幼馴染
さて、今日も魔法の練習だー
「おーい!アルー!今日はどこ行くんだー」
今日はなんの属性の練習をしようかなー
「おーい!アルー!聞いてるのかー?」
そう言えば最近無属性魔法を使ってないような?
「アールー!どこ行くんだよー!」
えぇい!鬱陶しい!
こいつはバルナイト。いわゆる俺の幼馴染。
っても別に仲がいいわけでもない。
ただ単に家が隣で年が同じってだけだ。
バルナイト、バルはこの年でも分かるくらいにイケメンで将来はさらにイケメンになるだろうと村の女の子から期待されている。特に少し年上のお姉さんたちにはよく可愛がられている、、、らしい。
にも関わらずコイツはしょっちゅう俺の元に来る。
多分俺の母辺りから友達になってくれたでも頼まれたのだろう。が!
はっきり言ってスゲェ迷惑だ。
当たり前である。この年で既に魔法の練習をしていることが知られたら絶対にろくなことにならない。
せっかく二度目の人生なんだ!面倒事はごめんだ!
「今日もアルは火の球や水の球を作って遊ぶのか?」
は?
え?
まさか、、、
バレてる?
いや、まだだ!
まだ希望が!
「そう言えばこの間親父が言ってたぜ!親父にアルは火の球出せるんだぜ!って言ったら「アルはもう魔法が使えるのかい?」って」
終わった。
あぁ、これから俺は村の為に働くんだ、、、
「でもそしたら母さんが「馬鹿ねぇ。そんな訳ないでしょ。いくら何でも早すぎるわよ」って言ってたぜ」
ほほぅ?
成程?
つまり
これは
まだチャンスがあるな
なら、
賭けに出るか!
「バル、もし黙っててくれるなら、バルに魔法を教えてあげても良い」
「ほんとか⁉︎アル、魔法使えるのか⁉︎」
「あぁ、そしてバルも使えるようになる。ただし黙っててくれるなら、な?」
「おう!分かったぜ!男の約束ってやつだな!絶対破るなって親父が言ってたぜ!」
多分違う。
が、まぁ黙っててくれるならまぁ良い。
よし、これで俺の静かな生活は守られたはずだ。
ちなみにその日の晩
「アルに黙っててくれたら魔法を教えてあげるって言われた!」
とバルナイトが嬉しそうに両親に自慢したため、
バルの両親とアルの両親はアルが既に魔法が使えることを知ることになる。
また、その日からアルがバルに付きっきりで魔法を教えるようになったため、
「私達もバルくんと遊びたいんだけど」
と村の一部の女子達からアルは恨まれるようになった。