日本人じゃない私の日本語小説書き事
皆さん、こんにちは。
私は台湾で学生をやっている『倒れた豚カツ』と申します。
今回、初めてエッセイを投稿いたしますので、どうぞお付き合い下さいませ。
名前の由来はお気になさらず。
投稿しようと思ってペンネームを考えていた時に、大好きな豚カツが端から滑り落ちちゃった、ただそれだけの話です。
さて、日本最大の小説投稿サイト、小説家になろうは多くの日本人作家さんが作品を投稿されています。
そんな中、何故私が中国語ではなく日本語で小説を投稿しようと思ったか。
それは単純に、私が日本語で書かれたライトノベルが大好きだからです。
しかし私は小説を書き始めて、日本語の難しさを痛感しております。
接続詞や、単語の意味といった基本的な事の他に。
小説を書く上では、文章の組み合わせそのものの読みやすさ、美しさ、などのテクニックも持っていないと、面白いと思ってもらえる物語が書けない、と知りました。
どれほど自分が面白思っている物語も、文章が成り立っていないと、そもそも読んで貰えない。
私はなろうに投稿して、それを実感しています。
私は、昔からアニメが好きでした。
有名な作品から無名の作品まで、多くの作品を視聴しました。
バトル、恋愛、異世界、機動戦士、バーチャルワールド、ハーレム、日常、SFなど、様々なものを楽しんできました。
物語の中に入り込んで、ある時は広い、ある時は狭い、ある時はキャラが可愛い、ある時はかっこいい、それらの世界に。
入り込んで、抜け出せないほどに愛でて、楽しんでいました。
その時はまだ、小説の存在すら知らず、アニメの世界が大好きなだけ。
「緋弾のアリア」などが、最初にきちんと見たアニメだったと思います。
設定や人物描写がカッコよかったからです。
アリアも可愛かった!
それはともかく。
小説と出会ったのは中学時代、友達と書店に行った時の事です。
あるアニメが、小説のアニメ化だったと、その時に知ったのです。
それからアニメだけではなく、ライトノベルもよく読むようになりました。
「緋弾のアリア」の翻訳も読みましたね。
そして私は、ライトノベルもアニメも、目指すところは同じーーー楽しい物語を作る事だと思いました。
ライトノベルの中では、アニメよりも更に深く詳しい内容や世界観が描かれていました。
でもこの頃もまだ、中国語に翻訳されたライトノベルを読んでいただけです。
台湾では、日本語小説を手に入れる手段が限られています。
紀伊国屋書店でも、ほんの少し、人気のあるものしか置いていません。
台湾では、ライトノベルの翻訳は、大きなサイズに変えられています。
日本の文庫本サイズは、可愛いですよね。
小さいのは、良い事です……いえ、この言葉に特に深い意味はないですよw
私は今、高校三年生です。
小説を書くきっかけになったのは、新番アニメのリストで回った時に、長月達平先生のアニメ化した作品「RE:ゼロから始める異世界生活」を見た事です。
買った文庫本も、この小説が初めてでした。
アニメを見た私は、リゼロに感動しました。
それほど広く難しい世界観ではないかもしれませんが、見ていて感動が生まれる物語でした。
そこで疑問が生まれました。
一体どうすれば、こんな風に人の心を揺さぶる物語を作れるのか?
私は原作を探しました。
場所は紀伊国屋書店。
でも、最初に見つけた時は買いませんでした。
帯に、「小説家になろう」で掲載されている、と書いてあったからです。
それが私となろうの出会いでした。
ーーー文庫本を買うよりも前に、その原文を読みたい。
そう思って、スマホを取り出し、ネットで検索しました。
基本的な日本語をアニメから少しずつ覚えながら「RE:ゼロから始める異世界生活」を読みました。
始めは難しかったのですが、グーグル翻訳のお陰で、読み進める事が出来ました。
感情描写、人物設定、世界観、景色の描写。
作家さんが心を込めた、素晴らしい作品でした。
アニメでは表現仕切れなかったものも、全てその文章の中にあったのです。
そうしたきっかけを得て、私は自分に問いかけました。
ーーー私も、人を感動させる小説を書けるだろうか?
自分の想像や思いが、誰かを感動させるものになるのか?
そう憧れ、試してみたくなったのです。
サイトに登録して、自分も小説を書こう、と思いました。
日本語で。
私はいつの間にか、日本語で書かれたライトノベルが一番好きになっていました。
それに、なろうには色んな大賞があります。
初心者にはありえない話かも知れないけれど、いつか文庫化出来ればいいな、と考えなかったとは言えません。
でも。
全くの初心者、素人である私は、サイトに登録し、小説を投稿した時点で。
深く暗い、落とし穴に落ち込んでしまったのかも知れません。
単語、文法、類義語、作法。
そんなテクニックも基本もよく分からない私。
物語を書いても、人の理解出来る文章を書けているかどうかもよく分からない私は。
幼稚園児のような幼い文章だろうか、変な人の文章に見えるかな?
そんな風に心配しながら、とりあえず小説を書き始めてみました。
最初の作品を投稿した時、コンセプトさえない、下手の日本語で物語を書きました。
日本語の文法だけではなく、内容までもがばらばらなもの。
誰にも読んで貰えないそれを、私は静かに消しました。
今は後悔しています。
確かに見るに耐えない作品かもしれないが、消す事はなかった、と。
自分が描いた物語を、自分の手で消してしまった事で、とても悲しい気分になっています。
今の作品も、あんまり進歩はしていません。
プロットを立ててまで書きたい深い想いもないし、会話もあまり面白くないと自分でも思います。
キャラの動きは少ないし、そもそもおかしな日本語だらけです。
それに書き進める速度も、遅い。
日本人なら2日で書けるものに、私は4日も5 日も掛かります。
でも、諦めずに書き続けようと思うのはーーー書きたいからです!
苦しいし、辛いし、周りからバカみたいに見えるだろうけど。
誰も読んでくれていないかも知れないけれど。
書いてる間は、凄く楽しい!
楽しいから、書き続けたい!
そう思います。
小説家になろう、その大きなサイトは、まるで海みたいに深く、山みたいに高く、森みたいに暗く。
だけど、見るだけで明るくて、眩しくて。
例え自分がどれほど酷い文章しか書けないとしても、物語を作り続けたい。
文章が酷いからって、自分の想像する世界を見える形にしたい、という想いが消え去る訳じゃないから。
その想像の炎は、自分の心の中に、まだ燃え盛っているから。
ーーー誰かを感動させる物語を、描きたいから。
私は力を尽くして、「小説家になろう」というサイトの片隅で、小さく想像の火を灯し続けようと思います。
読んでいただき、ありがとうございました。
よろしければ、日本語は拙いですが、私の作品を読んで、間違っている点の指摘でも良いです、感想をいただけないでしょうか?
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このエッセイは、読みやすいよう、他の作者様の手で手直しをしていただきました。
この場を借りて、お礼を申し上げます。




