第四十八話 呼び出し
ダンジョン調査依頼から一ヶ月が経ったある日、冒険者ギルドから呼び出しを受けた。
――今日は一体何の用事なっんだろうね?
あの依頼以降、何かと用事を押しつけてくるギルドマスター。そのため今回もまた面倒な用事を押しつけてくるのかと思っていた。
「分かりませんが、ギルドマスターから直々の呼び出しなのですから何かあるのではないのでしょうか?」
――そうだよね。
私は少しでもギルドマスターを疑った事を対して心の中で謝っておくことにした。
コンコン!
私はマスター室をノックした。
「入ってくれ」
声も聞かずに誰が来たのか分かってるようであった。
「失礼します」
「まあ、そこに座ってくれ」
いつもならすでに依頼書が机の上に置いてあるけど今日はない、と言う事は依頼系の呼び出しではないのかな?
私はイスに座りながらそんな事を考えていた。
「ミレイ、一週間後にこの街の生誕を祝う祭りがあるのは知っているか?」
「はい! 街の中はそれに向けて準備に入っていますので」
「そうだったな」
でもなんでそんな事を聞くのだろうか?
「そこで開かれる武闘大会が開かれることは知っているか?」
「それは初めて聞きました」
確かに祭りは楽しみでエレナさんとも一緒に回ろうと話していた。
まさか、その祭りでそんな事が行われるとは、
「それに出てみる気はないか?」
いきなし何ですか!
などと思ってはいたが口には出さなかった。
「優勝者には賞品も出る」
それは気になる。
「あと、祭りの間優勝者は屋台の料理全て無料にもなるんだ」
魅力的な報酬。
でも私なんかが優勝出来るのかな?
「賞品は凄く魅力的なのですが、私なんかが出ても優勝なんて無理ですよ」
「そんな事はない。あの依頼を成功させたお前なら優勝だって夢じゃないぞ。それに今回グレイ達もでないから十分に狙えると思うぞ」
少し声が焦っているように聞こえる。
でも、グレイさん達が出ないなら私にも優勝の可能性が少しはあるのかな?
どうしようかと悩んでいると、
「ミレイ様、出てもいいのではないでしょうか? 今まではモンスターとの戦闘ばかりをしてきましたがいつかは人との戦闘もあるかも知れません。今のうちにその練習をしておくのもいいのかと」
フレイの言うことに一理ある。
「ミレイ、面白そうだから出よう~よ」
アクアはただ楽しみたいだけだろうと思う。
でも、二人もそんな事を言っているし他の皆も同じ気持ちみたいだしそれならいいかな。
「分かりました。参加します」
「そうか。ではこちらで参加登録はしておく」
「お願いします」
私はマスター室を後にした。
「よかった!」
安堵のため息をつくギルドマスター。
「もし断られでもしたらあのお方に私が殺されるところだ」
魔龍族の女王から頼まれていた、今回の祭りでの武闘大会への参加。そしてミレイを参加させること。
だが、ミレイがもしかしたら参加を断っていた可能性を考えるとぞっとしてくる。
「未だに信じられない。あの子が英雄の生まれ変わりなんて」
あの日、魔龍族の女王が言った一言、ミレイが我々魔龍族を全滅させた英雄の生まれ変わりである。
それを聞き、ミレイの実力を確かめようと、何個かの指名依頼を出してみたが特に何か変わった所はなかった。
それにSランクダンジョン調査の依頼の事は改めてグレイ達だけのときに聞いて見たが、あの日と同じ事の繰り返しであった。
だが今回の武闘大会でなら直接ミレイの実力を見ることが出来る。もしも本当に英雄の生まれ変わりなら、こちらも動かないといけなくなる。
コンコン!
扉がノックされる。
「誰だ?」
「受付のエレナです」
もしかしたらさっきの一人ごとが聞かれてしまったのではないかと思い焦っていた。
「入ってもいいですか?」
「はいれ」
部屋の扉が開きエレナが入ってきた。
「何のようだ」
「すみません、来週の祭りなのですがお休みを貰えないかと思いまして……」
「そのことか、いいぞ。その日ならどうせ冒険者も殆ど来ないしな」
「ありがとうございます。それでは失礼いたします」
エレナが部屋から出て行こうとした瞬間、
「さっき何か聞いていたか?」
「何の事ですか?」
「それならいいんだ」
エレナは何の事か分からず頭を捻りながら部屋を出て行った。
そして、また考え始めるのであった。
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