しをしていたいだと、そう思います。」
「なるほど、じゃあ、あの黒服たちはシエルを追ってきたやつらだと。んで、俺がたまたま通りかかって助けたと。」
「はい、あの時は本当に危なかったです。」
さて、どうしたものか。
シエルの話はたぶん本当だと思う。シエルが載っていたあのメラ○―マ的な火の玉も、それを裏付けている。
でも、いくらなんでも落ちこぼれの俺が事を解決するにはいくらなんでも事が大き過ぎる。
かといって、彼女と契約できるほどの印使いを見つけるのは、かなり難しいだろう。
うーん、これと言っていい案がみつからない。
「えっと、のどが渇いたでしょ?下から飲み物を取ってくるね。」
ここは一旦席をはずそう。
「あ、ありがとうございます。」
ああ、書くことがない…
弟がテルマエ・ロマエを見に行きました。
私も行きたいです(涙)