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剣術試験

 ようやく魔術試験を終えた俺たちは、次の試験場に向かっていた。「まだ試験続くのかよ」って思ったそこの君!  うん、この学園の入学試験は学科試験、魔術試験、そしてこれからする剣術試験があるのだ。

 試験官に案内された試験場は、外、いわゆる前世の学校で言うところの『運動場』って感じのところだった。そこには沢山の試験官が剣を持ち、俺たちより先に試験を受けている受験生と斬り合っていた。

「ではこれより剣術試験の説明を行う!ここでは各自持参した剣を持って試験官のところに行き、その試験官と戦ってもらう。戦う試験官は誰でもいい!各自、空いた試験官の所から相手をしてもらうように!以上だ!また、今回の入学試験はこれで終了となる!試験を終えたものから帰って良い!説明は以上だ!質問のないものから順に試験を受けに行って良い!」

ふむふむ。

なるほど。

つまり、


「私の出番ですね」


いつの間にか俺の隣に来ていたルッソが呟く。

 そうなのだ。ルッソが俺の剣になってから、他の剣を触らせてもらえない俺は、当然この試験にも剣を持ってきていなかった。と言うか、俺が他の剣を触るとルッソが瞬時に剣を粉々に砕いた上で拗ねる上、ルッソを大変気に入っている母様からしこたま怒られるので俺はルッソ以外の剣を使うことはもう諦めた。後、一度拗ねたルッソの機嫌を治すために、定期的にルッソを使って剣術の練習をすると約束したので剣術自体は問題なく修行できた。何よりルッソが動きを教えてくれるしな。


「ご主人様、ちょうどあちらの試験官が開いたようです。周りに誰もいないので向かいましょう。」

ルッソの言う通り、試験官がどうやら試験を終えたので、そこに向かう。

「おっ?次は君かい?じゃぁ、受験番号を言ってくれるかな?」

俺は言われた通り受験番号を伝える。

 すると隣にいた剣を持ってない試験官が何やらメモをしている。どうやら二人一組となり、試験を行うものと点数を付けるものに別れているらしい。

「よし、では試験を始める。ところで剣は?無いなら貸し出すから、安心してくれ。」

「大丈夫です。行くぞ!ルッソ!」

「はい!」

返事と共に、剣の姿に変身したルッソが俺の手に収まる。いつでも戦えるよう、俺はそのまま剣を構えた。

 目の前の試験官二人は、口を大きく開け、目を丸くして、これ以上ないくらい驚いていた。

「おい、今の見たか?」

「あぁ、人が剣になったぞ!」

「そんなバカな!信じられん!」

「あれは、魔術試験の奴じゃないか!?」

「本当だ!アイツ、剣術にも長けてるのかよ!」

どうやら周りも大勢観ていたようだ。うーん、やはり少々うるさい。

「早く試験を始めませんか?周りに見られて居心地悪いんですが、」

「あ、あぁ。」

俺の声でようやく正気に戻った試験官は、剣を構える。

「始め!」

もう一人の試験官がそう叫んだ途端、試験官が突っ込んできた。それもかなりのスピードで。普通もっと手加減しない?

(ご主人様!)

ルッソに言われて正気を戻し、ようやく行動を起こす。因みに、ルッソは剣の姿に戻ると俺以外の意思の疎通が出来なくなるらしい。

 焦らず、突っ込んでくる相手と鍔迫り合いになるようにルッソを構え、そのまま切り掛かる。試験官の剣とルッソがぶつかり、ぶつか、あれ?


試験官の剣はルッソにぶつかった途端、刃の部分が粉々に砕け散ってしまった。

 嘘でしょ?

「そんな、馬鹿な、」

試験官が小さな声で、そう呟く。うん僕もそんな気持ちだ。

「そこまで!」

もう一人の試験官が、試験終了を告げる。どうやら終わったらしい。

「待て、俺はまだ、やれるぞ!」

「終了だ。その刃の無い剣で、どうやって剣術の試験を続けるんだ。」

「くっ、」

試験官は納得いってないようだったが、もう一人が試験終了だと言っているので、大人しく彼に従わさせてもらおう。

 こうして俺は無事?試験を全て終え、学園を後にした。


 因みにバルが帰りの馬車の分のお金まで遊ぶのに使ってしまったため、ルッソと俺の二人分しか金を持ってきていなかった俺たちは、仕方なくルッソを剣の姿に戻し、その分の金でバルを帰りの馬車に乗せて帰った。

 この日からルッソはバルが大嫌いになった。

 それはそれとして、帰り道常に剣の姿となったルッソ抱えて帰ったので機嫌は良かったみたいだった。

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