印使いの資格
今回は千三百文字位です
印契約の条件として印使いの器の大きさというものがある。
印界の者(但し人型を除く)…便宜的に精霊は、印文字(ファンタジーでいうところの魔力の様なもの)を契約した印使いの器を媒介として使うし、契約した印使いも精霊から印文字をある程度まで引き出すことで印を使うことができる。
当然器が大きい方が、より高位の精霊と契約ができるので、器の大きさとは、いわば、その者の素質の大きさを表す目安だ。
分かりやすく例えると、一般的な下位の印使いの平均的な器の大きさが500mlペットボトル約1本分であるとされている。上位の印使いだと1Lペットボトル1本分。天才とされる領域だと2Lペットボトル1本分とされている。
この器の大きさは、後々の訓練次第で多少なりと大きくなるのだが、不公平な事に大体は、生まれた瞬間決まってしまうのだ。
ちなみに俺は器が滅茶苦茶小さいらしい、印契約をしに印界に行った時も、近づいた途端に逃げられた位だ。
さて、本題はここからだ。
印使いにもランクが存在する、下から順に、E D C B A Sという感じだ。
ちなみにS級の上のG級というのがあるらしいが、ただの都市伝説だとされている。
そして、印契約の時には、自分よりも上のランクに分類される精霊とは契約してはならないと法律で禁止されている。
これは、印の悪用を防ぐ目的とは別に印使いを守る目的も持っている。
さっきはペットボトルで、例えたが、その中身は、入る量を越えたら当然あふれる。
そして、恐ろしいことに、あふれた中身は、印使いの身を滅ぼしてしまうのだ。
このため政府は自分のランクよりも高いランクの者との契約を禁止しているのだ。
さて、さっきシエルは、自分の事をファム王国の王女と名乗った。
ファム王国とは、特に炎系の印が発達した印界の国の事だ。火山帯に国を構え、温泉産業が発展していると聞く(え?どうでもいい?)。
さらに言えば印界の人 (印人)は、印界の者の中でも頂点にいる。
その頂点たちの中の、王女と言うからには完全に王族だろう。
印人と契約していいと法律で定められているランクは最低でもC。
対して俺は落ちこぼれのE。
印人の王族と契約をするなら、S級でも怪しい。
どう考えても契約は無理である。
「ちょっと待ってくれシエル、俺は印使いだが、落ちこぼれで、いまだに未契約のE級だ、どう考えても他を当たった方がいいよ。」
そう諭すがシエルは、
「いいえ!あなたしかいません!」
と、聞く耳を持たない。
しょうがない、聴き方を変えよう。
「分かった、じゃあ、この話は一旦保留だ、シエル、何でファム王国の王女であるはずの君が、ここにいるんだい?」
そう聞くと、途端にシエルは暗い顔になった。
「あ、ごめん、言いたくないなら、言わなくてもいいよ。」
「いいえ、ごめんなさいはこっちの方です、確かに、事情を話さないのは、だめですよね、判りました。」
そう言って彼女はファム国と、自分たちの身に起きたことを話し始めた。
「逃げて来たんです、私。」
以上、説明回でした…話が進まなくてごめんなさい。
こういう話は極力減らすか話の中で自然に簡潔に説明されるようにします。
追伸:印使いのルビふりをあきらめました(涙)読みはスペルユーザーです。
ほかのルビふりは頑張ります
追記:ルビが振れたー!!やったー!!