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第1話「未娘(みこ)とは」
未娘とは基盤ができる1年ほど前、日本のある神社で巫女をしていた娘が神から授かった未来を見据える瞳を手に入れたことによって名づけられた娘の呼び名。
その娘を"国"の最高権力、王と同等にすること。
この3つの法律を聞いた当時、民衆は納得していなかった。
だがそんな事があっても太陽は刻一刻と弱り暴動は政府によって鎮圧された。
ーそれから800年後
現在もその法律は存在していた。
広いガラス張りの部屋に白い軍服を着た50代前後の男が座り、星を見ながら優雅にワインを飲んでいる。
そこに一つの靴の音が響いた。
現れたのはまだ15くらいの少女だ。
瞳は左眼はエメラルドグリーン、右眼はブルーの隻眼。黒髪ロングの姫カット。
服装は紅白のフリル付きの巫女の服、靴もお揃いの赤色で腰は後ろに大きなリボンを付けた少女。
彼女に名前はなく、皆未娘様と呼ぶ。
この少女こそがこれから起こる人類の大事件の救世主になろうとは誰も思っていなかった。