プロローグ
精霊――。それは自然界に存在する、普通の生き物とは違う霊体で肉体を構成している生命体。ある精霊は火、ある精霊は水、ある精霊は風、ある精霊は土――と云った、自然現象を司る。そして、精霊は時に恵みを、時に災いを齎す。
何時しか人々は精霊と心を通わせるようになった。そして、その精霊と心を交わし合い、力を借りる事が出来る人々は精霊使いと呼ばれる様になった……。
精霊使いは精霊の力を借り、様々な事を行う。火の精霊の力を借りて鍛冶を行なったり、水の精霊の力を借りて、畑に水を撒いたり。
だが、昨今で精霊使いの力は、主に戦争で使われていた……。
――暗い……。
――寒い……。
――僕は何で……こんな所に居るんだっけ……?
真っ暗な空間に少年の声が響く。
――ねえ、ここから出たい?
少年しか居ないはずの空間に少女の声がする。
――誰……?
――精霊。
――精霊?なんだっていいや。ここから出してくれるの?
――ええ。但し、条件があるわ。
――条件?一体何?
――そう。私達をここから連れ出して欲しいの。
――良いよ。ここから出してくれるなら。
――そう。なら先ずは……。
7月7日――神鳴家にて爆発事故が発生。爆発により封印牢が吹き飛んだ。その後、神鳴家の長男が行方不明となっている事が判明した。爆発の原因、長男の行方は未だ不明である……。




