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第一章  2話  【異世界召喚】 

 一体何が起こったのか?俺はカレンとジェットコースターに乗っていたはずなのに……今俺の目の前に広がる光景が信じられなかった。

 綺麗な青い空の上から見渡す、辺り一面緑の森と少し遠くに見える山。

 山の頂上付近はうっすら雪化粧している。

 そして1番驚くのが……5メートル位の白いドラゴン?のような羽のはえた生き物の背中に乗って俺は今空を飛んでいる。


 「なんだこれ?!どーなってんだよ!!!」

 

 俺が叫ぶなりドラゴンがこちらに気付き、凝視されたのだが……ドラゴンも俺が背中に乗っていることにビックリした様子でこちらを見て固まっていた。

 俺は食われると思い、ドラゴンの背中で叫び暴れたのだが……


 「うるさい!騒ぐな!落ちるぞ?」

 

 驚きと怒りが混じったような口調で喋りかけてきたドラゴンなのだが……何処か優しそうな感じもしたのだ。パニック状態の俺が冷静に判断出来るはずもないのだが……俺は何故俗に言うドラゴン?の背中に乗って空を飛んでいるのか、ここは一体何処なのかなどと考えみる……(夢??)


 「キミは何者?なんでボクの背中に乗っているんだい?」


 (ドラゴンからの質問キタァー!)


 ドラゴンは不思議そうな顔をして俺に問いかけてきた。

 ここは素直に自己紹介しなきゃいけないのか?一応、最低限だけならしてもいいものなのか……恐る恐るではあるが俺は思いきって自己紹介することにした。


 「な、何者って……俺は金城翔、16歳。高校2年生ですが……あなたは?ドラゴンなんですか??」

 「金城翔くん……」


 華麗に俺の質問はスルーされ、ドラゴンは俺の名前を呟くなり何か考え込んでしまったのだ。暫く無言のまま空を飛んでいると……


 「翔くん……ボクはキミが言うドラゴンで間違いないよ!とりあえずあの山で地上に降りるから……それまではしがみついてておくれ!」


 自身がドラゴンであることを認め、雪化粧をした山で地上に降りてくれるとのこと。ドラゴンは何故あの山で地上に降りてくれるのか?俺はあの山で食われるってことなのだろうか?ますます混乱する俺は自身の中で、これは夢だと言うことにした。

 

 (ただ……やたらリアルな夢だよな……)


 なんて思っている内に山の中腹辺りにある洞窟の前でドラゴンは地上に降りた。

 辺りは木々で覆われており少し肌寒い場所で、洞窟はドラゴンも入れる位大きな入口だった。洞窟の奥は暗くてよく見えないが他に生き物がいる気配はしなかった。


 「さぁ着いたよ!」

 「着いたよ!言われても……なんで俺はドラゴンと喋ってるんだ??ってなんでドラゴンが喋ってるんだ!!?」


 ドラゴンと会話をしている自分が信じられなかった……そもそもなんでドラゴンが喋れるのか?俺の言葉も通じているし、ドラゴンの言葉も理解できていたのだ。 


 「それはボクが竜じゃなく、龍だからさッ!」


 ドラゴンは当たり前の事を言うかのごとく言い放った。(竜じゃなく、龍??)俺にはドラゴンが言っている意味が分からず、ますます混乱してきた。

 

 「翔くんが混乱するのは無理もないが、落ち着いてボクの話を聞いておくれ!」


 ドラゴンは俺が理解出来ず混乱しているのが分かっているのか優しく言葉を掛けてきたのだが、そんなこは今の俺には関係なくただただこの悪夢から解放されたいが為に……


 「これが落ち着いていられるか!夢なら覚めろ!夢なら覚めろ!!夢なら覚めろぉ!!!」


 俺は恐怖と混乱からただ叫び続けた。


 「……うるさい黙れ!!食い殺すぞ!?」


 混乱しただ叫び続けていた俺に怒ったのか、ドラゴンは殺気のある怒り口調で怒鳴りつけてきたのだ。

 俺は恐怖の余りーー気絶してしまったのだった。


 「あれ?翔くん?気絶……しちゃった?……ちょっと脅かすだけのつもりだったのにぃ……」


 なんてドラゴンが慌て叫んでいたことなどおれは知るよしもなかった。

 

 


 目を覚ますとーー洞窟内で俺は横になっていた。

 外の光が少し先に見え直ぐ側で火が焚いてあり洞窟内は暖かい。俺が横になっていたところには藁が敷き詰られておりご丁寧に何かの毛皮まで掛けてあったのだ。洞窟内は入口よりも天井も高く円形のホールみたいになっていた。


 「あ!翔くん!気がついたかい?」


 と声を掛けてきた人物を見ると……見知らぬ少女が心配そうに俺を見ながら立っていた。

 大きな金色の瞳に……透き通るような真っ白な髪のポニーテール……将来有望そうな綺麗な顔立ちをした少女だった。

 そんな少女に俺は見とれつつも……


 「ここは……俺は確か……ドラゴン!!ドラゴンに食われそうになって!って君は誰だ?ドラゴンは!?」


 俺はドラゴンを思いだし、慌てて掛けてあった毛皮を剥ぎ取り辺りを見回したのだが……近くにドラゴンが居る気配もない。そんな俺を黙って見つめてくる少女のことが気になってしまい、俺は不思議そうに少女を見返していると……


 「ボクがそのドラゴンさッ!」


 などとその少女は言い出した。(この子が、さっきのドラゴン?何を言っているんだ?)俺は自分の頭が追いつかない為か放心状態となってただその少女を見つめていた。


 「まぁ、とって食べたりしないから聞いておくれ!ボクは白き聖剣龍!シロちゃんって呼んでおくれ!」

 「シロ……ちゃん……??白き聖剣龍??」


 少女は両手を腰にやり、無い胸を張って自慢げに言ってきたのである。

 俺の目の前に居る少女はどこからどう見ても人間の子供だったのだが、白き聖剣龍とはなんなのか?また色々と混乱しだした俺の頭……


 「こんな風に色気溢れる美少女の人間にもなれるんだよ!この方が翔くんも親しみがもてるだろ?」

 「色気の溢れる……美少女……ねぇ…」


 俺は上から下までジト目で少女を見た。自分で色気溢れる美少女って……何処からそんな言葉が出てきたのであろうか?ペチャパイの少女……ってかただの子供なのだが……俺は何故こんなファンタジー世界……みたいなところに居るのか?

 夢……では無さそうだと確信できる位リアルだった。

 それと少女がドラゴンであると言うことは自分でも信じがたいのだか、何故か素直に本当ことなのだと受け入れられたのだ。

 暫く色々なことを考えていると……


 「ここは翔くんがいた世界とは違う。翔くんは召喚されてこの世界に来てしまったってことさッ!」


 召喚?これが俗に言う異世界召喚ってやつなのであろうか?サラっととんでもないことを言っている少女の言葉を受け入れ理解しつつも、何故俺が?何の為?意味が分からないとばかりに考え込む。

 暫くの沈黙後、やはり俺は元の世界に戻りたいと思う一心で少女に問いかけた。


 「俺は元の世界に戻りたい!どーすればいいんだ!?」


 きっとカレンも俺が突然消えて混乱してるはずなのだ。

 こんな訳のわからん異世界にいるより、早く元の世界に戻りカレンを安心させたい。そんなことを考えているとーー

 シロが真面目な顔をして口を開いた。


 「元の世界に戻る方法か……その為には少し昔話をしようか。」


 なんてまた訳の分からんことを言い出したのだが……俺は元の世界に戻る方法が有るならばと、話を聞くことにしたのだった。



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