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Magical★Spirits-マジカル★スピリッツ-  作者: 晴埜あこ
2.湖の魔女と呪い

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18/24

2-8

「すげぇ音と魔力を感じるなぁ」

 

 城壁にある塔から森を見渡す少年は、赤い果実を一齧りしながら風を感じている。兵服に身を包んでいるが、その身のこなしは明らかに他の番兵たちとは違う。

 

「なぁ? 使い魔。いいのか、ご主人に黙ってオレに話しかけてきて」

『おれには、おれの、やりかた、ある』

「へぇ? そういうの、嫌いじゃないぜ。でもオレは何も知らない。まだ、な」

『べつに、いい』

 

 ファルは少年の持つ果実を一片もらい、少年に話を聞いていた。その様子を面白そうに、そして愛しくも哀しくある表情で少年は見ている。

 

「お前、いい情報屋になれるよ。紹介してやろうか? その筋のヤツ」

『うるさい。しっているから、やってる、それだけ』

「過去を? いいヤツだな。オレの使い魔にしたいくらい」

『ことわる』

 

 調子よく喋る少年をファルは躱す。

 

『おまえこそ、もどらなくて、いいのか。あちらに』

「ん? あー、いいよ。アイツ等ならまだ。それよりも、こっちが先かな」

『そうか』

 

 再び、愛しくも哀しくある表情で、少年はどこかに思いを馳せた。

 塔には心地よい風か絶えず吹いて、ファルはその度に体を震わせる。少年が撫でてやると少し満足そうにした。

 

『おれ、いく』

「おう。オレもやっとこの目で世界の変化を見られることを期待するよ」

『うまく、いきろ』

「へへっ、お前もな」

 

 言われたファルはこくんと頷くと、畳んでいた羽根を広げてふわっと舞い、その場からいなくなった。

 少年は手に持つ果実を食べ終わり、その場に寝転んだ。

 

「うまく、いきろ。……それが出来たらねぇ」

 

 ファルに言われた言葉を反復して、少年は目を瞑った。

 どこか懐かしい、思い出に浸りながら。

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