神なる部分
夢で見た小説です。
「ひ、姫姉様ぁ!」
道陰久しく、一人の少女が片乳を出して喘いでいた。
「ほう、そんなところに居たか」
歌うような声を上げるは、巫女装束の女。片手に笛を持ち、踊るように廃ビルの非常階段に登っていた。
触手蠢かして少女を狙うは、見えも見えぬも憑かぬ姿。
「そいつは、お前の友達か」
「そんな訳、ないじゃないですかぁ!」
触手に足掴まれた少女を助けるは、姫姉様か。
かくて〝姫姉様〟は笛を優雅に吹いていた。
かの怪物、迫り来て襲う。
「きゃあああぁぁあぁっぁああぁああ!」
その叫び声は人のものであったか。
戦慄基礎に沿い、彩り持て、ゆっくりと色彩を得ん。
色彩は迫る。かの怪物に向かいて。
「グゴォォォォォォオオオ???」
案の他かわいらしい悲鳴を上げ、怪物はとまどった、
かくて姫姉と呼ばれし幼女は、ダイナマイトを取り出した。
片手に笛、片手に爆破物。
来たりなば、来たりなばや爆破の時刻。
幼女、旋律と共に怪物に向けて爆弾を放り投げん。
轟音と共に爆破される怪物。
同じく爆破される少女。
「おや、勢いが強すぎたか」
姫姉様は、何処吹く風。
かくて地上に舞い降りし姫姉様は、怪物と少女の残骸を調べん。
そして一言。
「しもうた。神となる器官も破壊したか」
幼女はかくりと頭を垂れると、足を蹴った。
跳ぶや跳ぶ。その距離二兆四千五百三十二万とんで三キロ。
宇宙に辿り着いた幼女は船に乗っていた。
遠くのクエーサーにまで辿り着けそうなその勢いは、神なる部分を壊した今でもなお衰えず。
星々を眺めつつ、いざ思う。
「次こそ、きっと」
気に入って頂ければ、続き物にしたいと思います。いや、やっぱり続けます。