第9話 13の過去
丸坊主の男性はどうやら生前の
13の恩師のようだ。
その恩師が待ち伏せしていて
恩師は13を強く叩き
お前の罪は私を置いていったことだ
若いお前が死んだ。後悔しろ!
その声が響く
ー 僕の生前は哀川大紀。
1980年生まれ 2009年29歳で
あの地球から去った。
17歳の時、当時担任だった恩田先生
僕は今思えば人生の転機だった。
どの先生も学校も好きではなかった
ただ周りと話を合わせてるだけの存在
人を本気で好きになったこともない
ただ流れに身を任せていた。
そんな時、恩田先生は僕に言った
大紀は将来何になりたい?
解らなかった僕に恩田先生は
『将来なんて解らないよな。
ただな、これだけは忘れるな。
どんな大紀もきっと幸せがあるんだ
大紀は大紀で良い。』
22歳の時、彼女が出来たが果たして
それが本当に好きか解らなかった。
そのまま生きてきた。
何もかも幸せなはずだった。
だけどパワハラや虐めを受けた訳でもないのに
何故か寂しかった。次第に30を目の前に考えた
何処に自分がいて何を今までしていたのか、
ただ皆と同じように生きてきた
何も不安なんて無いはずのに
自分が解らなかった。
つづく。