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学科試験

 さて、試験が始まったわけなんだが、

「最初は学科試験です。受験番号順に教室を分かるので自分の番号が呼ばれたら試験官に着いてきてください。」

最初は学科試験かぁ。俺全然勉強してないや。だって魔法の方が面白いんだもん!

 そうこうしているうちに俺の番号も呼ばれ、試験管に着いていく。ってか改めて見たら、すごい人数いるな。まぁ、当たり前か。ここ以外学校がないんだから。言うなれば、この王国に住む15歳の坊ちゃん嬢ちゃんが一斉に今ここに集まってるんだもんなぁ。

「ここが貴方達の試験会場です。自分の受験番号が貼ってある机に座ってください。」

あ、着いたみたいだ。さーて、どんな問題が出てきますかねぇ。

「あのーすみません。受験者以外は中に入れないんです。て言うか、付き添いの方は試験中は中に入らない決まりなんですが、」

「黙れ。貴様如きに私とご主人様を遠ざける権利はない!」

「スー、パパと一緒にいちゃダメなの?」

「いえ、あの、決まりですのでその、」

「お姉さん、なんでそんな意地悪言うの?」

「いえ意地悪では」

「うるさい!これ以上お前に付き合ってられん。お前のせいでご主人様に捨てられたらどうするのだ!どけ!」

「いえですから中には入れませんって!」

おいやめろこっちを見るなこっちに来るな。他の受験者や試験官が俺を見てるだろお前を見てるだろ。目立って仕方ないじゃないか。こんな目立ち方はしたくないぞ。頼むから大人しく目立たなく試験を受けさせてくれ。

「申し訳ありませんご主人様。邪魔が入り、こちらにくるのが遅くなりました。」

「パパあのね、あのお姉さんがスーに意地悪言うの。スーにパパの所に行っちゃダメって言うの。」

「ルッソ、スー、とりあえず試験中は大人しく廊下で待ってなさい。」

そう言うとルッソとスーは大人しく試験官に連行され、しぶしぶ教室を出て行った。俺は隣の席の人に椅子を離されたよ!



「それでは試験開始!」

さーて、全然勉強してないから、頼むからなんとかなってくれよー。




 アルは肝心な事に気付いていなかった。先程バルに対して、「ここ以外学校がないから排出する場所はここしかない。」などと思っていたにも関わらず、この事には気付けていなかったのだ。そうなのだ。この今のアルの世界には、王国にはこの王都にある学園以外学校がないのだ。そしてこれは、前世でいう小学校、中学校、高校などを全部含めた上で、この学園一つしかないと言う事なのだ。

 勿論、この学園へは15歳から入学するため、前世の小学校の内容を学習するわけはない。だが、かと言って高校の内容を学習するわけでもない。大体中学から高校前半の範囲がこの学園で学習する内容になる。そう、学習する内容が、中学から高校前半なのだ。当然その内容がこの学科試験に出ることはない。学科試験の内容は、大体が前世でいう、小学から中学全般なのだ。しかしこれでも、この世界の人々にとっては難問なのだ。当たり前である。彼らにとってはそれが人生にとって初めてのテストを受ける事になるからだ。この世界はここ以外学校がない。学ぶためにはここは通うしかない。学ぶためにやってきたのだから、分からなくても問題はないのである。

 さらに言えば、この学科試験は実はさほど重要ではない。この学科試験でどれだけ優秀な点数を納めたとしても、実技試験である魔術試験、剣術試験の両方の成績が悪かった場合不合格になる。逆に実技試験で優秀な成績を納めれば、学科試験の点数が何点であろうと合格なのだ。テストの内容は難しい上、重要度は低いため、毎年受験者は殆ど学科試験の対策をせずに試験を受ける。そして毎年合格者の点数が散々な事になっているのが、この学園の恒例なのだ。

 前世の高校ではお世辞にも成績が良いとは言えないがそれでも小学校、中学校前半の内容なら問題なく解くことができるアルは、その事について試験中最後まで気づく事はなく、「なんかずいぶん簡単だなぁ」と試験時間の約半分の時間を残して問題を解き終わり、未だ唸りながら問題と見つめあっている他の受験者を見ながら呑気な事を考えつつ、この学科試験で過去最高得点を叩き出したのだった。

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