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貧乏貴族令嬢ですが男装して入学します  作者: 仲田野 寿
学園編
30/31

セルジュ視点3

----セルジュ視点


俺は王宮の情報部に所属することになった。

エルネストの父である、公爵様から声を掛けられたのだ。


平民が王宮で仕官できるようになるには、よほどの実力者か、運も必要だ。俺は宮廷魔術師になりたかったが、それには落ちたのだ。

だが、俺はシリルに掛けた幻影魔法によって、情報部という部署に入れてもらえたのだ。


シリルは俺にとって光だ。


ジルベールは侯爵家だったけれど、俺のことももう少しでいい、待っていて欲しい。

俺はシリルの手を握った。


と、俺の手を振り払いつつ、俺はエルネストから叩かれた。


シリルはエルネストの方に引き寄せられている。

この頃シリルはエルネストに触れられてもあまり嫌がらない。こいつは徐々にスキンシップを増やしていって慣れさしたのだ。

しかも、エルネストはジルベールの従兄弟らしく、なんとなく雰囲気や体型が似ているのだ。

こいつはそれを利用しているのだろう。


……そして、シリルはエルネストに口説かれている。


上司の息子だからと言って遠慮はしないぞ!

俺はエルネストを睨んだ。



そんなエルネストに頼みごとをすることは嫌だったけれど、シリルの俺への信頼感と引き換えには出来ない。俺は限界だ。


シリルの風呂場の見張りはきついのだ。

つい、犯しそうになる。


濡れたままの背中に触れて、

「シリルは女性なんだから、風邪を引いたら誰が看病するんだい? だからもっときちんと拭かないとだめだ。」

と、背中を撫でる。もちろん指先でだ。


するとシリルは

「あ……っ」

などという声を出すのだ。背中が弱いのかもしれない。


その声にゾワリと俺のものが蠢く。


何でもないように、ほら、背中濡れてるよ? というと、慌ててありがとうございます。と言いながらタオルを広げて背中も隠すようにするのだ。


その反応が可愛くて可愛くてやばいくらいだ。

段々我慢できなくなっているのは自分で分かっている。


見張りの前に必ず抜くが、それでも欲情するのだ。

どんな拷問だよ!



王子とエルネストが使っていない二人の部屋の風呂をシリルに貸して欲しいとお願いした。

エルネストは嬉々として了承していたが、お前も苦しむはずだ!


シリルはうれしそうにしていたが、俺の方を恐る恐る見て、お仕事が忙しくなったからでしょうか? などと寂しげに言うのだ。違うけれど、シリルは悪いことしてないよ。と宥める。

勝手な俺の事情なんだよ……。



仕方なく風呂の見張りの手は離したとはいえ、シリル自体を諦めるつもりは毛頭ない


それからは、女子の士官養成学園への入学が認められたことを発表したり、仕事に行ったり、授業をしたりしながら過ごした。

シリルとの進展はない。



そのうちに、ジルベールが戻ってきた。

あー、くそ。

ジルベールが来る前になんとかしたかったが、無理だったか。

気長に行くか!

俺は別に、平民だから、シリルとジルベールが離縁したとしても構わない。二人が結婚してからでも離縁するように口説けばいいだけだ。



少し余裕ぶって見ていたが、ジルベールが暴走しやがった。


みんなの目の前でシリルに口付けしようとしたのだ!

アホだこいつ。

俺より獣だ。


ガンッとつい殴ってしまった。

エルネストもドガッと殴っていた。


王子もアレクサンドルも冷ややかだ。ガスパール……は真っ赤だ。


殴った後に、公爵の使いから呼ばれた。

ああ、もう。

シリルの制服を見たかったのに、……仕方ないな。



仕事の話をされて、戻ってきた頃にはシリルは女子の制服に着替えていた。


なんという可憐さ!!

じっくりと舐めるように見てしまった。うん、イイ!!


シリルの制服姿を見たガスパールが俺にこっそり言った。


「シリル女性だったんだな……。早く言ってくれ! 俺は男色家なのかと、ものすごく悩んだんだ。それ

でシリルからできるだけ離れようとしていたのに!」


言うわけがないだろう! お前が疎いのが悪いんだよ!

大体こっちは、ライバルを減らすために動いているというのに。


と思っていたら、ライバルどころか強力な護衛が来てしまっていた。


侯爵家の侍女長だそうだ。

シリルと一緒の部屋に寝て、シリルの風呂を見張り、食事だけは一緒には食べないが、側に控えている。


授業中に口説くのは無理だしな。シリルは真面目だから、私語はしないのだ。

フィルマンは別だ。

あれは上手くやって、シリルの領地に行くことになっていた。でもあのときは女性と発表する前だったし、制服を着てきたシリルをみてものすごく驚いていたから、本当の厚意だったのだろう。


というか、文官のほとんどが女性だと分かっていなかったようだ。

さすがに鈍いだろう。


武官のほうは、なんとなく納得している顔の奴らが多かった。

こっちは本能か?


まあ、侍女長が来たということで、どう考えても口説けなくなった。

まあ、それは俺だけでなく、エルネストも、なんとジルベールもできていないようだ。


一体なにがあったというんだ?


シリルが女性と公表したこともあるから、さすがに男共と一緒にすごさせることは無理なのは分かる。

でも、女子寮がまだできていないから、一人部屋なのもわかる。

侍女が来ることも分かる。

なぜ侍女長?


ご年配の女性だからか、威厳もあるし、なんとなく逆らえないのだ。

王子すらそうなのだ。


その監視をかいくぐって、口説くなんてできるわけがない!!



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