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窓際の彼  作者: 愚者
4/6

#4

#4 悪戯 

「悪いけど、コレ頼んだ!明日ジュースおごるから!」

私に日直日誌を渡し、鞄を持って教室を出て行く。

「・・・私にも、予定はあるのを知ってるかな?静」

教室に日誌を持ったまま残された私は席に座りながら呟く。

「丙さんも大変だね。2リットルの注文すれば?ジュース」

突然後ろから声、振り返ろうとすると、

「振り返るのは自由だけど、着替えてるから」

即座に前を向く私。

「・・・更衣室を使うべきだろう?」

仕方なく、日誌を書く。

「運動系の部員さんで、一杯一杯。突然の雨は卑怯だね」

後ろで、衣擦れの音。本当に着替えてるようだ。

「だからって、普通女子のいる部屋で着替えるかな・・」

教室には私と橘だけ。他は帰ったようだ。

「丙さん、あまり気にしないと思ったから・・・・着替え終了」

「失礼な!」

振り向く私、

「ひゃ!」

視界一杯の狐の面。

「丙さん悲鳴可愛いね」

「君は悪戯が好きだね」

声が硬くなる、怒気が含まれるからだろう。

「好きな人相手だと、ね」

「ぇ?・・・」

「なんてね?」

彼は後ろを向いて鞄の中に手を入れる。

私は日誌を睨む、頬に熱を感じる。

「ここで、赤面してたりすると、可愛いよ?」

「下らない、さっさと帰ることを勧めるよ」

声が硬い。

「いいけど、3行目からぐちゃぐちゃだから書き直しなよ?」

彼は鞄を肩にかけて教室から出て行く。

「・・・・・・・まったく、人の気持ちも知らないで。着替えとか・・・ありえないだろ」

机に突っ伏す。

「あはは、乙女だにゃー」

背後から声。

「へ?」

「教室にいないだけで、廊下にはいたりして」

顔を上げると、橘が出てったのとは逆の扉に横山が立ってる。

「立ち聞きとは・・・悪趣味だな」

私の視線に殺気が上乗せされる。

「怖いにゃー、橘使用済みのタオルやるから簡便にゃー」

「いらないよ、私は婦女子ではない」

「乙女だニャー」

「遺書の書き方を知ってるかい?」

「教室での殺害の定番はナイフでサックリだにゃー」

「元のネタが分からないよ」

ため息をつき、日誌を書き直す。

「さてはて、横山さんは消えるにゃー」

「もういいや、帰ろう」

今日はもう、疲れた。

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