表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「黒い天使」短編集  作者: JOLちゃん
「黒い天使・日常短編シリーズ」
188/206

黒い天使短編「JOLJUのロボット大戦」5

黒い天使短編「JOLJUのロボット大戦」5


またボコられるサクラ。

ついにJOLJU出撃!

完全本気の米軍相手に無双するJOLJU!

なんと! ファンネルだとぉ!?


***





 エリア51 14時15分




「戦争は無情だぜぃ~」



 動かなくなった(壊れたのではなく撃墜カウント中のためフリーズ中)アーマーのコクピットでキャノピーを跳ね上げ、ネバダの乾いた風と太陽を浴びながら、長閑によく冷えたオレンジジュースを啜るサクラ。


 真っ先に撃墜されたサクラだが、まだまだ戦闘意欲は旺盛だ。後2つライフポイントはある。



 他の皆の戦闘を参考にしてみよう。



 まずAI自動操縦のアーマーだが、個々に陸兵たちと交戦している。戦い方は多分サクラとそう変わらず、大体五分五分といったところ。



 全然戦闘方法が違うのが有人機であるJOLJUはロザミア。



 ロザミアの<ヒュゼイン>は地上を高速で移動し、武装ヘリがそれを追っている。JOLJUの<ナイハード>は上空を飛行し、戦闘機を相手にしていた。さすがにロザミアではまだ空中戦は無理だ。

JOLJUの<ナイハード>は戦闘機よりスピードは遅いようだが、敏捷性と機動性は圧倒的に上で、器用に戦闘機の攻撃を回避している。


 二人は完全に米軍を翻弄していた。



「ふむ。さすがに<歴戦のエースパイロット>を自称するだけあって、あいつ巧いなぁ操縦。ロザミィも。完全に米軍を手玉にとっている」


 ロザミアも確かこれがアーマーの戦闘は初めてのはずだが、元々パラのものだし弄ったことはあるだろうし、ロザミアの才能は強化されて戦闘の才能が先祖返りしていて超一流である。元々先祖はJOLJUより上のエースだった神帝だ。



 と……米軍は本気になったのか、トマホークミサイルを乱射した。その数は10発以上!


 完全に殺しに来ている気がするが。



「あれはどう避けるんだ? 二人は」


 正確な誘導が出来なくても大雑把に狙うことはできるだろう。一発でも当たれば撃墜できる。まぁビームシールドで防いでしまえばそれまでだが。



 そこはやはり遊び人?の二人だ。真面目に手堅く防御したりはしなかった。


 ロザミアは胴体部に内蔵装備してある拡散粒子砲で弾幕を張って迎撃! 


 JOLJUは、なんと高速で迫る10発のミサイルを、全部ビームライフルの狙撃で撃ち落としてしまった! しかもどれも外さなかった。むろん神の力は使っていない。

 空が大爆発の花火で大騒ぎだ。


 これにはサクラも感心した。



「カバモンはあんな芸当出来るの!? つーか拡散メガ粒子(これはガンダム用語で正しくはビーム粒子榴弾砲)なんかあんの!? チートじゃん!! あたしの機体にもあったっけ? ……って、あたしの機体にそんないいモンないし! ずるいゾ、ZZガンダム!! ……あ、メガ粒子砲搭載しているからZZガンダムってか? そりゃあジェガンにはないけどさぁ~」


 拗ねるサクラ。

 しかしそんないい機体は操縦できないから関係ないのだが、とにかく拗ねる!


 そんなこんなでサクラのフリーズタイムは終わったのだが、折角だからJOLJUたちの操縦を見て勉強する気になった。


 JOLJUの性格からして、そろそろおちょくるのも飽きてくるし、周りを飛び回っている戦闘機が鬱陶しくなってきたはずだ。


 案の定、JOLJUの気分は変わってきた。



 飽きた……というより、昔の血(こいつに血は流れてないけど)が騒ぎ出したのと、折角だからちょっと本気で戦ってみようという気分になってきたのだ。



 しかしさすがに戦闘機のほうが速い! 戦闘機側もJOLJUの狙撃の腕を見て容易な相手ではないと認識したようで、アクロバットな動きをしながらJOLJUを包囲しつつ機銃で攻撃を加えてくる。米軍もかなりの手練れを用意したようだ。



「変形だJO~!」


 するとどうだ!

 人型だった<ナイハード>がモビルアーマー(つまり戦闘機)型に一瞬で変形すると、ものすごいスピードですっ飛んでいった。



 速い! F31より速い。段違いに速い! 



「マジ!? あいつの可変機だったの!? マッハ4くらい出てない!?」


 後で聞いたらマッハ5まで出るらしい。地上戦では最強というのは嘘ではない。地球の戦闘機はマッハ2から3だからスピードでは到底勝てない。

 しかも機体は二回り<ナイハード>が小さいから、体感的にはスピード3倍だ。反重力装置があるからGはかからないからパイロットは速さに適応するだけでいい。……すごいスピードだけど……。



 空中のドッグファイト! 



 さらに米軍側は主力の誘導ミサイルはほとんど効果がないので、機銃で撃ち落とすしかない。



 一方JOLJUの<ナイハード>はビームやレーザー兵器を搭載している。そしてコンピューターでロックなどしなくても手動でミサイルを狙撃するような奴だ。よく考えればとんでもない操縦能力だ。



 米軍が敵うはずがなかった。



 ある者はJOLJUのライフルで穴だらけにされ、ある者は<ナイハード>の胴体に搭載してある超ハイパーメガ粒子で吹っ飛ばされ、ある者は余裕ぶっこいたJOLJUに翻弄された挙句ビームサーベルでぶった切られ……あれよあれよという間に12機の米軍戦闘機は撃墜されました。5機ほどは本当にぶっ壊れて墜落しました。パイロットは脱出装置で無事だったけど。



「米軍戦闘機12機が3分で全滅だと!? カバモンのMSは化物かぁー」



 JOLJUはアムロも真っ青のパイロットだった。



 サクラはニヤッと笑うとコクピットに戻った。



「よし! あたしも米軍をフルボッコにするぞ! みていろ米軍!!」



 サクラも武装を再確認し、エンジンに火を入れた。


 サクラ、二度目の突撃!


 しかしさすがに米軍もただやられるだけではなく、ちゃんと各機の戦闘力を見極めていた。


 ということで、雑魚と判断されたサクラ機は無残……突撃と同時に大した戦果を上げることなく、また陸上部隊と武装ヘリの集中砲火を受けて撃墜したのでありました。



 空しい二度目のフリーズタイム。



「……理不尽だ……」



 やられているのはサクラだけである。



 JOLJUたちは圧倒的!

 と思ったら、なんと米軍は次なる軍を投入してきた。模擬戦ということを米軍も忘れて必死になっているようだ。


 さらにF31が6機。ここは空軍施設だから、負けたくない! と緊急発進してきた。それだけでなく極秘の最新ドローン戦闘機が18機!


 模擬戦でこんなにお金を使っていいのかしら?


 しかし相手は往年?の魂が吹き返したエース。そして性格がトコトン遊び人のJOLJUである。悪ノリしだすと手に負えない。



 しかも相手がドローン爆撃機ならば人は死なない! 



 ドローンは全機JOLJUに狙いを定めたようだ。包囲して、段々距離を縮めつつミサイルを放つ。


 それを狙撃し、F31も二機撃墜したところ、JOLJUの<ナイハード>は完全に囲まれた。


 ドローンは小さいし速いので的は小さい。



「どうするんだJOLJUは」


 完全観戦モードのサクラ。今度ばかりは完全に囲まれたJOLJUは絶体絶命!

 かと思ったが……。



「<リーベイル>発動だJO~」


 <ナイハード>の背中にあった6基の放熱板が外れて飛んで行った……かと思ったら、突然急加速して、まるで鳥のように飛び始めたかと思うと、ドローンの近距離に迫り、ビーム粒子砲を放ったではないか!


 まるで自分の意志を持っているかのようにドローンを破壊すると、再び<ナイハード>の背中に戻った。



「ファンネルじゃん!! あれ完全にファンネルじゃん!! ファンネルもあんの!?」



 分離した<リーベイル>の全方位攻撃で、あっさりドローン部隊10機は撃墜された。


 自動追撃兵器……正にガンダムでいうファンネルだ。違いは地上でも使えるということと使い捨てではなく本体に戻ること。そして脳波操縦ではなく事前に攻撃パターンをプログラムして簡易操縦で動かす点。

 なのでニュータイプでなくても使えるが、かなり高度な計算力が必要で、それが出来たのは「なんとなく分かった」という漠然とした感想と勘でやってのけたアーマーの大天才であった神帝と、とんでもない知力を持つJOLJUだけだ。



 これには米軍も唖然となった。



 その後……米軍空軍が全滅したのはいうまでもない。




黒い天使短編「JOLJUのロボット大戦」5でした。


ということで今回はJOLJU無双です。


JOLJU、自慢するだけあってメチャクチャ強かった! まぁ機体も最強なんで当然ですけどね。

サクラは完全にオマケです。サクラは操縦歴1時間……使いこなせるはずがないんです。

もっともJOLJU並のパイロットは当時10人もいないんじゃないかしら?


あのカバモン、なんと歴代五指に入るエースだったりします。むろん神の力を使わずに。神の覚醒前の大戦なので。


ということでフルボッコになったのはサクラと米軍でした。


次回はまとめ。ということで次回で完結です。

ほとんど騒いだだけの短編ですが、最後にちょこっとホッコリとバカげたオチがあります。


これからも「黒い天使短編日常編」を宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ