5-1
「はとれあのしずく?」
金髪の少女は首を傾げた。
軟派な顔の青年は笑顔で答える。
「うん、そう。もし何かあって……助けが必要な時は助けてくれる。その持ち主の心が正しければね」
少女の手にはキラキラと輝く、透明な雫型の首飾り。青年の手には、それを嵌めるであろうひと回りほど大きい、雫型の穴の空いた首飾りがあった。
「だれが助けてくれるの?」
「ん? そうだな、その時に王子様がいたら……その人が助けてくれるかもしれないし。いなくても、俺が守るよ」
「守る?」
無邪気な少女の笑顔に、胸を締め付けられながら、青年は無理やりの笑顔を向けた。
「何も、心配しなくていい。俺と暮らそう?」
「どこにいくの?」
「うーん、そうだな。森の中はいろんなものがあってきっと楽しい」
「そうなんだ!」
ピカピカに光らせた好奇心いっぱいの瞳で、少女は満面の笑みを浮かべた。
その笑顔に罪悪感を覚えつつ、青年は持っていた首飾りをぎゅっと握りしめる。
「これは、きっと必要な時に現れる。それまで、さよならしよう」
「? うん」
「そうだ、俺のことは先生ってことにしよう。色々教えてあげる」
「せんせ?」
復唱する少女の頭をいとおしそうに撫で、青年は手を引いた。
「さ、いこう。レミィ」




