3-11
(あれ!? ここはどこ? わたしは、レミィ。よし、それは覚えてる。真っ暗だけど、動いてる? 運ばれてる?)
目を覚ましたレミィは真っ暗闇の中にいた。
何やら柔らかく、振動するので運ばれているのがわかった。
「ここで下ろせ」
声が聞こえ、暗闇の中に光りが見え、そして、
「ふぎゃ!」
レミィは袋の中から滑り下ろされた。
「いててて、眩しい……」
「やぁ! 目覚めたかな、ボクの美しく可愛い可憐な姫君よ!」
「へ?」
そとの光に目を眩ませるレミィの前で、誰かが華麗にステップとターンを決めて登場した。
ルビーも極めておかしいと思っていたレミィだったが、もっとおかしそうなのがいると安心する。
まるで似合っていない王冠をかぶる様に、レミィは不安を覚えた。
「えっと、何を言っているの……?」
「ふっ! レミィ、と言ったね。これから君はボクの姫……つまりこの国の王女となるのさ! ボクには君の力が必要でね。それは、ボクにとっても、キュービ様にとっても、この世界にとっても大切なものなのさ!」
「あの、リオは?」
「ボクはリオではない! ミューハ国の第三王子サンティトルだ! 自己紹介が遅れてすまない、レミィ王女」
「わたしは王女じゃないよ」
話が噛み合わないサンティトルに対し、若干引きつつその場を後にしようとするレミィ。
しかし、執事たちが横並びでいるので、扉まで行けず結局サンティトルの元に戻ってきてしまった。
「わたしは王女じゃないよ。リオはどこなの?」
「君は王女だよ」
否定するレミィを否定するサンティトル。
サンティトルの雰囲気に呑まれ、だんだんとレミィは夢心地になっていく。
「あれ……」
「君はボクと結婚してこの国の王女になる。大切な姫君なんだよ、さぁ……」
手を差し伸べるサンティトルは、どこか違う言葉を発しているようで、レミィは聞くたびにふわふわとした感覚に陥る。
(わたしは、この国の、この人の、姫……? 違うのに、そんな気もしてきた)
伸ばされた手を取り、レミィは頷いた。
「わたしは、この国の……」




