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「黒い天使」短編集  作者: JOLちゃん
「黒い天使・日常短編シリーズ」
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黒い天使短編「そうだ射撃場にいこう」4

黒い天使短編「そうだ射撃場にいこう」4



射撃大会もお昼ご飯。

みんなでバーベキューだ!

こういう時、エダの料理の腕が発揮される。そしてこいつらは食うだけだ!


そして午後もまた射撃遊びだ。

***



 さてさて、皆で仲良く昼食もぐもぐタイムである。


 私有地の野外ということで、射撃場にすぐ近くに近くに炊事場と火が使えるバーベキュー・コーナーがあり、そこでワイワイと豪華バーベキューの昼食を満喫することとなった。



「うまい~♪ 肉サイコーやぁ~♪」


 ほどよく焼けた分厚い牛肉を口いっぱい頬張る飛鳥。

 バーベキューはさすが米国、牛はサーロインとヒレがたっぷり、豚肉は骨付きスペアリブ、ウインナーやベーコンなんかもあるし野菜もちゃんと用意されている。米国ではスタンダードなバーベキューだ。

 肉だけを焼いて食べてもいいし、野菜と交互に串に刺した串焼きを楽しんでもいい。基本セルフ制で食べたい分を自分で焼く……というシステムだ。ソースはエダが何種類か用意してくれているから飽きることもない。米が食べたいときはエダ特製のおにぎりがある。ちょっとしたご馳走だ。ちなみに調理にコツのいるスペアリブを焼く係はJOLJUである。このちんちくりん生命体は意外に調理が得意だったりする。



「バーベキューは各自でやるからエダの負担は少ないからねー」

 モコモコ……と串焼きを頬張りながら飛鳥に説明するサクラ。


 いやいや、これらの下準備だけで十分大変だし、セルフ制とかいっておきながらなんだかんだと皆の世話をしたり肉を焼いたりするエダは十二分に大変だと思うが、世話女房タイプのエダはこうして皆の世話をすることが好きなのだからしょうがない。それに肉は日本で売っている焼肉用の肉とは違いどれも分厚く大きい。そして日系家族なだけあって和牛が使われている。なので相当材料費は高いだろうがユージが高給取りだからその点は心配いらない。鉄板ではなく炭火だから飛鳥も火加減はよく分からない。下手に素人が焼くより慣れたエダが焼いてくれるほうが全然美味しいので、結局皆エダに頼ってしまう。


 しかしエダは一人……待てない時や足りない時は自分で焼くというわけだ。



 ピクニック大国の米国ではなんてことない日常バーベキューだが、日本人には中々ない機会だから飛鳥は遠慮という言葉をかなぐり捨て和牛のサーロインやヒレを貪るように食べている。日本で食えば一串何千円……となれば食うに決まっている。


「そんなに急がんでも減らんというに……」

とサクラは相変らずドライだ。こんな料理が真壁家で出れば驚愕するが、今回は米国。自宅のご飯が美味しい事はいつものことだ。そして「やれ」といわれても料理は全く出来ないので食べる側専任である。


「お前はしょっちゅうかもしれんがウチには滅多にないステーキ食べ放題や! 食わんでどうする!」

「いや……あたしもそんなしょっちゅう食ってるワケではないゾ」


 サクラはなんだかんだと月のうち半分しか自宅に帰らない。そしてユージは多忙……ということで、バーベキューなど普段は遭遇しない。

 まぁ、でも、ステーキ率は高いかな?とサクラは首を傾げた。ステーキはユージとJOLJUの好物だ。そして真壁家に月の半分から1/3お邪魔し居候しているが、確かに食卓にステーキが出たことなんてなかった気がする。たまにトンテキが出るくらいだ。


 四つ目の牛肉串を手につかみ、齧りつき味わう飛鳥。


「それにしても旨いソースやな! ……でもなんでやろ、なんか懐かしい気もする」

「ソース? 簡単だよ♪ 焼肉のタレとポン酢のミックスだもの」

と笑顔で教えてくれるエダ。


「え!? そんな簡単レシピやったん!?」

 飛鳥は驚き、肉を二度見した後、ゆっくりと肉に齧り付く。そしてゆっくり咀嚼する。


「……ホンマや!! 焼肉のタレの味や!!」

「日本の焼肉のタレはよく出来てるし……市販のポン酢もとっても美味しいからブレンドしてみたんだ♪ よかった、気に入ってもらえて♪」


 日本では牛肉を焼肉タレで食う。たまにポン酢でも食う。この二つのミックスだから肉に合わないはずがない。聞けば日本人は納得レシピだが、かなり絶妙なブレンドでただ混ぜただけではこうも完成度が高いソースはできまい。それに黒胡椒やニンニクも加わりアレンジされている。


 もっとも、このエダの絶妙な調理技が理解できるのは一応普段から家事をしている飛鳥だけだった。家事炊事料理だけは、この中だとナンバー2になる。

 というより、エダがズバ抜けて一人高く、ついで平均から一段上くらいに飛鳥がいて、平均よりちょっと上にJOLJUがいて、平均より下に拓がいる。サクラ、ユージ、セシルの三人に到っては全くできない。セシルはまだ色々挑戦しようという意気込みと素直さと真面目さはあるが、ユージとサクラの二人は調理に関わろうという気は微塵もない。出来ないものは出来ないと開き直っている。この点よく似た親娘だ。


 ということで、ソースに感動したのは飛鳥だけで、サクラもセシルもJOLJUも「うまいうまい」と普通に楽しんでいるだけだ。こいつらは射撃や戦闘力はあっても普通の人間力からみれば色々欠陥人……なのかもしれない。





 お腹がいっぱいになり、一時間ほど日陰で昼寝して体を休ませ、再び射撃大会となった。


 午後もサクラたちは気軽に色々撃って遊ぶわけだが、午後からはJOLJUが特設コーナーを作ったらしいので、そっちに行ってみることになった。


 レンジは10mから200mで広い。ちなみに拳銃専用エリアだ。



「なんだありゃ」

 サクラと飛鳥は顔を見合い、そしてもう一度前方に並ぶターゲットを見た。


 ターゲットは……直径20cmくらいの液体でできていると思われる球体で、ふわふわと浮いていた。それがざっと60個ほど散らばるようにいろんな距離のところに設置してあった。遠い距離は赤や黄色や青の色もついている。


「なんだろうね? なんか仕掛けがあるのかな?」

 と言って銃を取るエダ。言い忘れたが午後はエダもサクラと同じグループだ。ユージは拓と二人で徹底的な撃ち込みに入ったのでサクラたちのほうに来たのである。


 エダはグロック19を構え、20m先の浮かぶターゲットを撃ちぬいた。見事に命中すると、水が爆発して飛沫になり地面を濡らした。

 今度はセシルが愛用のSF V12で10m先の浮遊ターゲットを撃った。同じく破裂し水が弾け飛んだが、エダの時より飛沫は大きかった。距離が近く口径が大きいからその違いだろう。どうやら水の球体のようだ。


「……なんだコレ……?」

 サクラは一番近くに浮いている浮遊水袋のところにいった。驚いたことに弾力があり、触ったくらいではつぶれない。そして持ってくることが出来た。感覚はスライムより少し柔らかいくらいか……。



「飛鳥、口あけてー」

「あーん」


 ドバシッ!! と開いた飛鳥の口めがけ水袋をぶん投げる。水袋は飛鳥の顔面に激突し弾け、飛鳥の顔をびしょびしょに濡らした。


「何するんやぁーっ!! クソガキっ!!」

「やっぱただの水?」

「んー……ただの水っぽい。うん、水や」


 口回りの水を舌で舐めとり頷く飛鳥。どうやら未知の変な液体ではなくただの水らしい。ただの水なら自然にも優しかろう。


「まーアレや。反重力装置とか念力とかなんかで作っとるんやろ、知らんケド」

「相変わらず……あいつは時々よくワカランものを作るな」


と呟いたサクラだったが、すぐにその事の異常さに気が付き目を見開いた。



 ……反重力だったら銃弾も影響を受けるからそれはない。重力定数変化なら持ってこられない。念力とかでも持ってこられない……特に何の加工もされていない水なら何か水袋一つ一つに仕込んだりするはずがない。第一回収がめんどい……そもそも浮いているだけでなくふわふわと上下に動いているのだ。なら、こいつの正体はなんなのさ!!? 




「なんなんだこりゃー!!!」



 ……サクラでも分からない超パーツ……! さりげになんてもの作るんだ!!



 たまに見せるJOLJUの無茶苦茶設定!

 たまに現代科学の想像をはるかに超えるものを生み出すが、その発明が人類を叡智に導くことはない……。




黒い天使短編「そうだ射撃場にいこう」4でした。



今回はほとんど話らしい話はなかったですね。お昼食べただけです。

ちなみに焼肉のタレ+ポン酢ミックスはお手軽ステーキ・ソースでオススメです。好みでケチャップ入れると米国ぽいですw


射撃ウンチク系は次回ですかね。

もうしばらくだらだら射撃練習があり、ちょっとしたイベントがある予定です。

ということで、このシリーズはまったりお楽しみください。


これからも「黒い天使短編・日常編」をよろしくお願いします。

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