表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/59

8 

 


 ◆九白圭



 娘が成長している。


 毎日の小さな変化から、そう実感する。


 やはりこの位の年頃だと、日を追うごとに変化がはっきりと分かる。


 まあ、成長しても変なところは相変わらずではあるが。


 とはいえ、私も妻もかなり変なので、その娘なんだから、そういうものだろうと思っている。


 最近は成長に合わせて、奇行の種類が変わってきた。


 きっかけは、大声で叫び始めた辺りからだろうか。


 一時期、娘はやたら叫んでいた。フン、フン、と女の子にあるまじき叫びぶりだった。


 それが治まった後、部屋の物を片っ端から捨て始めたのだ。


 いわく、霊術の修行に集中できないから、とのこと。


 気がつけば、本当に何もなくなっていた。


 私と妻の趣味が反映されて、かわいい内装だったのに見る影もない。


 まるで引越ししたてで何も無い部屋のようになってしまった……。


 娘は部屋の模様替えに満足そうだが、親の視点からすると、あまりに物が無さ過ぎて心配になる。


 まさかあれは娘の心の表れ!?


 あの部屋のように空虚で何も無いということなのか!


 これはいけない、と家族として接する時間を増やしたら、普通に嫌がられた。


 修行が捗らないから、ほどほどにしてくれ、と。


 はい、父が悪かった。だから、そんな顔しないでくれ……。


 娘が霊術の修行にハマりだして数日後、久しぶりにおねだりがきた。


 それは鏡だった。


 ねだられた時は、オシャレに目覚めたのかと喜んだが、違った。


 鏡と言っても、スポーツ選手がフォームの確認に使うタイプのものだった。


 いわゆる、スポーツミラーというやつである。


 どうやら、霊術の練習に必要なようだ。


 かわいいものに一切興味を示さないのは残念だが、霊術に打ち込む様子は子供そのもの。


 練習風景は強烈だが、それだけ好きなものがあるのは安心できる。


 とか思っていたら、指一本で倒立できたから見て、と言ってきたときはうろたえた。


 娘よ、一体どこを目指しているんだ。


 そんな娘の姿を見て、強い関心を示したのは妻だ。


 今までは娘として可愛がっていたが、近頃の様子をみて、仕事を仕込んでいくべきか本気で悩み始めている。


 子供が出来たと分かった時、我々の仕事には関わらせず、普通の子供として育てようと話し合っていたのに気が変わったようだ。


 何とか説得して止めさせようとしたが、とき既に遅し。


 妻の性格上、決めたら一直線。止まらない。


 最近はどうやって娘を育てていくか計画を立てるのが楽しくて仕方がないようだ。


 今もニヤニヤ顔のまま、飲んでいたコーヒーのスチール缶を握りつぶしている。


 ーーああ、娘よ、許して欲しい。


 あんなに楽しそうにしている妻を止めることは、夫としてできないんだ。





 本作品を読んでいただき、ありがとうございます!


 面白い、続きが読みたいと思っていただけたなら、



 ブックマーク登録をしていただけると、作者の励みになります!



 また、ページ下部にある評価ポイントを入れていただけると嬉しいです


 よろしくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ