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学園のルール

 この国の王子と友達になってからしばらく。俺はなんの変化もなく学校生活を楽しんでいた。一応、ファシウスに態度を改めるべきか聞いてはみたんだが、曰く「この学園では、身分は関係ないのだろう?それに遠慮するな!友達だろ?」だそうだ。以来俺も遠慮せずファシウスと呼んでいる。一応本人から許可は得ているのだ。俺は。バルは一度俺を真似て「ファシウス!」と呼んだ事があるが「やめて」と言われ、ヤントにぶっ叩かれていた。それ以来「ファシウス君」と呼んでいる。

 さて、そんなこんなで数日たったある日、俺たちの教室に突然、やけに図体のでかい男たちがやって来た。

「あぁー、一年生の諸君。俺はヘザート・クライサス。この学園を支配しているものだ。今日、俺がここにきた目的は一つ。安心しろ、君たちと喧嘩しにきたわけじゃない。寧ろ、俺とお友達にならないかって言いにきたんだ。俺たちはさっきも言った通り、この学園を支配してるんだよ。要は、この学園でも選りすぐりの強い奴の集まりなんだ。いいか?別に俺たちは可愛い後輩であるお前たちに怖い思いして欲しくねぇんだ。だからな?俺たちの仲間になれば、他のやつにも手を出すなと伝えてやるぜ?特に勇者様や首席様!歓迎するぜ?」

男のセリフにヤントが反応する。

「待ってくれ兄上!俺は、入学すれば兄上の仲間に入れてくれるって言ったではないか!そうすれば、俺を認めるって!」

「あぁ?お前はもういらねぇよ!いいか!俺たちはなぁ、強い奴が欲しいんだよ!その学園でトップ張れるくらい強いやつがなぁ!お前みたいな次席止まりのやつなんかいらねぇんだよ。お前を入れるくらいなら、勇者や首席を入れるわ。ほらどうだ?勇者様よ、俺たちはあんたを手厚く歓迎するぜ?勿論首席様でもいいぜ?」

男はそう言い放ち、ヤントは肩を落とす。

 すると突然、男はルッソの方を向き、そちらに歩き出す。

「へぇ、あんたが今噂の美人メイドか。」

「噂?」

思わずルッソが聞き返す。

「あぁ、学校中で噂になってるぜ。従者が禁止のこの学園に突然現れた美人メイドだって。何故か常にスライムを抱えているからすぐ分かる。なのに何故か、未だに主人が誰か分かっていない謎のメイドだとよ。今じゃ、他の貴族たちも対抗して、従者を連れてこようと必死になってるらしいぜ?まぁ、他の従者は皆、学園から入園禁止になってるがな。」

ふーん。ルッソめ、目立っているのか。

 ま、この学園にメイドが一人しかいないなら、目立たない方が無理か。幸い、主人が俺である事はバレてないみたいだし、そのまま隠れといてもらおう。

「どうだ?その訳の分かんねぇ主人より、俺のもんにならないか?平和な学園生活を送れるぞ?」

「お断りします。」

「遠慮すんなって。そのご主人様だって、平和な学園生活を送りたいだろ?」

「お断りします!」

「安心しろって。俺も一緒にそのご主人様に頼んでやるよ!お前をくれりゃ、平和な学園生活を約束してやってさ。」

「いいかげんに、」

ルッソが言い終わる前に男はルッソの腕を掴む。

「良いじゃねぇかよ!コイツの主人も、他のやつもよく聞きな!良いか!痛い目見たくなかったら、大人しく強い先輩の言うこと聞きな!この学園はなぁ!実力主義なんだ!強い奴が偉いんだ!だから、強い奴は何してもいいんだよ!たとえ先輩だろうと後輩だろうと、教師だろうと、強いやつに従う!それがこの学園の暗黙の了解、裏のルールだ!平和に学園を送りたかったら、大人しくこのルールに従いな!」

男はそう言い放つとルッソと向かい合う。

「ルールは教えてやった。後はお前とお前の主人がどうするかだ。」

「私、」

「ん?」

「私に!触るなぁ!」

途端、男はルッソにぶん殴られ教室を飛び出し廊下まで吹っ飛ぶ。

 男はヨレヨレになり、仲間に支えられながら教室の入り口に立った。

「お前、何考えている!今言ったルールを聞いてなかったのか!お前や、お前の主人がどうなってもいいのか!」

「えぇ、聞いてましたよ?だからこそおかしいんです。」

「何?」

「この学園は強い者がルールなのでしょう。なら何故、私が私より弱い貴方に従わなければならないのです?ましてや何故、私より強いご主人様が、私より弱い貴方たちに従わなければなならいのですか?」

ルッソは淡々と、しかし明らかに怒りながら言い放つ。

「ク、クソ!テメェ、それからテメェの主人!覚えてやがれ!」

えぇ、あんだけ大物感出しといて急に雑魚感だしながら去って行ったんだけど。

 結局その日はそれ以来何も無く、俺たちは再び平和な生活を過ごした。

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