第1話 『ちょっとした日常』
「ねぇ、維音。バター知らな~い?」
「バター?…あっ!忘れてた!ごめんゆー姉、使い切ってた!!買ってくる?」
「あら~、まあ大丈夫。何とかできるよ。代わりに寝坊助たちを起こして...」
「...起きると思う?あの子たち。」
「...無理ね。作り置きでいいか。」
禁忌書物封印執行本部。各世界線に現れる禁書と呼ばれる書物を回収し、本部に転送。そこで幹部以上しか入れない図書室に封印して、世界線の秩序を保つ組織。その幹部たちは各々自由なことをして過ごしている。
「じゃあ朝ごはん食べちゃおうか。ゆー姉。」
「そうね。いただきます。」
「いただきます。...そういや一兄って今何の研究してるの」
「たしか、なんだっけ。魂魄にまで届く霊薬を作ってるって話だったはず。」
「その技術売ったら全然300年くらいは暮らせるんじゃない?」
「暮らせるかも...」
彼女たちは神凪結万と雨宮維音。
禁書封印本部の幹部第一位と第三位である。
「ねぇ、維音。この後どーするの。」
「買い出しに行って、任務中の双星の報告聞いて、午後からまったりかなぁ。」
「じゃあ午後から結界の修練しよっか。」
「うげぇ。やだやだ~‼ゆー姉の修練しぬっ!!」
「こっちだってやってくれないとヤダっ!!維音の結界を貫くのに1秒以上かかっちゃうのおかしいでしょ!!世界魔術まで使ってるのに!」
世界魔術、世界の創造や破壊。世界線への干渉や森羅万象への干渉まで可能な最強魔術。
「えぇ...私を殺す気?ゆー姉。」
「そんなことないわ。ほら。食べ終わったならやることを早く済ませてきちゃいなさい。」
「はーい...」
そんなこんなで禁書封印本部の一日が始まる...




