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 ――数日後のパーティー当日。


 雲上院親子の車に同乗し、目的地へ向かう。


 黒塗り高級車の一団は街を抜け、自然豊かな方面へ進んで行く。


 周囲に家が消え、山が増えていく。こんなところでパーティー?


 高級ホテルの高層階にある展望エリアが会場、みたいなのを想像していただけに意外だ。


「今回の会は仕事とは無関係。知人にお祝いの挨拶をしにいくだけだ。繁忙期なら花を贈って済ませる時もあるような会なので、気負う事はない。雰囲気に慣れるには丁度いいはずだ」


「わ、分かりましたわ!」


 昭一郎さんからの説明を聞き、頷くレイちゃん。


 緊張してるのかな? ちょっと表情が硬い感じがする。


 ちなみに、今回のパーティーで私は挨拶回りに参加しない。


 雲上院家の人間じゃないのだから、当然だ。


 両親が来ていないのに、小学生の一人娘が九白家として挨拶して回るのもおかしい。


 というわけで、やることがない。会場では、待機になるだろう。


 ドカ食いして悪目立ちしないとか、そういうことに気をつけて大人しくしておけばいい。


 気楽なものである。せいぜい豪勢なパーティーを楽しむとしよう。


 というか、令嬢に連れられてパーティーに参加って、完全に取り巻きムーブだよね。


 こんなところで取り巻きの気分が味わえるとは、思ってもみなかったよ。


「お、お父様に恥を欠かせないよう、頑張りますわ!」


「そんなに気を張らなくて大丈夫だからね。でも、私のことを考えてくれて嬉しいよ。礼香は優しいね」


 レイちゃんは、ちょっと張り切りすぎな気がする。


 勢い余って、つまずいたりしないか心配だ。


 ――そうそう、お祝いの品を今の内に渡しておくか。


「レイちゃん、これ」


 と言って、私は綺麗に包装されたプレゼントを渡した。


「何ですの?」


「ちょっと遅れたけど、霊薬を飲みきったお祝いと記念にプレゼント」


「まあ! 開けてみても?」


「うん。気に入ってもらえるといいけど」


 私の返事を聞き、レイちゃんが包み紙をはがして、箱を開ける。


 中から出てきたのは、洋扇だ。属性が火だったので、赤色が際立つデザインのものを選んでみました。


 やっぱり、悪役令嬢っていったら洋扇だよね。


 というのは冗談で、社交の場に出るという話からのチョイスだ。


 今日のドレスは赤だし、いい感じにマッチしそうである。


「マオちゃん、ありがとう! とっても綺麗ですわ。寝るときは必ず枕元に置きますの」


「え、使わないの?」


「そんなもったいないことはしませんわ! 大事にしまっておくのです」


 扇を包み込むように持つレイちゃん。


 まあ、喜んでもらえたようだし、どう使ってもらおうと構わないけど。


 まさか、寝具として利用されることになろうとは。


「良かったね、礼香。真緒ちゃんもありがとう」


「いえ、大した物ではありませんので」


 などと話しているうちに会場に到着した。


 ――見た感じ、ゴルフ場?


 宿泊施設にいくつものグラウンドが見える。


 車から下りると、ロビーを抜けて、併設された豪華なホールに通された。


 中は立食パーティーが行われ、大勢の着飾った人たちが談笑していた。


「それじゃあ、私たちは行ってくるよ。しばらく一人にさせて申し訳ないが、食事でも楽しんでいてほしい」


 と、昭一郎さんは言うけど、警護に後藤さんがついてくれる。その辺はしっかりしているのだ。


「こちらのことは気になさらないで下さい。初めて見る場所で新鮮なので、すぐ時間が経ってしまいそうです。レイちゃん、ファイト!」


「い、行ってきますわ」


 昭一郎さんに連れられ、レイちゃんは挨拶回りへと旅立った。


 飲み物を取った私は、すっと壁際へ移動。


 目立った事をして、雲上院家にご迷惑をお掛けするわけにもいかないので、人間ウォッチングとしゃれ込む。


 パーティーの参加者は、ほとんどが子供連れだった。


 ざっと見渡した感じ、子供は小学校高学年から中学生くらいが多い。


 家族での参加を前提としている会なのかな。


 さらに注意深く見ると、どうやらこのパーティーは、二つの大きなグループに分かれているようだ。


 境界線が引かれたように、くっきりと分かれている。


 グループ内では賑やかだが、両グループが接することは無い。


 険悪な雰囲気というわけでもないし、対立しているわけではなさそう。


 だけど、溝や壁のようなものを感じる。


 よく見ると、片方のグループの親のほとんどが帯剣していた。


 サーベルのようなものを腰に差しているのだ。


 何かの正装なのかな……。


 気になったので、剣を中心に観察してみる。


 すると、統一感がない事に気づいた。


 サーベル、刀、レイピア、中には曲刀みたいなのもある。


 形、大きさ、長さ、一つとして同じものがない。バラバラすぎるだろ。


「……もしかして」


 霊装?





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