表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

正義の味方ショウプ

「ヒーロー」

それは物語の主人公であり、その物語で一番強くてたくましくてかっこよくて誰もがあこがれる人物。

子供のころに誰もが妄想したことがあるだろう。

けど、そんな「ヒーロー」はいいことだらけなのでしょうか。

僕は正義の味方、そしてみんなのヒーロー「正義の味方ショウプ」だ!!


悪いやつはやっつけて、困っている人には助けるぞ!!


「ヒーロー」はみんなの役にたっているのだ!!


けど、本当はそんなことだらけではない。


実のこと言うと、大変なことだらけだ。


この前の戦闘で建物を壊してしまったり、変質者扱いにされたり、子供達が棒倒ししているところを邪魔してしまったり………。


本当に大変なんだ。


大変てより、いらないよね。こんな「ヒーロー」


邪魔したり、迷惑かけたり………。


やめよう「ヒーロー」なんて。


僕なんかがやってたって何もいいことなんてない。


普通の人生を歩もう。


トボトボと歩いていた。


その時だった。


通り過ぎた公園から何やら男の子らしき声が聞こえた。


「僕ねー。大きくなったら『ヒーロー』になるんだ!!」


「それでねー。お母さん、お父さん、おばあちゃん、おじいちゃん、みんなみんなを悪い奴から守るの!」


「それでそれで。悪い奴が現れたら僕がやっつけるの!みんな守ってあげる!!」


僕の耳にそう届いた。


「ヒーロー」なんてならないでくれ。そんな冗談はよしてくれ。


そう思っていた僕だった。


けど、公園にいた男の子を見てみると、とても真剣な目をしていた。


その目は、冗談にはとても見えなかった。


「絶対守る」「悪者はやっつける」と言う強い意志が男の子の目に焼きついていた。


「ヒーロー」でも「ヒーロー」じゃなくても、意思と言うとても強く、たくましく、かっこいい感情さえあれば夢は実現する。


そんなことが、あの男の子を見つめていくうちに伝わってきた。


何故だか、僕の目には「涙」がこぼれはじめていた。


「涙」に気がついた僕は、慌てて両手で両目をこすった。


やがて、僕は走り出した。


どこに走り出したって?


自分でもわからない。


けれど、何故走り出したのは分かる。


自分自身が一歩強くなれたから。


一歩一歩下がっていた僕に、一歩だけ進む勇気がわいてきたから。


僕は走り続ける。


目的地なんてない。


「ヒーロー」という「夢」を持つ子供達がいる限り。


僕は走り続ける。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ぶりぶり [気になる点] ぶりぶり [一言] 泣けた
2014/10/23 23:46 うんこ先輩
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ