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「黒い天使」短編集  作者: JOLちゃん
「黒い天使・日常短編シリーズ」
200/206

黒い天使短編「異世界ヒロインズ!」11

黒い天使短編「異世界ヒロインズ!」11


異世界に行く!と思ったがまだ準備編!

リーダーを決めよう!

ほとんど全員一致でエダに。

サクラたちも遊び気分満々だ。


<勇者は誰だ!>

***



 すっかり大人しくなり、座り込んでしまった放心状態の女神スゥララとオロオロするその使途ペストォカ……を無視して、勝手に次の話を始めるJOLJU。



「なんか<勇者>とやらを決めないとダメみたい。リーダーってことで、誰がいいだろ?」

「本当に定番のファンタジーやな」と飛鳥。

「多数決取るJO~」



 で……。



「ロザミアさんがいいんじゃないかな? 元々女王様だし年長だし」とエダ。


「エダ!」とサクラ。

「エダ」とロザミア。

「エダさん」とセシルとマリー。

「ウチ! と言いたいけど面倒そうやからエダさん」と飛鳥。



 ということでエダが大差で決定!



 当人のエダ以外、満場一致。エダは「えーっ」と困った顔を浮かべているが、間違いなく一番しっかりしているのはエダだ。



「あ……あたし!? あたしリーダーって柄じゃないよ!? ロザミアさんのほうが年上だし経験者だよ?」


「私だとオーバー過ぎるし、地球の異世界には興味ないし真面目にやる気ないし。適任じゃないわ」



 現役指導者でリーダー経験者はロザミアだが異世界の平和には興味もないし、やる気もないし、未来人すぎて世界に馴染まない。好奇心の旅行気分で世界の英雄になる気はさらさらない。



 能力的にはサクラも該当するが、サクラは好奇心優先だし、人見知りで無責任だし、最年少だからリーダーには向かない。この身勝手な二人も、他の人間の指示は聞かないがエダの言うことだけは聞く。



 こういうことは飛鳥は大好きだが、今回は年上のエダとロザミアがいるから別にリーダーになる気はない。今回はリーダーとしてブイブイいわせるより好き勝手に暴れたい。



 セシルとマリーはエダ派だ。普段からエダのことを姉のように慕っている。


 どう考えたってエダ一択だ。それにメインはユージとはいえ一度は人類の英雄を務めたこともある。


 それにプラスして。



「勇者といえば剣! この中で剣を持っているのってエダだけだしね。あたしとロザミィの<ラファ>は鞭だし」

「<ヴァトス>? あれ、剣になるのかな?」

「万能剣だJO」


 地球製ではない、宇宙海賊戦闘種族の異星人ゲ・エイルの最新の剣で、確か認められた<勇者>しか持つことが許されていない剣だったはずだ。

 ユージはJOLJUとゲ・エイルから認められて持っている。そもそも本来武芸者ではないエダが持ってもいいのかしらん? JOLJUはいいといっているが……何度もいうがこの馬鹿は無責任で大雑把でルールなんかザル。


 確かに傍若無人なサクラとロザミア、ついでにJOLJUを扱えるのはエダしかいない。今、エダの能力は完全開放されていて<アイドル(カリスマ)>の才能もフルパワーだから、異世界の人間たちもエダをリーダーと認識するだろう。


 そう考えると、確かにエダしかいない。


 聡明なエダはそこまで自分で理解したので、渋々引き受けた。



「勇者はエダさん! サクラとロザミアさんは賢者か特殊な魔法使い(科学兵器だが)やとして、マリーは僧侶で……ウチやセシルは戦士か? 武道家やないし踊り子でもないし」


「なんだ、そのドラクエみたいな職業割り振りは。アンタは遊び人ダロ?」


「それはカバモンやんけ! ウチわ!? ウチわ!?」



 しかし言う通りこの二人は特別な能力はない。そもそも覚醒種ではないので来る必要はなく、好奇心でついてきたのだ。



「私は銃を持ってきていますから、それだと弓使い……扱いですかね?」



 各個人の護身用の銃の他に、セシルはユージから大量の銃器が入った大型バック(むろん四次元バッグ)を持っている。大型多目的サバイバルナイフは持ってきたがメイン武器ではない。



「JOLJUよ、そういえばウチらにもなんかチートな便利武器用意するっていうてへんかったか?」

「あー、一応用意してるJO」


 普段の冒険では自制してそんなモノは飛鳥たちには渡さないが、今回は現代地球ではなく異世界、多少やりすぎな武器もおっけーだ。……OKなのか、本当に……?

 


 そういうとJOLJUは30cmくらいの金槌を三つ取り出して、飛鳥、セシル、マリーに手渡した。



「<びっくらぽんハンマー>だJO!」


 相変わらず単純でネーミングセンスは欠片もない。


「お前……こんな金槌で戦えっていうんか!? 殴ったろか?」

「それもオイラ特製だJO。頭の中でイメージすると、あらびっくら! 大きくなるJO!」

「ふぬ?」



 三人、念じてみた。

 

 するとどうだ!


 セシルのものは60cm、マリーは100cm、飛鳥のものは150cmのサイズになった。




「おお! バトルハンマーや!」

「成程、念じる強さで大きさも変わるみたいですね」

「おっきくなるけど、重さは軽いのデス!」


「重さは500gで変わらないけど、威力ブースト機能もついてるの。<強くなれー>ってイメージしたら破壊力は何倍にもなるから巨大な岩も一撃だJO~。あ、でも三人には殺人禁止機能がついてて、対人用の時は勝手に威力が軽減されるから。あと、<ぽこっと一発気絶モード>がついてるから、どんな相手でも一発で必ず気絶するJO」


「なんやそのチートな猫型ロボットのアイテムのような便利道具は」



 感心する飛鳥。



 そして何を思ったか、放心中の女神様のところにいくと、無言でいきなり! 問答無用で殴ってしまった!



「ふぎゃあ!」と悲鳴を上げ、気絶して倒れる世界の主神女神スゥララ様。



「ホンマや! 死なへん! きちっと気絶する」

「試すなよ」


 どん引きする一同。

 試したくなる気持ちはわかるが、そんな理由で女神を殴る奴がおるか。神様を何だと思っているのか。これは完全に女神様いじめだ。


 というか、もしJOLJUの設定がいい加減で誤って死んだらどうしたんだろう?



「これで全員カバモンのスーパーアイテムありか。そうすると魔王軍とやらは叩きのめすだけで虐殺はするなってことか」


 サクラが頷く。

 サクラとロザミアの<ラファ>もエダの<ヴァトス>も<非殺傷モード>があって、直撃させても殺さず気絶させることができる。


 なんだかんだいってJOLJUは博愛主義者で魔物とはいえ殺害は好んでいない。これで飛鳥たちの手が血で汚れることはない。


 もっとも……持ち込んでいる銃は実弾だから当たれば殺せるし、<ラファ>や<ヴァトス>の<非殺傷モード>は任意なのでサクラとロザミア、ついでに多分銃がメインとなるセシルは殺せる。三人は好んでやることはないが人を殺した経験済みで、必要であれば殺しだってするし、痛む良心はない。JOLJUが「全員<不殺>が原則だJO」と言わないのは、戦争が起きた時そんな甘いことをいっていると逆に事態が悪化することを知っているのだ。


 エダとシスターのマリーは何があっても殺さないだろうから、殺すとすればサクラ、ロザミア、セシルの三人。ただしこの三人は殺人快楽者ではなくちゃんと適切な判断が出来るとJOLJUは判断している。



 ……まぁセシルはともかく……あたしとロザミィが本気出したら、モンスターとはいえ大量虐殺確定なのだが……それどころか、あたしたちだけで国、獲れる気がする……。



 と、サクラは思ったが、黙っておいた。



 そりゃあ獲れるだろう。この二人は本気になったら地球だって簡単に滅ぼせるのだから。ユージとエダと、ついでにJOLJUがいなければ。



 もしかしたら根は結構抜けまくっている馬鹿なカバモンは、そのことに気づいていない可能性も大きい。面倒くさいから黙っておこう。




黒い天使短編「異世界ヒロインズ!」11でした。



まだ準備編でした。

いつになったら異世界いくやら。のんびりしています。

今回、JOLJUはいろんなアイテム持っています。まさにドラえもんw

そして容赦なくそれで女神をぶん殴る飛鳥w

こいつら、本当に女神を何だと思っているのかしら?w


まぁサクラたちですしね。


ということで次回も準備後編。

普通は異世界にいくには準備をしないと。

ということで色々JOLJUが教えてくれます。

行くのはサクラたちだから呑気なモノです。


これからが「異世界ヒロインズ!」本番です。


これからも「黒い天使短編日常編」を宜しくお願いします。

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