黒い天使短編「ようこそ我が家へ」5
黒い天使短編「ようこそ我が家へ」5
ということで今度はサクラとエダの倉庫!
サクラのお宝がざっくざく!
あいかわらず物騒な小娘。
そして初公開のメインコンピュータールームはSFの世界!
***
という事で、今度はガールズ倉庫だ。メンズ倉庫の隣である。
サクラがいるから当然ドアは開く。飛鳥やJOLJUを入れるのに、サクラが抵抗しなかったから、サクラにとって恥ずかしいものは特にないのだろう。
さて、ガールズ倉庫。広さはメンズ倉庫と同じで、中のレイアウトも同じで大きな棚が並んでいる。
「おお~! やっぱエダさんやな~! なんか女の子の部屋っぽい!」
こっちも左側がエダのエリアで、右側がサクラのエリアだ。
これも一目瞭然。サクラ・エリアのほうは、玩具とかスケボーとかローラースケートとかキックボードとか、よく分からないPC関係の機器や、どこで手に入れたのかよく分からない古い剣や金貨、秘宝ぽいもの、なんか宝石が混じっている石、変な仮面、剥製、さらにロケットランチャーや自動小銃、ホルスターや手入れ道具、アウトドア道具、軍用装備品、よくわからないが爆弾みたいなものまである。そしてJOLJUほど酷くはないが、整頓されておらず適当に置かれている。
一方、エダのほうは、昔着ていた服やめいぐるみや本、スポーツ用品、アクセサリーボックス、それに映画やアニメのDVD、それに昔使っていた教科書とかアルバムとか、宝石箱とかバッグとか帽子とかユニフォームとか、学生時代のトロフィーとかが綺麗に飾ってある。これこそ女の子、というカンジだ。ただ、棚の真ん中に、無造作にホルスターに入ったHK P30が置いてあった。これはエダの趣味ではなく、防犯用だ。クロベ家は、どの部屋にも一丁は銃が置いてある。
「ところどころ銃があるんやが、皆本物なんか?」
飛鳥はサクラ・エリアにあるボロボロの自動小銃(多分M16のカスタム)を持ち上げる。
「あー、あたしの奴の半分は電動エアガン。残りは本物~。弄ってもいいよ、弾入ってないし」
電動エアガンは時々これで遊ぶからもあるが、こうやって玩具を入れて本物があることをカモフラージュしているのだ。米国とはいえ、基本銃はロッカーとかでちゃんと管理するべきものだ。
しかしそんな事をするとサクラがどれだけ違法に収集しているかバレる。ということでごっちゃにして誤魔化しているのだ。
「ロケットランチャーとかどうするねん?」
「戦利品」
「あ……プルトニウムもあるJO」
「戦利品♪」
どこで手に入れた? そんなもの。
サクラ・ゾーンを漁ると、さらにC4とかダイナマイトも出てきた。相変わらず物騒な小娘だ。
「しかしエロ本とかなかったな。面白くない」
「あるかい」
「思ったより銃がないな。この家沢山あるんやろ?」
「各部屋に一丁以上はあるよ。ほとんど隠してる。それは護身用。で、銃のコレクションはほとんどユージの銃部屋で管理されているから」
「武器庫か! 楽しみやな」
三人は程ほどに中を見て満足し、外に出た。
最後は1部屋だ。
メインシステムルームである。
「メインシステムルームってナンや?」
「この家で一番重要な部屋。ま、普段はほとんど来る事ないけど、ようはコンピューター・ルームと発電機と転送機があるの」
「企業のサーバー・ルームみたいやな」
「ま、そんなもんね」
そういうとサクラはドアを開けた。
部屋の大きさは他の倉庫と変わらない。この区画は皆同じ部屋のサイズで統一されているのだろう。
中は殺風景というか、シンプルだ。大きな金属っぽいコンピューターぽいものが一つ。その横に、全くよく分からない何か四角い金属の機械装置があり、こっちには壁から伸びたケーブルがついている。部屋の一番奥は、一般人は見ても分からないが、サクラや飛鳥は頻繁に使っている転送機だ。
「これまで見てきて分かったと思うけど、我が家は完全コンピューター管理の完全オール電化。で、全部のコンピューターを管理しているシステムコンピューターがこれ。詳しい事はJOLJUしか知らんけど」
「世界一のスーパーコンピューターの5倍くらいの性能があるJO。そんでもってフォース・フィールド・バリアーもあるから、核爆発が起きたって無事だJO♪ 地球が爆発してもコレだけは無事!」
「一般家庭にそこまでのものがいるんか?」
ぶっちゃけここまでの性能はいらない。単にこういうものを作るのが好きなJOLJUの趣味みたいなものだ。クロベ家内は地球でも特別ということで色々地球の科学以上の設備がゴロゴロしているが、とどのつまりJOLJUの趣味なわけだ。
「で、ここまで色々見たら分かるだろうけど、我が家は完全オール電化だから当然電気代もすごい。それくらいならいいけど、ここは米国だから、時々停電するんだよね。事故やストライキやテロとか。ユージを狙って殺し屋が電力施設爆破とかする可能性もある。この家、電気なくなると何もできない。ということで、JOLJU特製発電機があるわけサ」
発電機らしい。しかし燃料は何なんだ? まさか核か?
「太陽発電。正確には光学発電で、光なら何でもエネルギーに変換できるオーパーツよ。ホラ、バルコニーがある外側のパネルがあったでしょ? あれ、全部太陽光発電パネルでもあるの。で、増幅装置もあるから、この家の電力は全部自家生産してるワケ」
「ズル! なんでこの家はこんなに特別やねん!」
「そりゃあオイラが住んでるからだJO」
「我が家にも住んどるやないか! 我が家も電気代補助しろー!」
「考えとくJO」
これはその気はない、という返事だ。
飛鳥は奥の転送機を眺める。
転送機は円形の足場と、転送ビームを発生させる特殊な発生装置が天井にある。ここの転送機は他の転送機よりやや小さく、せいぜい二人用だ。他は大体4人用である。
「お前、自宅の転送機は使わへんよな?」
「うん。いつも神崎さんトコ使う」
転送機は神崎修一郎氏の会社や事務所、別宅などに設置されている。NYの事務所は、この家から3ブロックほど離れたビルにある。
「自宅のは非常用」
「転送機はかなり電力使うんだJO。この家で使うと、基本システムとキッチン家電とPC以外の電源がしばらく落ちちゃうの」
クロベ家の電力でもコレである。だからどれだけ利用頻度が高く要望があっても飛鳥の家には置けないのだ。置いても作動するほどの電圧は得られないし、もし得られたとしても電気代が途方もない額になる。尚、神崎氏の転送機にはJOLJUが補助電力装置をつけているからそれほど高額にはならないが、場所を取る。
もっとも、この家の転送機も保険のようなもので、ほとんど使う事はない。非常事態なら使ってもいいが、本当に緊急の非常事態のときは、JOLJUがテレポートさせたり、携帯転送機を使ったりする。サクラ、ユージ、エダの三人は特別で、この三人だけはJOLJUの強制転送に体が耐えることができる。つまりクロベ家の家族は皆JOLJUの強制転送が使えるから、据え置きの転送機を使う必要がそんなにない。
ということで、次である。
黒い天使短編「ようこそ我が家へ」5でした。
サクラは妙な収集癖が。
とにかく珍しいものを集めておこうということですが、物騒なものが多いあたり、普段このクソガキがどんな危険な遊びをしているか分かりますね、
サクラにかかっては戦術核爆弾くらいはめずらしくない!
もうコレだけでも当局にバレたら逮捕ですが。
こういうあたりは本当血は繋がっていないけどユージそっくりです。
本当は血縁関係があるんじゃなかろーか?
他はと言ってもサクラは学校いっていないし友達も限定されているのでこんなものです。
ということでクロベ家探索はまだまだ続きます。
これからも「黒い天使短編・日常編」をよろしくお願いします。




