第3話 新たな出会いは奇跡にもなる
布袋尊はひたすら満面な笑みで
11を見ている
言いずらい11は勇気を出して
あの扉のことを訊いた
「ぽつりとあるあの扉のことなんですが...」
即行で
布袋尊は「あの扉は知らんな~
あははは訊いてどうする?」
11「いや、」
布袋尊 「訊いても答えれんぞ」と
あはははあはははと笑い...
コロコロと何かが落ちる音がする
布袋尊は「あはははよくあるんじゃよ
わしの歯じゃ、どこいった~」
黒い穴を覗く布袋尊は
「あったあったおほほほわしの歯っ」
そこに同じ七福神の大黒天が現れ
えいっと蹴っ飛ばされ
その歯は大黒天によって落とされた
ぐるぐると穴の通路から
明希名の元に落ちると
布袋尊は「あははは落ちたぞ」と
大黒天「人間には見えぬから良いぞ」
そして明希名は
母の遺品整理をしていると
明希名「あれ?なんだろう....歯?」
首を傾げながら
「前歯かな?私の小さい頃の抜けた歯かな?」と
不思議そうに布袋尊の歯を見つめる明希名。
そこに布袋尊は「あはははわしの歯じゃ
君にはわしの歯見えるんだな~」と
明希名の目の前に現れた
明希名は愕然とした
〈私に小人が見える〉
布袋尊は嬉しくなり
きらきらと福を撒き散らす。
そこへ布袋尊を探していた
11が驚いて時空の穴から叫ぶ
あのー!大丈夫ですか!!!と
布袋尊は「おおほほ生きておるぞ」と
明希名はまた愕然とした
何故ならば自分の家に黒い渦が見え
そこから11が覗いているのだから
布袋尊は帰る前に明希名にお礼だと
福の金色のお守りを渡す。
明希名は「要らないよ~」と
半泣きのように言うと
布袋尊は「これから必要になるかも知れぬな。
持っていれば大抵の願いは叶う。君は特別にな」と
真剣に言いまた布袋尊は笑って帰るのであった。
明希名は現実逃避しようと
遺品を整理している。
11はため息をつきながら座ると
なにやら喜んではためく
白い透明なレースを着た美しい女神が来た
その女神こと七福神の弁財天が現れる。
11が座っている隣に座り
「どうなさったのですか?浮かない顔をして。
せっかくの美しいお顔が残念ですわ。」と
11の顔に覆うように手を添えると
いきなり弁財天は豹変し11の後ろに周り
首を締めると11は「放せ!」と暴れだす
弁財天は「あら、すいません。
あまりにも愛嬌ありませんのでつい」
11は苦笑いをしながら逃げようとすると
弁財天が「どこへ行きなさるの?」と11に訊く
11は勇気をだし
「扉についてお訊きしたくて」
弁財天は「扉!?あなた知っているの?
あら~素敵。」
11)「素敵?」
弁財天)「えぇ~とても。」
11)「扉が?」
弁財天)「えぇ」
11)「あの扉は素敵なですか?」
弁財天)「知らん」
11は「はっ!?」
弁財天)「扉なんて知らないわ今のあなたは素敵よ
うふん じゃあね」
11は「はーあれが七福神の唯一の女神弁財天か~
いや~思ってたのと違うな~」
明希名は遺品を整理し終わり外を眺めてると
庭に佇む一人の男性に驚く
悲しげな表情で若き青年。
そして明希名に
「行ってしまうのか?」と
明希名は頷くとあまりにも悲痛そうなので
明希名は窓を開け一緒に外を見ながらお茶をしていた。
明希名は「お兄さんはなぜ悲しい顔を?」
青年は「君がここを離れたらここはどうなる?」
明希名「え?だってここは広すぎる部屋に家だわ
だから売りにだそうと思ってまた新しい人が入ってくるわ」
青年は「嫌だ!君じゃなきゃ嫌だ!」
明希名の心は
《あら、嫌だドラマの名シーンのようだわ、
でもちょっと待って
私、誰と話してるの?この人誰?》