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そこに愛がある  作者: 夜長
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お弁当ー梨花ー

午前4時。


正直、私は料理が苦手です。

今日は朝練もないし普段妹に作って貰ってるけど今日は自分で作ってみようと思った。


「さすがに早すぎたかなー」

重たい瞼を擦り大きな欠伸をする。

正直早すぎるのではないかとも思ったけど自分の料理の腕を考えるとこの時間に起きることになってしまった。


なぜ急に料理をしようと思ったかというと少し前に結衣の家に遊びに行った際にお昼をご馳走してもらったのだがとても美味しい炒飯を作ってくれたのだ。しかもデザートのプリンまで手作りだった。


すごい美味しいと伝えたが


「いやいや、梨花の方が料理うまいでしょ~」

と言われた。


毎年バレンタインにお菓子を作って渡すぐらいしか手作りを食べさせた事がなかったがそれだけで凄く料理が出来る人判定されているらしい。


「バレンタインのは1週間前から試行錯誤してるからな~」


頬をかきながら弁当作りの準備を始めますか。



ー2時間後



「な、なんでこんな変な味がするの…」


レシピ通りに作るのはつまらないと思いアレンジしているのだがどれも上手くいかない。



「おねーちゃん、まだやってるの?」

起きてきた妹の桃花が失敗した卵焼きをパクりと食べる。


「あ、桃花それは…」

制止しようとしたがすでに遅く顔を歪ませている。


「こ、これはきっと黒蜜?」

桃花は飲み物で流し込み呆れた声で聞いてくる。


「卵焼きは甘い方が好きだからさ…」


「それ料理が出来ない人の典型だよ…」

桃花はため息をつく。


「か、返すお言葉もありません」

正直、昨日妹に私がお弁当を作ると言ったら止められたが押し切った結果がこれでは何も言い返せない。


「結衣姉ちゃんに見栄を張りたいのはわかるけどさ~」


「ゆ、結衣は関係ないよ!!」


「はいはい~、とりあえずアレンジするのもいいけど時間がないんだからレシピ通りに作ってみなよ」

姉はこれで結衣姉ちゃんへの思いを隠せると思っているのだから驚きだ。


「桃花がそういうならそうしてみるよ」




ー1時間後


「で、出来た!ちゃんと食べれる!」


朝ごはんを食べていた桃花がお弁当箱に入りきらなかったおかずをパクっと食べる。


「うん!上出来だよ!」


「そ、そうかな?ならよかった。」


「ほら、お姉ちゃん早く学校に行く準備しなきゃ遅れちゃうよ!」


急いで準備をして学校に行く。




ーーーーーー


ー昼休み


「梨花のお弁当美味しそう!」


「朝練ないから頑張ったんだ♪」

ええ、本当に頑張りましたよ。

午前の授業で眠気に負けそうになったし。

あー普通の卵焼き美味しい~

黒蜜卵焼きの印象が強すぎたから普通の卵焼きが美味しいよ~



「こ、今度よかったら(もっと料理が上手くなったら)結衣にお弁当作ってこようか?」


「ほんとに!?是非ともお願いします。」

結衣がとても嬉しそうだ。

高校在学中に作ってこれるといいな。


「いや~購買混みすぎだよ~」


購買からパンを大量に買ってきた友里が帰って来た。


「いや~お弁当作って来るなんて見栄張って大丈夫なの~」

友里が結衣に聞こえないボリュームで言ってくる。


「見栄なんて張ってないよ!」

友里は私が料理が苦手なことを恐らく見抜いている。


「まあ、梨花のその不器用な感じ、可愛らしくていいと思うよ~」


「もー!」

友里はよくからかってくる。


見栄を張る必要がなくなるように料理頑張るぞ!



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