第六十話 決着
メリさんの背後から精霊が現れた。
「メルリカそろそろいいか」
黒色の精霊が話しかける。
全身を黒に包んだ精霊。私の精霊達とは何か違う気がする。
「そうね、そろそろですね」
その言葉で、もう似たいの精霊が現れた、合計で四体。
全ての精霊の雰囲気が違う。
「その精霊は一体?」
「そう、あの女も知らなかったみたいね。私の魔法の事」
その言葉でまさかと思うことが頭の中に思い浮かぶ。だが、それを認めたくないという気持ちもある。
「お前は、すでに気づいているのだろ、私の魔法」
「精霊魔法ですか?」
「そうよ、あなたと同じ精霊魔法よ」
何故? 聞こうとしたがその前に、
「顔に何故私が精霊魔法を使えるかって書いてあるわよ」
全てお見通しのようである。
「簡単に説明しょうか、この魔法の事を」
それからメリさんから精霊魔法について説明される。
精霊魔法はこの世界にたった二人しか使い手を持たない魔法。一人はこの世界を救うとされる勇者に認められた者のみに与えられて、もう一人は魔龍族の長が持つとされている。
その昔、今よりも遙か昔まだ魔龍族が誕生する前、人間と魔族が争っていた。人間優勢で進む戦争。その中心にいた者こそ、その時代精霊魔法の使い手で勇者と呼ばれていた人物である。
たった一人の人間相手に全滅寸前まで追い込まれたあ魔族は龍族と契約を結んだ。それにより誕生したのが魔龍族である。でもそれだけで状況打倒は出来ずにいた。
そのため魔龍族側は勇者に対抗するために勇者と同じ精霊魔法を生み出し、そのときに長に習得させた。
魔龍族が得た精霊魔法はそのときの勇者を圧倒した。そして、勇者がやられた後すぐに人間は降伏しそこから魔龍族の世界支配が始まったのだ。
だが、勇者の精霊魔法は進化していた。新たな使い手へとゆく過程で新たな力を得て。
その結果、魔龍族と人間の間で起こった歴史二回目の戦争は相打ちに近い形で終った。
「これが私達二人が持つ魔法の真実よ」
私と同じ魔法。そして歴史上の戦い。
私の中で情報の整理が出来ずにいた。
それでも今やることは変わらない。目の前にいる魔龍族の女王を倒す。
「気持ちの整理はついたのかしら!?」
「はい! 何にしろあなたを倒したらいいだけですので」
「そうね、だけどあなたに出来るのかしらね?」
「出来ます。それが私に与えられた使命なら」
「そう、ダーク、ホワイト、テリア憑依」
三体の精霊と融合していく。
その後すぐに、メリさんの姿が消えた。
「!!」
何処に行ったのか?
探知を使ってメリさんの位置を探る。
見つけた! そう思った瞬間私は吹飛ばされていた。
「いったー!」
今何が起きたのか全く分からなかった。
今までと全く違う。それに先程までは動きがギリギリ見えていたのに今回は見えなかった。
辺り警戒。全神経を集中させる。
探知に反応を確認する。目に強化魔法を使う。
もの凄い速度で蹴りが飛んできている。
背後にオーラをシールドにして展開。攻撃を防いだ。
だが、いきなり目の前から姿を消した方法が分からない。
「やるわね」
何か楽しそうにしている。
こっちは動きを追うので限界でかなりきつい。
能力自体はかなり上昇しているけどまだ体がついてこない。
「ミレイ様、周りの壁を壊す事は出来ますか?」
――でも壊してどうするの?
「壊すだけで構いません。出来ますか?」
――やってみる。
私は雷と水の魔法を壁に向かって放つ。
ビキ!
少しひびが入った。これならと思い魔法を放とうとすると、目の前からメリさんが迫ってきている。
それよりも先に、
「エクスプロージョン」
火属性最大の魔法を放つ。それにより壊れる黒い壁。
私は急いでスピリッツフォースを解除。
壁が壊れたことで周りに観客の姿が見えてくる。
正面に視線を移すと、メリさんの姿がなかった。
呆然とこちらを見ている観客と司会者。
「……」
それから少し沈黙の後、
「勝者ミレイ!」
司会者からの勝利者が告げられた。
ただし、私の心の中はもやもやしたままだった。試合の決着はつかないままメリさんは何処かへと行ってしまった。この決着はいつか必ず付ける。
そう心に誓うのだった。
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