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 ◆九白真緒


 

 雲上院親子から、この間の一件が片付いたから、お礼に招待したいとお誘いが来た。


 レイちゃんのお父さんである昭一郎さんに、録音した会話を聞いてもらったやつである。


 片付いたということは、人員の入れ替えが済んだということなのだろう。


 両親も一緒に招待したいとのことだったが、生憎仕事で行けない。


 というわけで、今回招待を受けるのは私だけ。両親は別の機会ということで話がまとまった。


 予定日当日。水族館へ行く時は待ち合わせたが、今回は家に迎えが来た。


 運転手を務めるのは、後藤歌夜子さんという女性。


 胃根みどりに代わって家事とレイちゃんの担当の統括となった者です、と紹介を受けた。


 パッと見、二十代前半くらい? そういう立場としては若そうだ。


 物静かで、側に居ると落ち着く雰囲気の人である。


 そんな後藤さんが運転する車に揺られて、数分。目的地の雲上院邸に到着した。


 ほほう、これが雲上院のお家か〜と言いたいところだが、肝心の家が見当たらない。


 まあ、予想はしていたよ。敷地が広いから家が見えないってオチね。わかるわかる。


 訳知り顔で一人納得してると、巨大な門が自動で開いて車が敷地内へ入っていく。


 車はゆったりとした速度で、テニスコート、ランニングコース、ミニゴルフ場、を抜けていく。


 うん、スポーツセンターか何かかな?


 そう思っていると森に突入。森を抜けた先は様々な花が咲き誇る庭園。


 中央には巨大な噴水が見える。


 個人の家に来たって感じじゃない。なんだここは。


 美しい庭園の先には、自然溢れる景色に不釣り合いな巨大なビルが現れた。


 というか、このビル、見たことある。


 いつも遠くから見て、何の建物だろうと思っていたやつだ。


 まさかそれが雲上院邸だったとは……。


 終始呆気に取られていると、玄関に到着。


 いや、玄関じゃないだろ、これ。


 入り口付近は全てガラス張り。中の様子がハッキリ見える。


 どう見てもロビーとフロントがある。ホテルじゃん。


 違うのは、靴を脱ぐところがあるくらいだ。


 余りの巨大さに呆けていると、係の人が扉を開けて、中へ促してくれる。


 私はためらいがちに会釈しながら、恐る恐る入場。


 すると、雲上院親子が出迎えてくれた。


「やあ、よく来てくれたね」


「いらっしゃい、マオちゃん!」


「こんにちは。今日は、よろしくお願いします。これは両親からです。心ばかりの品ですが、お受け取りくださいませ」


 と、ご挨拶と一緒に手土産を渡す。


 この手土産も、何を持って行くかで毎夜家族会議が行われた。


 ほんと、この規模の家相手に何持っていったらいいか分かんないよ。


「これはご丁寧にありがとう。招待したのはこちらなのに、わざわざすまないね」


「いえ、お口にあえばいいんですけど」


「ありがたく頂戴するよ。さて、すまないけど、私はこの後仕事があってね。また、夕食の時に会おう。後は友達同士で気楽に過ごしてくれ。それでは失礼するよ」


 そう言うと昭一郎さんは秘書の方と一緒に仕事へ。


「それじゃあ、マオちゃんは私の部屋へ行きましょう!」


 私はレイちゃんに手を引かれて、お部屋にお邪魔することとなった。


 エレベーターに乗って到着したのは、十階。


 廊下には毛足の長い赤い絨毯が轢かれ、高級ホテルのそれ。


 そんな階の一室がレイちゃんの部屋だったわけなんだけど。


「ここまでいくと、よく分からないな」


 天井が高い、部屋が広い、部屋が多い。


 バスとトイレもあるし、超高級ホテルのプレジデンシャルスイートの一室と言われた方が納得いく。


 この部屋だけで下手な高級賃貸より、広いんだよねぇ。


 どう見ても子供部屋には見えない。


 レイちゃんの部屋に圧倒され、言葉も出ない。


「どうしましたの?」


 私の反応を見て、不思議がるレイちゃん。


「ううん、何でもないよ。良かったら色々案内してくれない?」


「分かりましたわ!」


 私のお願いを聞き、張り切ったレイちゃんがルームツアーをしてくれる。


 はぁ〜、凄いわ〜。レイちゃんの部屋だけで、三十分番組が作れそうだよ。


 本当はそのままレイちゃんの部屋で寛ぐはずだったが、予定を変更。


 ルームツアーの流れで、家の中も見学させてもらえる運びとなった。


 結論から言うと、家じゃないってひと言で終わる。


 下手な観光スポットより見るところがある。なんなの、これ。


 などと驚愕していると、いつの間にか夕食タイムに。


「それでは参りましょうか」


 と、レイちゃんに連れられてやって来たのは、展望エリアのレストランと言った方が分かり易いダイニングキッチン。


 目の前にはシェフが居て、A5ランクのお肉とか、2Lペットボトルくらいありそうな伊勢海老なんかを焼いてくれたよ。


 いつもこんな感じで食事をしているんですか、と聞けば、「大体そう」と返ってきた。


 ――まじか。


 余り言いたくはないが、うちもお金持ちの家。


 普通に比べれば、かなりの贅沢をさせてもらっていると思う。


 だから、無意識にあなどっていた。いくら雲上院家といっても、うちの生活をちょっとグレードアップさせたくらいだろうと……。うん、全く違うわ。


 しかし、こんな生活を毎日送っていたら常識が歪んじゃわない?


 美味しい物をご馳走になったのに、妙な不安感に襲われながらレイちゃんの部屋へ。


 今日はこのままお泊まりコースなのだ。


 これだけ広いなら客室もいくらでもある。


 だから初めはレイちゃんの部屋に一番近い客室へ案内される予定だった。


 だけど、それじゃあお泊まりの意味が無い。ということを力説してみた。


 話が盛り上がった結果、レイちゃんの部屋で一緒に寝ることが決定。


 友達が始めて家に来たことと、一緒に寝るという事で、レイちゃんのテンションはMAXへ。


 風呂という名のプールへ行き、パジャマに着替えてキングサイズより大きいベッドでごろり。


 後は眠るだけ。しばらく会話を楽しみ。就寝時間となった。





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