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授業

 学園に入学して2日目。今日から授業が始まった。とは言っても、午前中は数学、歴史、国語(この国の物)だけで、特に難しい内容ではなかった。まぁ、聞いて分かったつもりになっただけでテストで点数を取れないかもだけど。

 午後からは剣術の授業だった。それも実技で。

「今日は剣術の実技を行う!このクラスのほとんどの生徒は、入学試験の際に剣術のテストを受けてもらったと思う。だが!試験官を相手にテストを行ったため、他の人がどれ程の実力なのか知ってもらおうと思う!他の人の実力を知り、自分の実力を知り、これからの1年間に活かして欲しい!」

そう副担任のナシエル先生が説明した。

 ならば早速バルと組みたいところだが、

「バルナイト!貴様、昨日の約束を忘れているわけではあるまいな!」

「おうよ!アルの仇、打たせてもらう!」

てな訳でヤント君と組んでしまった。てゆーか死んでないし。

 そんな訳で、俺は俺で相手を探さなくてはいけなくなってしまった。

 この特別クラスに入学する生徒は殆どが貴族。そのため、入学する前から横のつながりは出来ている。はっきり言って、バルのように勇者でもない平民の俺がここにいる方が可笑しいのだ。だからなのか、皆、俺を避けるようにペアを作っていく。うーん、困った。このままでは、「余ったのか?よし!なら先生と組むか!」なんて事になりかねん。そんなボッチルート確定イベントはごめん被りたい。

 俺と実技試験のため一緒に来ていたルッソは急いでペアを探した。すると、居た。端っこに一人ぼっちでいる人が一人。よし、後は彼と組むだけだ。

「ねぇ、君?良かったら、俺と組んでくれないか?」

俺は早速彼に話しかける。

「え?僕?」

「君以外いないだろ。どうかな?」

「いや、でも、」

「もしかして、既に組む相手が決まっているのか?なら直ぐに他の人を探しに行くが、」

「いや、いないけど、」

ハッキリしねぇなぁ。

「ハッキリしなさい!ご主人様と組むのか、組まないのか、どっちなんですか!」

いいぞルッソ、その辺にしといてやれ。

「あの!お願いします。でも、良いんですか、だって、俺、」

「ん?貴族様なのか?けど、この学園の中ではそれは通用しないんだろ?」

「!うん!」

ん?なんか急に笑顔になったぞ?どうした?

「なら早く行こうぜ。早くしないと他のやつにジロジロ見られながらになっちまう。」


「俺、アルノート。アルでいいぜ。」

「えっと、僕はファシウス。」

「そっか、ファシウス。準備は良いか?」

「うん、いつでも大丈夫だよ。」

「そっか、なら、行くぞ!ルッソ!」

俺の声と共に剣となったルッソを掴み、ファシウスに向かって突撃する。とは言っても最初は様子見としてかなりゆっくりと。しかし、いつまで経ってもファシウスは動こうとはしない。だんだんとルッソが彼に近づいて行っているが、それでも彼は動かない。とうとう、ルッソは彼の目と鼻の先まで来てしまった。流石にこれ以上進めば彼を切ってしまう。そう思った俺はそこで剣を止めた。

「ファシウス。なぜ動かない?」

「!ごめん、ちょっと驚いてて、いきなり、人が剣に変わったと思ったら、目の前に君がもう迫ってきてて」

ふむ、確かにルッソの変形は驚くか。

「じゃ、もう一回やるか?」

「いや、さっきはああ言ったけど、目の前に迫ってきていた君に咄嗟に反応できなかった時点で僕の負けだよ。ありがとう。」

ふむ、まぁ、彼が良いならいいか。付き合ってもらったのは俺の方だからな。

「でも、君はすごいね。」

「ん?」

「こんなに強いなら、きっと皆君の事を放っておかないだろうなって。」

「だとしたら、俺はこの授業でペアを作るのに困らなかったんだろうけどな。」

「ふふ、それもそうか。面白いね、君。」

お?今のは自信があったからな。ウケてよかった。

「ねぇ、僕と友達になってよ。」

ふむ

「お前、友達いないだろ?」

「え?なんでだい?」

「友達ってのは、なってくれって頼むものじゃないんだぜ?」

「じゃぁどうやって友達を作るんだい?」

「作るのも違う。友達ってのは、自然となるもんだ。今の俺とお前みたいにさ。」

「!それって!」

うーん、友達ができたことにはしゃいで、なんか変にカッコつけちゃったな。まぁ、喜んでるし、良いか。


 その後授業は無事終わり、次の日、

「おはよう、アル。今日から隣、良いかな?」

「おはようファシウス。お前は友達に許可を取らなきゃ、隣に座れないのか?」

「!ごめん、」

「ちげーよ、遠慮すんなって意味だ。友達だろ?」

「!うん!」

元気よく返事をしたファシウスが隣に座る。直後、教室の扉が開く。

「バルナイト、次は負けんぞ!」

「俺だって、アルを守るためにも負けないさ!」

騒がしいのが入ってきたなぁ。

「ん?アルの隣、埋まってるな。おいアンタ。悪いんだけど、席変わってくれないか?」

「バカもの!この方になんて口を!大丈夫ですか、殿下!」

ん?

「へ?殿下?」

「そうだぞ!この方こそ、この国の第一王子、ファサウス・ナードバーロン殿下なのだぞ!」

ヘ?

「良さないかクライサス。この学園では、僕も、君も、彼も、王族も貴族も、一生徒に過ぎないのだよ。君だって、僕を超え、この学園で最強になるために入学したのだろう?」

「それは、そうですが、良いのですか、殿下!」

「構わないよ。それより、すまないが席は変わることはできない。友達が遠慮せずに座ってくれと言ってくれたからね。」

「「えぇ!!!」」


どうやら、学園に来て初めてできたお友達は、

この国の王子様のようです。

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