バルナイト
俺はバルナイト!皆からはバルって呼ばれてる普通の少年だ!
俺にはアルって言う1番の親友がいる!
でも、別に最初から親友だったわけでもない。
むしろ最初は(なんだコイツ)って感じだった。
アルと初めて会ったのは親に紹介された時だった。なんでも隣の家に俺と同じ年の男の子がいるからお互いに会わせようって盛り上がったらしい。
初めて会った印象はおとなしそうな奴。正直それ以外特に何の感想もない。そのまま何も盛り上がらずにその日は終わった。
次の日からもそれは変わる事は無かった。アルはただボーしているだけのように見えた。俺はそんなアルが不気味で正直関わりたくなくて、他の友達とばかり遊んでいた。俺は自慢じゃないがモテたから女の子の友達が沢山いた。だから遊び相手に困ることはなかった。でもそれがいけなかった。
ある日俺は一人でいると何人かの男に囲まれた。
「お前調子に乗ってんじゃねぇぞ!」
そう言うとそいつは俺を突き飛ばしてきた。
なんでもソイツは、いやソイツらは俺と一緒に遊んでいる女の子のことが好きらしい。と言うか、村の女の子達が俺とばかり遊んでいるのが気に入らなかったらしい。さらには、俺が女の子とばかり遊んでいるのにも腹を立てているらしかった。そのまま俺は何人もの男に殴られ、ぶっ飛ばされた。
幸いにも俺と遊んでいる女の子が駆けつけ、俺を庇ってくれた。だがそれがソイツらを余計に怒らせたらしい。ソイツらはその子も突き飛ばした。
この歳じゃ女は男の力には敵わない。その子や他の助けに来てくれた女の子も、すぐにソイツらに取り押さえられ、再び俺は一人になった。
「ムカつくんだよお前!」
そう言ってソイツは拳を振り翳した。
俺は思わず目を瞑った。
痛かった。
俺は逃げようとした。だが直ぐに取り押さえられ、殴られた。
痛かった。
怖かった。
でも、
そんな時に現れたのが、アルだった。
「なんだテメェ!ジロジロ見てんじゃねぇ!おいお前ら!そいつを捕まえろ!」
ソイツはアルに標的を移した。
その時俺は正直、自分から別のやつに標的が移りホッとしていた。
だが、アルはソイツに向かって走っていき、
そのままそいつの顔面に拳を突き出した!
俺を殴って良い気になっていたソイツは、
アルに吹き飛ばされ、そのまま気を失っていた。
「お前!何しやがる!急にぶん殴るなんて!」
俺を取り押さえている奴が言った。
「お前らが言えた台詞かよ。まぁそんな事良いじゃねぇか。だって、
ムカつく奴はぶん殴っても良いんだろ?」
アルはそう言って俺を取り押さえているやつをぶっ飛ばした。
そのままアルは一人でそこにいた男達を倒して行った。俺はただそれをみていることしかできなかった。
「ドイツもコイツも情けないなぁ。たった一撃で倒れてんじゃねぇか。ったくよぉ。なぁ。お前はすげぇな!お前、コイツらに殴られてもずっと立ってたじゃん。お前、意外と根性あるんだな!」
俺は、泣いた。
その日から俺は、アルと一緒に行動するようになった。女の子達と遊ぶのはやめた。またあんな事にはなりたくないからな。それになりよりアルと一緒にいたかった。
アルは相変わらずよく分からないことをしていた。助けてくれた時はアルの事少し分かったががしたが、気のせいだった。
でも不思議と嫌だとは思わなかった。多分、アルが本当は優しい良いやつだって分かったからだと思う。
アルは俺にとっての憧れで目標だ。
俺はアルのようになる為に、今日もアルを追いかける。
いつか必ずアルのように強い男になるために!