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第一章  7話  【金髪美少女の正体】 

 

 「あなた方は一体……何者なのですか?どうして私達を助けてくれたのですか?」

 

 何か未知の生き物を見る様な目で声を掛けてきた金髪美少女。

 見たところ……同い年位で金髪ロングヘアーに綺麗なブルーの瞳。鎧姿に黒いブーツを履いている。


 (ドール人形みたいに可愛い顔してるな……胸は鎧でよく分からないが、スタイルは良し!!異世界様様だな!!)


 異世界だからこそなのか、中々お目にかかることのできない程の美少女だったのだ。そんな美少女に質問されては丁寧に答えるしかない! 


 「俺は金城翔16歳高校2年生!何で助けたって言われても……目の前で美少女が殺されそうになってたら助けるだろ?」

 「び、び、美少女?!……誰のことですか?」


 今まで美少女など言われたことがないのであろうか?彼女はどう答えていいのか分からない様子で俺から目線を反らし、面白い位顔を赤く染めあたふたしていた。

 この世界は皆美少女なのだろうか?こんなに可愛い子がいたら誰だって声をかけると思うのだが……この場に美少女は彼女以外にはいないのだから俺は思ったことを素直に述べるのだ。


 「この場に美少女はキミしかいないと思うけど……?」

 「そ、それで……隣の女の子は?」


 彼女は恥ずかしそうにしながらも、どーにか話題を俺の隣にいるシロへと反らしたのだ。 

 

 「女の子って子供扱いかい?失礼な奴だなキミは!ボクは大人の女性だよ!?」


 シロはビックリした様子で彼女に向かってそう述べたのだが……彼女どころか、その場に居た者全員……返す言葉もみつからずに黙ってしまった。

 当たり前なのだがシロは何処からどう見ても子供にしか見えないのだ。俺から言われせればシロは何故、自分で美少女やら大人の女性などと言えるのかが不思議で仕方がない。自意識過剰なのか?そもそも大人の女性の意味すら理解できていないのか?これはもうシロ自身にしか分からないことであった。

 

 「ボクは白き聖剣龍!美少女のシロちゃんって呼んでくれてかまわないよ!」


 (美少女のシロちゃん?)と思ったのは俺だけではなかったみたいだか…… 

 金髪美少女や他の騎士達は何かを思い出したようにハッ!としていた。

 

 「今……白き聖剣龍と仰いましたか?」


 金髪美少女が何故か恐る恐るシロにそう問いかけたのだ。

 すると周りの騎士達も(白き聖剣龍だと?!まさか?!)などと騒ぎだしたのだ。


 「そうだよ!ボクが白き聖剣龍!美少女のシロちゃんさッ!」


 などとまた懲りずにそんなことを言い出す。

 この世界でシロはそんなに有名なのか?大人の女性なのに美少女などと矛盾したことを言っているようなヤツが?俺にはやはりこの世界が理解出来ないみたいだ。


 「白き聖剣龍様とは知らずご無礼を!お許し願いたい。」


 金髪美少女がそう言うと、騎士達一同シロを前に膝まずいたのだった。

 

 「まぁそう畏まらなくていいよ!ボクはそうゆーの苦手なんだ!」

 

 シロは本当に嫌そうな顔をして言っているのだが、俺には皆が膝まずき畏まっている意味が理解できなかったのだ。なのでついつい……


 「相手はシロだぞ?!なんで膝まずいてんだ?」


 と思ったことが口にでてしまったのだが……まさかのその場にいた者全員に睨まれてしまった。

 

 「まぁまぁ!ところでキミ達は……何者なんだい?見たところキミは……」


 俺も気になっていた本題に入ってくれたのだ。この美少女の正体が気になって気になって!別にやましい意味はないのだが、やはりこのように美しい女性の正体は男なら気になるもの!

 俺はウキウキしながら彼女の返事を待った。


 「はい。私はハスタ国の第3王女、槍の勇者でアメリア・ブラウンと申します。」


 金髪美少女迄もシロに膝まずきハキハキとそう述べたのだ。

 

 「そしてこの者達は、ハスタ国騎士団のエリート……私の護衛メンバーです。」


 彼女はハスタと言う国の第3王女であり、まさかの槍の勇者らしい。

 格好からは分からないが、彼女がお姫様ってことは大いに納得出来た。ただ、お姫様が槍の勇者ってのはいいのであろうか?それもあってのことだろう、騎士達はハスタ騎士団の中でも精鋭50名が王女の護衛騎士であったのだ。


 「やっぱりねッ!それで……アメリア達は何故、勇者の脱け殻と戦っていたんだい?」

 「1000年周期の戦い……ちょうど私の世代の勇者達が戦う可能性が高いと思い、修行も兼ねて自分の実力を測ろうかと……ですが……惨敗です。白き聖剣龍様に助けていただかなければ今頃私達は……」


 修行も兼ねて、勇者の抜け殻はちょうどいい相手だと思ったらしい。

 自分達はもう少し戦えるつもりでいたのだろう……だが、現実はそう甘くはなかったのだ。実際は相手に膝を着けることすら出来ず俺とシロがあと一歩でも助けるのが遅かったら……ここで皆殺されていただろう。

 アメリアや騎士達は皆各々に……悔しさや情けなさを噛み締めるかのごとく、黙り込んでしまったのだ。


 「なるほどね……今のままでは次の戦い……ただの足手まといだ……」


 シロはアメリアや騎士達に追い討ちをかけるかの様に、ただの足手まといだとストレートに言ったのだ。

 そんなシロの言葉を聞いた一同は返す言葉もないとばかりに、皆が俯いてしまった。


 「おいおい!いくらなんでも言い過ぎっつーか、もっと言い方ってもんが……」


 (コイツには心がないのか?!ハッキリ足手まといって……)


 「ボクは本当のことを言ったまでだよ?それに話はまだ終わっていないよ?」


 真剣な表情でまだ話は終わってないと言うシロに対してアメリアや騎士達は皆、顔を上げ真剣な眼差しで再度シロに注目する。


 「このままでは足手まといだけど……まだ時間はある!これからボクや翔くんと一緒に強くなればいいだけの話さッ!他の勇者達も集めなくちゃならないしね!」


 やっぱり他の勇者も集めなければならないらしい。しかし、俺も強くならなきゃいけないのだろうか?あんな攻撃出来るんだから、俺はもう最強なんじゃないのだろうか?異世界チートの聖剣シロを使えば俺は何もしなくてもいい気がするのだが……そんな事を考えていた俺を他所に……


 「私なんかが……一緒に行動しても宜しいのですか?」


 自分に自信がないのか、不安そうにシロに訪うアメリア。


 「むしろ一緒に勇者を集める旅に参加してもらわなくては困るんだけど?一緒に旅をしてボクに力を貸してくれるかい??」

 「私などで宜しければ!ブラウン家の……そして、槍の勇者の名に懸けて!必ず強くなって白き聖剣龍様のお役人たちます!」


 そう強い意思を込めて言い放ったアメリア。

 そんなお姫様を見てか、騎士達もそれぞれヤル気に満ちた表情をしていたのだった。


 (俺から言わせてもらうと……もう十分強い気がするんですけど?)


 「うん!宜しく頼むよアメリア!!それと聖剣龍様って呼び名はやてめおくれよ!ちゃんとシロちゃんって呼んでおくれ!!」

 「そ、それはちょっと……」


 馴れ馴れしく声をかけるシロに対してアメリアは畏縮してしまっていた。

 まるでどっかの大企業の社長さんから呼び捨てで構わないと言われている平社員かのごとく。そう思えばアメリアの気持ちも分からなくないのだが……相手はシロなのだ。そんな気を使うこともないと思ってしまう俺だった。


 「ボクは堅苦しいのが苦手なんだ!それに仲間になるんだからさッ!」

 「うッ……わ、分かりました。シ…シロ…ちゃん…?」


 心を決めたの筈なのに、申し訳なさそうにシロの名を呼ぶアメリア。

 そんなアメリアを、満足そうな表情で見つめるシロ。これで問題解決?かと思いきやまたしても……


 「何がシロちゃんだ……ちゃんなんて付ける必要ないだろ?」

 「うるさいよ翔くん!!」


 俺のついついがまたポロっと出てしまったが為に……その後暫く俺はシロと言い争っていたのだった。






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