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木々が生い茂る森の中。そこの木々は高く高くそびえ立って、最早城壁を上から見下ろせる物もある。
「あーあ。城の奴らあんな派手に連れ去って。目撃さてるっての」
木の枝に座る少年は、長い髪を夜風に揺らし、耳には雫型の赤い耳飾りを付けている。
下に転がっている、番兵は身ぐるみを剥がされ伸びきっていて意識もなく、側には兵服と帽子が乱雑に脱ぎ捨ててある。
ふと、森に近い宿屋が少年の目に入った。
窓の外を、黒髪の少年が覗いているのがわかる。
「お! あいつかぁ、黒髪の少年ってのは! なんだ、元気そうならあっちから勝手に掛かってくれそうだ」
長髪の少年は嬉しそうに笑う。
「ははっ。城の奴らはどうしてっかな。面白くなりそうだ。借りは返すぜぇ、キュービ?」
そう言うと、まるで最初からそこにいなかったかのように、姿を消した。




