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「ルビー……お前、まだ生きていたのか」
「あはは。お久しぶりだな、ミゲル。下品な顔は変わらないね」
「ふん、口だけは達者なヤツが!」
禍々しい光の中にルビーはいた。自身のお気に入りの杖は穂先をつけて、箒となり、その上に立って浮かんでいる。その目は、どっかりと玉座に座るミゲルを見据えていた。
その後ろにはコロンが座り込んでいる。陣に捕まっていたコロンは、ルビーがその陣を破ったことで自由の身となっていた。
「ルビー……お前、どうしてここガ」
「んー? そりゃあ、愛する弟子の動向なんてどうしたってわかるでしょ」
「お前ガ、純粋に弟子を取るとは思えないガ」
「あはは。もう、本当に鋭いなぁ。そういうところも可愛いよ、コロンちゃん」
「黙レ……!」
余裕の笑みで軽口を叩くルビーに、コロンは殺意が芽生える。
「ふふ、それはまた後で話そうよ。まずはこっち」
意識をミゲルへと戻してルビーは言う。ミゲルはニタニタと値踏みするかのように、ルビーとコロンを見ていた。
「出来損ないのお前が、今までどうやって生きていた? ルビー」
「はっ、出来損ない? お前の自己紹介か、ミゲル。パイにも勝てないお前が、今度はキュービと対等に渡り歩こうとでも?」
「ふざけたことを。パイはオレが消した! それに変わりはない。キュービ様もそれを認めた上で、この陣を託したのだ!」
「キュービ様……って。本当に、イカれちまったみたいだな。魔法陣まで用いて、詠唱も忘れたか」
ルビーは眼光が鋭くなり、体制を整える。乗りこなす箒の先をミゲルへ向け、いつでも飛び出していける雰囲気だ。
その様子をコロンは若干不安げに見守る。そんなコロンの様子に気がついたのか、ルビーはフッと笑いかけた。
「そんな顔しないで。俺はパイと違って優しくないからねぇ。アイツをぶちのめすことに喜びを感じるから」
「変態メ……」
「ふふふ。お褒めに預かり光栄だなぁ」




