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「黒い天使」短編集  作者: JOLちゃん
「黒い天使・日常短編シリーズ」
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黒い天使短編「JOLJUのロボット大戦」1

黒い天使短編「JOLJUのロボット大戦」1



JOLJUメインの短編!

パラのロボット兵器で遊ぶ!

当然サクラもついていく!

これで事件が起きないはずがない!

***



 今日ものんびりいつも通りのNY。

 しばらく天気もいい。

 そしてここ最近、珍しいことにサクラは自宅でブラブラしていた。


 というのも……遊びに行こうにも面白い遊びが思いつかず飛鳥も金欠なので練馬にも行かずダラダラとアニメをみたりゲームをしたり映画を見て過ごしていたわけだ。



 一方、JOLJUはサクラの知らないところで何か企画をしていた。



「JOLJU~、お弁当置いておくね」

「ありがとだJO~」


 と、エダが大きなバスケットにお弁当を用意して大学に行った。


 いつもの爆弾おにぎりや昼食用のお弁当ではなく、色々入ったバスケットランチボックスで、ちょっとしたピクニック用だ。


 JOLJUは大食いだが、これはどうも一人用ではないと思う。



「どこ行くんだお前? 釣りか?」

「ネバダ砂漠のエリア51の使用許可貰ったからロザミィと行ってくるンだJO」


 なるほど。弁当はJOLJUだけではなくロザミアの分もある。だから豪華ピクニック仕様なのだ。


 しかしユージもエダも行かない。ついでにサクラも誘われていない。


 第一何でエリア51なんだ?


 エリア51とはネバダ州にある米国空軍ネリス基地の一角にある試験訓練場で、ロズウェル事件やUFO事件などで騒がれたことがある有名な場所だ。塩湖と荒野しかないが、空軍の新兵器実験場なのでかなり広大だし一般人の立ち入りはできない。JOLJUがUFO事件に関心があるはずがない。こいつこそ正真正銘エイリアンだ。



 そして同行がロザミア。



 つまり宇宙関係の何かだ。



 サクラの好奇心がムクムクと湧き上がってきた!



「何しにいくんだ、カバモン」

「んー……コレクションの整備というか、慣らし運転というか? もうずっと倉庫に入れっぱなしだったから空気の入れ替えというか?」

「何を?」

「アーマー」

「アーマー? 鎧?」


「パラの人型戦闘用ロボット兵器だJO。乗れるJO~」


「ロボット!? しかも搭乗機!?」


 サクラの目が輝く!



「そんなのあんの!? お前ロボット兵器持ってるの?」

「<ヴィスカバル>の倉庫に。骨董品なんだけど。パラが滅亡したときワンオフの有名機体だけ持ち出したンだJO。博物館行きの物ばかりだから宇宙文明の実戦には使えんし、ほとんどが地上戦専用機だから宇宙では整備も慣らしもできなかったし、無理に惑星外で動かして壊れたらヤだし。ということでホワイトハウスに要望出して、一日エリア51を借りることができたんで、ちょっと弄ってくるんだJO」


 人型戦闘用ロボットは当然大きい。母艦である宇宙戦艦<ヴィスカバル>も行かないといけない。一般人にみられるとまずいから、かなり広大で一般人のいない場所でないとできない。

 この銀河で最新最強の<ヴィスカバル>(※ JOLJUの個人所有)は視覚遮蔽装置もレーダー無効の機能はあるが、アーマーは骨董品なのでそういう機能はついていない。


 そういえば「昔はエースパイロットだった」と時々このカバモンはいっているのを思い出した。

 戦闘機とかではなくロボットのエースだったのだ。



 ネバダは遠いが、<ヴィスカバル>で行くなら1時間もかからない。



「ということで夕方には帰ってくるから行ってくるJO~」


 と、さっさとバスケットを四次元バッグに入れたJOLJUが出発しようとした。


 すかさず首を掴んで引き留めるサクラ。



「まて! あたしも行く!!」

「えー」

「あたしが行ったらいかんのか!?」

「来たってやることないJO? 単に壊れてないか調べるのと、なんていうか天日干しするだけみたいなもんだし」


 ロボットに天日干しはいるのか?


「操縦できるのってオイラとロザミィだけだJO?」

「見てみたい! 連れていけ!」

「でもサクラの分のお弁当、頼んでないJO?」

「お前が我慢したらいいじゃん」

「ヤだJO、そんなの!」


「むぅー! 10分待て! あたし、自分でお弁当用意するから! 行くなよ、待ってろよ!」


 そういうとサクラはキッチンにすっ飛んでいった。


 エダも忙しいから、クロベ家には食料が常にたっぷり買い置きしてある。食パンにハムを挟んだり、ピーナッツバターを塗っただけの簡単サンドイッチならサクラでもすぐに作れる。それにスナック菓子とリンゴでも持っていけばいい。日本育ちで料理好きのエダのお弁当は日本式で豪華にちゃんと作るが、本来米国の子供のランチなんてこの程度のランチパックが多いのだ。


 すぐに出来上がり、サクラはそれを自分の四次元リュックに突っ込み、ついでにコーラのペットボトルを2本突っ込んで準備は終わった。



「できたゾ! 行こうJOLJU!」


「ま……サクラならいいか。じゃあロザミィ拾って<ヴィスカバル>でネバダまでゴーだJO~」


「<ヴィスカバル>で行くの? なんか面白そうだけど、見つかったら大騒ぎになるゾイ」



 <ヴィスカバル>は地球基準からみればありえないくらい大きな巨大宇宙戦艦だ。何せ全長約1600mある。一般人に見えずレーダーに引っかからないから見られないが、それが逆に危ない。米国は飛行機がたくさん飛んでいるし民間機も飛んでいる。ぶつかったら飛行機側は大惨事だ。



「だから一度真上に飛んで大気圏外に上がってから降下するJO。それなら大丈夫だJO」


 ちゃんとJOLJUは考えている。この方法なら地球の反対側でも数分だ。もっともそこまでするほど遠くはないのだが。



「じゃあ行くか、だJO」

「行こう!」

「だJO」


 行くことになった。


 この物語はここから始まった。






***





 ネバダ州 ネリス空軍基地内 エリア51




 見渡す限り一面の荒野。はるか遠くに見える岩山。

 完全に無人の荒野だ。こんな何もないところに人がいるはずがない。

 もともと空軍の航空兵器実験場だから、かなり広大な無人エリアだ。


 今、そこに巨大な建造物……巨大宇宙戦艦が着陸していた。


 JOLJUとロザミア所有のパラの機動宇宙戦艦<ヴィスカバル>だ。


 全長約1600m、全高約350mの細長い葉っぱのような形をしている真っ白な宇宙戦艦だ。



「宇宙でみると実感ないけど、地上で見るとデカいなぁ~! 高さだけでスカイツリーと変わらないンだもんなぁ~」


 地上から戦艦を見上げ、サクラは嘆息する。地上からみればとてつもなく巨大な建造物にしか見えない。



「これでも宇宙戦艦としては中ぐらいよ。大きいのだと全長30kmとかあるわ。戦艦というより母艦だけど。銀河連合の汎用機動戦艦の平均は600mから900mだから、そう考えると二回りは大きいわね」


 隣で呑気にアイスを食べているロザミアがいる。

 船の所有者で、これまでの人生の大半をこの戦艦で過ごしてきたロザミアにとっては何の感慨もない。



 しかし地球人のサクラには珍しいものだ。



 サクラはこの戦艦に乗ってJOLJUの案内で別星系にある宇宙ステーションに連れて行ってもらったことが数回あるが、その時は地上から乗り込むのではなくすでに宇宙に上がった<ヴィスカバル>に転送で移動するだけで、外から見る機会はほとんどなかった。



 改めてみると、これはこれでかなり凄いものだ。



「こんなドでかい宇宙船にたった二人でいるのってどうなんだ?」


「元々は約8000人が住める船だから娯楽もそろっているし。それが私の人生だから気にしたことないわ。それに宇宙では顔が広いからいろんな宇宙ステーションや惑星に立ち寄ったりしたから」


「あのカバモンと二人だけっていうのが気になるけど」



 まぁロザミアにとってJOLJUは親みたいなもので家族だから気にならない……というより、気にしたことがない。



「もっと小型の50mくらいの手軽な宇宙船があったほうが便利じゃない?」


 いくらなんでもホイホイ旅行に行くのに毎回機動戦艦というのは常識がないんじゃないか? 湾内クルージングに原子力空母を使っているようなものだ。



「そうかもね。でも二つ問題があるの」

「何?」

「私は皇族だからそれに相応しい威容と装備が必要だし、手頃で便利な宇宙船を手に入れたらJOLJUの魔改造が始まって<宇宙最速最強の小型宇宙船>とか作って、他の異星人たちがビックリしそうだもの。あの馬鹿、根っからの男の(ガキ)だから、改造大好き。知識だけは全宇宙最高だから、銀河連合も知らない科学を使い始めて吃驚されるわ。あいつ馬鹿だから暴走族みたいに乗り回して遊ぶだろうし。それにそもそもJOLJUだけなら宇宙船なんかいらずに本人の神の力で宇宙移動するほうが早いもの。力を使えば宇宙の果てまで1秒でいけるんだから。私はそんなにウロチョロしたい気分でもないし」


「なんだかんだ面倒くさいカバモンだ」



 本当は驚倒するくらいすごい存在のJOLJUだが、この二人にとってJOLJUはただ面倒な一応家族……でしかない。



 二人が好き勝手喋っている間、JOLJUはせくせくと真面目に艦の収納庫から、これまた一々真面目に一機ずつアーマーを外に出す作業に集中していた。


 ということでサクラたちも移動した。


 基地は広大だし戦艦も巨大だから、アーマーを出している場所までそこそこ距離がある。 ちょっと歩くことになった。






黒い天使短編「JOLJUのロボット大戦」1



ということでJOLJUメインの短編!

惑星パラで使われていたロボット兵器がアーマーです。

これは別作品の「マドリード戦記(蒼伝)」に出てくる花形兵器です。

昔JOLJUはアーマー乗りで、しかもエースでした!(このあたりの話が蒼伝本編です)

今回の話は半分蒼伝の話でもあります。

JOLJUのアーマーコレクション+昔話……と思いきや、やっぱりドタバタが起きますが、それは本編を楽しみに。


しかしエイリアン都市伝説があるエリア51で異星人たちが遊んでいていいのかしら?w


ということでこの短編スタートです。


これからも「黒い天使短編日常編」を宜しくお願いします。



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