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──数刻前、宿屋。
「コロンが城に入りたい理由ってなにかあるのか?」
メイドドレスの支度に手間取りながら、リオはコロンへ問いかけた。
コロンはすでに支度を終え、リオの手伝いをしていた。一度、着てみたドレスだったが、リオが悪態をつくのでひと工夫しながら着直していた。
「……昔、城にいたことがあってナ」
「え、そうなのか? ハウスメイドとして?」
「そうじゃなイ」
ひと呼吸おいて、コロンは語り始めた。
「レミィが師匠と呼ぶアイツ、ルビーとは昔馴染みでナ。それと同じク、さっき話したここの建国者、パイもそウ。ワタシたちは魔法学校で出会っタ。ルビーとパイは気がよく合っテ、建国する時に一緒に魔力を貸したんダ」
「魔力を貸す?」
「そウ。魔力は無限にあるものじゃなイ。何かのきっかけで弱くもなるし強くもなリ、なくなりもすル。土地柄、魔力は豊富なところだガ、パイは貸して欲しいと言ってきタ。魔力を貸すということハ、自身の魔力が少なくなるというコト。よく考えたらすぐわかるはずなのニ。ルビーもワタシもパイの力になるために、自身の魔力を貸しタ」
思い出しながら話すコロンは今にも涙がこぼれ落ちそうになっていた。
そんなコロンに、リオは自身を重ねて胸が苦しくなった。仲間のために、なんて聞こえがいいことを、そんな風に思い出しながら。
「あれが間違いだったとは言いたくなイ。でもその後、今の国王であるミゲルが国を奪い取っテ、アイツがやってきて……そのままダ。だからワタシは取り返したイ、その魔力ヲ」
「……そんなこと、できるのか?」
「わからなイ。けど、直感を信じてみるのもいいかと思っタ。なぜだかな。そうダ、リオ」
先程までの悲しそうな顔は閉じ込めて、コロンはリオに提案した。
「この先、もし二手に別れたとしよウ。その時ハ、自身の目的だけ考えロ。そしテ、ここで待ち合わせダ」
「おう、わかった」
支度を終えたリオは、真剣な眼差しでコロンに答えた。




