#3
3rd 会話
最近、私は橘を見ていることが多い。何故だろうか。
静曰わく、
「あなた、恋じゃない?」若干、驚きながら言われた。
「女が他人を一日の大半使って考えてたら大抵恋よ」
「な、適当な事を」
「ふふ、気付くのが早いわね」
「バカにするな」
彼女の額を小突く。
「お、楽しそうじゃん?混ぜて?」
静の隣らしく、横山が絡む。
「ところで、どう?」
意味ありげに静
「バッチリ、4時に校門でOK」
横山が空いたスペースに座りながら返す。
「・・・デート?」
小声で静に。
「そうよ。羨ましい?早く橘君と行きなさい」
静が耳元で囁く。
「そ、そんなんじゃない」つい、声が大きくなり、立ち上がってしまう。
クラスの数人の視線。
「静、こういう話昔から好きだな」
膨れながら座り直す。 「当たり前じゃない。人事だから楽しめるし」
如何にも楽しそうな顔をされた。
「俺も-♪」
横山も静と同じ顔をした
「お前ら、お似合いだな」膨れたままそっぽぽを無意識に向く。
「ところで、丙さんは好きな人は?」
横山が視界に入る。
「いるよね♪」
靜がニコニコ。
「い、いたら?」
動揺が恥ずかしい。
「丙さん綺麗だから誰が好みかなって」
横山がチラッと真顔になったように見えた。
「短髪眼鏡で賢いのだよね?」
靜が勝手に答える。
否定したいが、出来ない
「このクラスなら、橘に斉藤だな。はて、どちらだろうか」
横山がニヤニヤ。
「教えないからな」
持参の飲み物に口を付け、よそを向く。
「ふぅん。教えないんだ」目の前に橘がいた。
突然現れたので、咳き込む。
「面白いのは否定しないが、酷くないか?」
橘があたしの背中をさすりながら横山を睨む。
「すまんな、でも色々分かった」
まだ横山はニヤついていた。
「丙さん、すまない。横山にメールされてホイホイくる俺にも悪いところがあった」
そう言って、橘が軽く頭を下げる。
「気にするな。治まった」背中に残る橘の手の感触に緊張しながら答える。それに、横山に感づかれた事の方が問題だ。