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魔術試験(2)

「おい見ろ!光属性だ!」

「あぁ。しかもなんだよあの大きさは!」

 まぁ、そりゃ驚くわな。この世界では、七つ属性があるが、この光属性と闇属性だけは、発現させるのが特に難しいとされている。まぁそりゃ当たり前なわけで、元々の想像力が豊かな上、太陽以外で光がないこの世界と違い、電子機器に溢れ、照明に囲まれて育った前世の記憶がある俺では、発現する為のイメージの難易度が違う。闇?、、、前世でハマってたゲームの影響かな?まぁ、全属性使えるから、ついはしゃいで全属性で修行しまくった結果、全部同じだけ使えるようになったから、どれが一番得意とかないんだけどね。

「いやぁ凄いですね、君。まさかこれ程の力を有しているとは。」

 おぉ、なんかさっきのイケメン実力者君も褒めてくれているぞ?うーん、、、ちっとも嬉しかねぇなぁ。

「パパ凄いのー」

「さすがはご主人様です。他の受験者を圧倒し、力を見せつけるその姿。それこそまさに私を使うべく出会ったご主人様の姿。」

ルッソうるさいぞー。圧倒したわけでも力を見せつけたわけでも無い!なんならいつもより小さいライトボールだってことお前は知ってるだろ!



「クックックっ。」

「おい、ヘンリー様が笑ってるぞ!」

「まさかヘンリー様、自分よりさらに大きなライトボールを見て、壊れてしまったのか?」

何?そりゃ大変だ、試験を受けてる場合じゃ無いぞ!

「いやぁ、違いますよ。フフ、だって、まさかこの私を出し抜くために、最初の魔術試験で魔力を全部使ってしまうなんて思わないじゃ無いですか。」

ん?何言ってるんだコイツ?

「そうか!コイツ、自分の魔力全部使ったんだ!」

「確かに!でなけりゃ、あんなデケェもん出せるはずがねぇ!」

「バカだぜこいつ!まだ魔術試験は二つも残ってるって言うのに、一番最初で魔力全部使っちまったなんてよ」

「「「ハハハハハ」」」

「全員静かにしろ!試験中だと言うことを忘れるな!それとお前!いつまでその光を出している。もう試験は終わった。さっさとしまえ。」

笑われた上、怒られてしまった。しかし成程、コイツらが先ほどから小さなボールしか出さないのは、全部わざとで後の試験のために魔力を温存するためだったのか。いや、それにしても小さい気もするが。しかし、こう、集団に囲まれて中心で一人周りから笑われていると、なんだか悲しくなってきたな。前世の学校での嫌な記憶を思い出す。あれ?なんで俺、入学試験の段階で既に学校の辛かったこと思い出してるんだ?まだ学校始まってないだろ!

 とりあえず俺はライトボールを消し、その場を後にした。だが、俺を笑う声は止まなかった。

「もう一度言う、静かにしろ。良いか、最初の段階で魔力が尽きる奴は例年いる。だがな、彼らのように試験に全力を出さず、適当に手を抜いている様では、落ちた時どうなっても知らんぞ?」

試験官がそう言った途端、笑い声は消えた。やはりこの試験官は良い人らしい。




「続いての試験を行う!次は各々の魔力操作を見させてもらう。ファイアボール。」

そう言うと今度は、試験官の手に野球ボール並の火の球が現れた。先ほどはソフトボール並みだったので、少し小さくなっている。

「このファイアボールを君たちに向けて放つ!君達は各々の初級魔術を使い、こらをふさげ!では試験を開始する!一番、前へ!」

 なるほど、次はアレを防げば良いだけか。しかも随分と小さい球だ。かなり手加減してくれているらしい。

「おい見たか今の!あれが飛んでくるらしいぞ!」

「あぁ、あの試験官、俺たちを殺す気なんじゃ無いのか⁉︎」

ん?いや随分手加減しているだろ?

「アクアウォール!」

気がつくと1番の人が試験を開始していた。しかし彼の声とは逆に彼の前に現れたのは、A4サイズくらいの、水の板だった。いや、ウォール?

 俺の思いとは関係なく、試験官が放った火は彼の水の壁?に当たり、消滅した。

「ヨシ!次!」

その後も試験は進んでいったが、皆最初の人と同じく、A4サイズ、またはそれ以下の大きさだった。

 なんなんだコレは?彼らはこの為に魔力を温存したんじゃ無いのか?それとも、温存してこれなのか?

「おい見ろ!次はヘンリー様だぞ!」

お?次はあいつか。流石にコイツもA4サイズとかじゃ無いだろ?

「行きます。ファイアウォール。」

彼が唱えた途端、彼の目の前に彼をの姿が隠れるくらいの火の壁が現れた。

 うんうんこれは間違いなく壁だね。素晴らしい。

「フフ、見たかい?本当はこうして、魔力を残すんだ。だから、さっきのファイアボールは、僕の全力じゃ無いんだよ。」

なんかさっきからこいつ、やけに俺に突っかかってきて無いか?

「次!前に出てこい!」

ん?呼ばれたな!

「おおい、君!何してるんだい?君はもう魔力がすっからかんだろ?大人しく試験官に言って、次の人に進んでもらわないと!」

「そうだ!コイツもう魔力を使いきっちまったんだ!」

「おい!後ろが詰まってるんだ!さっさとかわれ魔力無しヤロー!」

いや、俺まだ魔力残ってるが?

「おい、ご主人様の邪魔をするな、消すぞ?」

「スーのパパ、虐める、メーなの!スーゆるさないのー!」

はぁ、さっさと試験を終わらせるか。出ないとルッソとスーが暴れ出しそうだ。

「おい、そこに立っているのなら、私はお前に魔法を放つぞ?良いのか?」

いや、あんたも俺が魔力全部使ったと思ってんのかよ!あんた俺を庇ってくれたんじゃなかったのかよ!

 そう考えている間に、試験官は俺に向かってファイアボールを放った。

 なんかだんだん腹立ってきたぞ?勝手に勘違いされた上馬鹿にされ、笑われている。そうか、なら見せてやるよ!本当の壁、ウォールをなぁ!

「ロックウォール!」

 次の瞬間、体育館らしき試験会場は、突如現れた土の壁によって分断され、二つの部屋に分けられてしまった。

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