お弁当 ー結衣ー
「梨花のお弁当、相変わらず美味しそう」
コンビニの袋からパンを取り出しながら唾を飲み込む。
「今日は朝練が休みだったから頑張って作ったんだ♪」
梨花は好物の卵焼きを食べ美味しそうにしている。
「結衣もそんなコンビニのパンだけじゃなくてたまにはお弁当でも作ってみたら?」
「んー、朝はギリギリまで寝てたいからな~」
正直、料理って苦手だからな~
「あ、そうだ!結衣の好きな唐揚げ作ってきたんだけど食べる?」
梨花が箸に持った唐揚げを口元まで運んでくる。
「ほんと!?食べる食べる!いただきまーす。」
あむっ
「んー!おいしー!」
料理上手いし、優しいし嫁力高すぎて惚れるわー!
「ふふ、ありがと」
梨花も料理を褒められて嬉しそうだ。
「今度時間があったら結衣の分のご飯作ってこようか?」
「ほんとに!?是非ともお願いします!!」
梨花のお弁当楽しみ~♪
「ふいー、購買混みすぎだよ~」
私達の机に少女が机をくっつける。
「あ、友里!先に食べちゃってるよ~」
彼女は私達と中学ずっと同じクラスで友達の片桐 友里。
「結衣、食べ物を口に入れて話すの行儀悪いよ」
私は梨花にごめんごめんと謝る。
「それにしてもお二人さんや、さすが幼なじみというか仲睦まじいですな~」
友里はニヤニヤと昼食を食べながら見てくる。
「ああ、話を聞いてたのか~梨花の料理はめっちゃ美味しいからなそりゃテンションも上がるさ」
「仲良すぎて結婚すればいいのにと思うぐらいだよ~」
友里は4個目のパンを開けぬがら茶化してくる。
友里は私達の微妙な関係を察知し茶化してくる傾向があるので油断が出来ない。
てか文化部なのにどんだけパン食べるんだ…
「けっ結婚なんて女の子同士は出来ないよ友里ちゃん~」
梨花は動揺したのかむせてしまった。
「冗談だよ~冗談。梨花は相変わらずマジメだな~」
友里の標的が梨花に移り弄っている。
「おっと、梨花わ、弄ってたらこんな時間だ。次の教室はどこだったっけ?」
友里が時間を見て慌ててパンを貪る。
「確か実験室だっけ?」
梨花の方を向くと真っ赤にした顔をパタパタあおぎながら頷く。
やっとパンを食べ終えた友里を急かし私たちは実験室に向かった。
あー梨花のお弁当楽しみだな。