表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「黒い天使」短編集  作者: JOLちゃん
「黒い天使・日常短編シリーズ」
92/208

黒い天使短編「そうだ射撃場にいこう」1

黒い天使短編「そうだ射撃場にいこう」1



のどかな土曜日。

ここはNY州の私有地。そしてクロベ家専用射撃場!


ということで飛鳥、セシルをまじえて射撃を楽しむ!!


ちょっとした射撃雑学もアリです!



***




「どりゃあああっっ!!」



 飛鳥の雄たけびが空に響く。


 が、それは凄まじい轟音ですぐに搔き消された。銃声である。

 6発撃ち終えた飛鳥は、満足そうに撃ち終えた薬莢を足元のバケツ缶に捨てた。



「6発中3発しか当たってない」

 飛鳥の後ろでは、サクラが暢気顔でいる。

「3発も当たれば立派なモンちゃうか?」

「アホか。10m先のターゲットを外すのはヘタな証拠だ」


 10m先には、ウサギや鹿を模した30cmくらいのチタンプレートがいくつも並んでいる。飛鳥が射抜いて倒したプレートは三つ。残りは外した。ちなみにプレートは錘がついていてすぐに起き上がる。



「お前はどーなんじゃい! 当てて見ろ! 意外に小さくて難しいンやど!?」


「あっそ」


 そう答えたサクラは、首にかけていたイヤープロテクターを耳に被り、ショルダーホルスターにぶら下げている愛用のS&W M13・FBIスペシャルを抜いた。そして飛鳥の横に立つ。


 そして無造作に構えると、サクラは10m先に並ぶチタンプレートを狙い、引き金を引いた。


 ダンダンダンダンダンダンっ!


 サクラは5秒ほどの時間をかけ、見事に6つのプレートを倒した。



「…………」

「10mだったらラクチン♪」


 そういうとサクラは撃ち終った薬莢を飛鳥の足元のバケツ缶に入れると、先いたベンチに戻り、新しい弾を詰め始めた。


「うーん……チャカの性能の差やろうか?」

 飛鳥も新しい弾を詰める。

「お前の銃もあたしと同じS&Wの38口径。しかもアンタのは4インチでもっと撃ち易い。純粋な腕の差だ」


 飛鳥の手に握られているのはS&WM586・4インチ。プロからビギナーまで幅広く愛されるLフレームのリボルバーで、オーバーサイズのラバーグリップ付きで手にも優しく反動も制御しやすく非常に撃ち易い。むろん飛鳥の物ではなくユージから借りたものだ。


 ここはNY州の中部にある神崎氏の私有地の一角に作られた私設射撃場である。


 今日、クロベ・ファミリーは月に一度恒例の射撃大会の日だった。たまたま土曜日になったので、飛鳥も転送機でNYにやってきて参加している。


 射撃大会といっても、特に競ったり何かイベントがあるわけではない。各々好きなように好きなだけ銃を撃って遊ぶだけだ。

 精密射撃を競うペーパーターゲットでもいいし、チタンプレートを倒して遊んでもいい。

 銃も色々用意されていて、色んな銃が撃てる。観光地の射撃場と違いルールはあってないようなものだし、消費する弾の数も1000発前後は皆撃っていく。

 本当に気軽にプリンキングするのが目的だ。



 いや……弾の豊富さと銃の種類の多さは、観光目的の射撃場に匹敵する。



 小口径の銃はないが、9ミリから44マグナム、有名SMGに有名自動小銃など、様々な種類の銃器が約30丁、ここには持ち込まれている。言うまでもないが、みーんなユージのコレクションである。



「しかし、10歳のガキのくせにウチより射撃が上手いとは末恐ろしい奴や!」

「飛鳥が下手なだけ。米国の趣味が射撃にしている人ならあたしくらいはできる。上手いっていうのはあっちの奴の事を言う」


 そういうとサクラは後ろを指差した。

 サクラたちから20mほど離れたところでは、別のグループは本気の射撃を見せていた。


 タクティカルベストをつけ、拳銃、ショットガン、自動小銃を身につけたセシルが、複数のターゲット相手に、激しく動き回りながら奮闘している。


 自動小銃で複数のターゲットのキル・ゾーンに撃ち込み、近距離の後は遠距離、そして中距離とすぐさま標的を替える。3マガジンを撃ち終ると今度はショットガンを抜き7つの標的を木っ端微塵にし、最後は拳銃で12個の標的に3発ずつ撃ち込む。この間20秒である。ちなみに一番近いターゲットは15m、遠距離は120mである。


 ほとんど一心不乱のように目まぐるしく動いているが、凄まじいことに弾はほとんどターゲットの中央に集中している。



「……鬼気迫る。何がセシルをあそこまで駆り立てるのか……戦闘民族!?」

「査定だ査定。セシルだけは遊びじゃない」


 そう、セシルの場合遊びに来たのではなく、射撃戦闘力の定期査定なのだ。戦闘諜報員は定期的に射撃訓練が課されていて、一定以上のポイントに達しないと戦闘員として現場に出してはもらえない。監督はグレード3以上の射撃のプロの採点ということで、ユージが黙々とスコアボードにポイントを書き込んでいる。


「あんなに動き回って全部ターゲットに当てとる。すごいなぁ」

「ま……拓ちんもあのくらいはやるよ。一応拓も射撃はプロフェッサー・クラスだし」


「どういうランク順なんや?」


「プロフェッサー、マスター、プロフェッショナル、ヘビー、ビギナー、へたっぴ」


「ウチは?」

「へたっぴ。あたしでヘビーかな? エダがプロフェッショナル、セシルはマスターのちょっと上、拓ちんはプロフェッサーってトコだね」


「ユージさんは?」


「アレは化物という。もはや人でない」


 二人はユージたちのところにやってきた。

 ユージとセシルがいるのがタクティカルフルコースで10から150m、さらにその奥ではエダと拓が25ヤード・レンジで楽しそうに射撃を満喫している。


 サクラたちが見学に来た時、丁度セシルが1コースを終えベンチのところにやってきた。


「合格した? セシル」とサクラ。

「ああ合格だ」と答えたのはスコアボードをつけていたユージである。紙ではなくタブレットで、採点結果はそのままメールでセシルの上長に届けられる。


 セシルは満足げに頷きユージに礼を言うと、ベンチに置いてある水を一気に飲み干した。

 もうこれでセシルも自由である。



黒い天使短編「そうだ射撃場にいこう」1でした。



ということで始まりました、日常編短編。

今回は射撃のウンチク&ドタバタコメディーです。

気軽~な気持ちで楽しんでもらえたらと思います。

ちゃんとオチも山もありますよ。


一応クロベ家主催なのでユージ、エダ、拓も登場しています。飛鳥とセシルがゲストですね。あ、JOLJUもいます。


ということで久しぶりのセシル登場!


これからも「黒い天使短編・日常編」をお楽しみください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ