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異世界転生して○○になったった(仮)  作者: 太もやし
第二章 暗黒竜のひきこもり部屋の主になったった
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幕間2 居酒屋店主になったった(ドラゴンゾンビの塩焼き 始めました。)

第2章から登場した冒険者達の人物紹介です。


当初、「流し切りが完全に入ったのに!?」のネタをやるためだけに考えたキャラ達でしたが、これからもちょいちょい出てきそうです。


エルフの美少女とかヒュームの姫様とか聖女様とか、なかなか出てきてくれません^^;

 「大広間」で冒険者達を被害者とするスプラッターが繰り広げられ、俺がこの世界の蘇生魔法の第一人者になったかもしれない日のこと。


 焚き火を半円状に囲むようにして、アイテムスロットに仕舞ってあったドラゴンのウロコを地面に敷き詰め、ウロコの上に冒険者PTが持ち込んだ皮製の敷物を数枚敷く。


 うん、インテリアらしいモノがあると、ちょっと文化的に思えるのがイイね。

 俺は相変わらず全裸だけど。



 何となく、俺と魔術師を中心にして座る場所が決まる。


 俺の右隣にアルタミラ、左後方から首を伸ばして敷物の上に頭だけ乗せている子ドラゴン。

 正面にいる魔術師の両脇には、騎士と斥候、少し離れてドワーフの女戦士。


 魔術師が通訳代わりになって俺と念話することで、彼らの自己紹介とか外の世界の様子を教えて貰ったりした。

 冒険者達は全員、「ガイエナ諸王国」の首都、「アイギス」の冒険者ギルドに所属するAランク冒険者で、魔術師はコルス、騎士はPTのリーダーでマウザー、斥候はシグ、女戦士はブレタと名乗った。



――――――――――――――――――――――――――――




 魔術師のコルスは、中肉中背、金髪で小皺こそ多いが整った顔立ちの中年女性だ。

 現在諸王国と緊張状態にある西の大国――「神聖ノトス帝国」からの亡命者で、元貴族らしい。

 若い頃はきっと品のある美人だったのではないだろうか。

 冒険者として潜ってきた修羅場が今の顔を形作ったのだろう、どことなく野性味のある強かな顔付きをしている。

 破壊されたのが頭部のみだったので、4人の中で装備品への被害は最も少なかった。

 ローブが血まみれになっているだけである。

 当初、俺が「予備の服を下さい」と言った時、わざわざローブの下に着ている服を脱いでアルタミラに差し出してくれたのだが、全くサイズが足りなかった。


 特に胸と尻が。


 ある意味全裸よりエロいアルタミラの格好に、俺は鼻血を出しながら激しく称賛したのだが、アルタミラの「窮屈だから」の一声で却下された。

 「では聖人様に」と俺に差し出されたが、ローブの下は下着のみ、とか、普通の女性に痴女のような格好をさせてまで女装したくは無かったので、謹んで辞退した。

 それならばローブの方を、という話になり、アルタミラがローブを着ていたのだが、ドワーフの女戦士が限りなく全裸に近い姿になっており、チラ見していた俺の頭をアルタミラが鷲掴みにして「アンタはこっちだけ見てりゃいいのよ」と仰るので、結局女戦士がローブを着ることになった。

 ふっ、なんだろう、嫉妬されるのって、……ちょっと嬉しい。



――――――――――――――――――――――――――――




 騎士マウザーは、かつて諸王国に併合された小国の騎士団で副団長を務めており、祖国の滅亡後は冒険者として活躍し、この国の冒険者ギルドではかなり名が売れているらしい。


 上半身と下半身をくっ付ける時に、治療に邪魔な壊れた鎧と破れたマントを引っぺがしてしまったので、今は血に染まって腹の破れたアンダーシャツと、ステテコみたいなインナーのみである。

 冑や小手、具足などは使えるが、今は外している。

 190cmくらいありそうな身長、骨太で大柄ながっちりした筋肉質の体に薄く脂肪がのって、プロレスラーのような体型だ。

 そしてむさいヒゲに、割れたアゴ。

 自らを、「権力のためではなく、力なき民のために闘う『放浪騎士』」と名乗るだけあって、信念を貫く誠実な人物らしいのだが、若干、いやかなり暑苦しい。

 オッサンくさい、というかむしろオッサンである。


 しかし、厨二っぽい剣技の遣い手だったが、その実力はアイギスでも指折りらしい。

 俺に毛一筋も傷を付けられなかったことで、かなり自信を喪失しているみたいだが、「あれは聖者の奇跡デース」とフォローしておいた。

 あの流派は各国の騎士団でも採用されている有名な剣術で、かつて異世界から召喚された『勇者』が編み出したのだそうだ。


 その勇者が厨二か。

 惜しいな、時代が合えば<強敵>と書いて<とも>と呼び合う関係になれたかも知れないのに。



――――――――――――――――――――――――――――




 斥候スカウトのシグは、首都アイギスの、元冒険者の親父が経営する酒場兼宿屋の次男として生まれ育った。

 若いが腕の立つスカウトとして、ギルドでも将来有望と目されているらしい。

 見た目は、金髪のちょっとやんちゃそうな男だが、子ドラゴンから俺とアルタミラを逃がそうとして結構必死になっていたあたり、悪い奴ではなさそうだ。


 胸ごと皮鎧と下のインナーに風穴が開いて、治療の邪魔だから外そうとしたところ、革紐が血に濡れて締まって解けなくなり、結局アルタミラが引き裂いてしまったため、現在、上半身は裸、下は皮のズボンである。


 細身だが背は180cmくらいあり、全身の筋肉が良く発達していて、ボクサーのような体型だ。

 胸板をぶち抜かれたせいでアルタミラに対して怯えがあるのだが、たまにアルタミラの胸のあたりをチラ見している。


 俺とは気が合いそうだが、見ていいのは俺だけだからな!


 俺がさりげなくシグの視線を遮る位置に移動すると、シグもさりげなく欠伸をしたり尻を掻いたりして位置を変え、いいポジションを探している。


 敵ながら、やるな。

 俺達の中学生のような攻防は長引きそうだ。



――――――――――――――――――――――――――――




 ドワーフの戦士ブレタは、自分のことを語らない女だった。

 どこの出身で、なぜアイギスに辿り着き、そこで冒険者をしているのか。

 PTの仲間も知らないらしいが、それでも仲間からは信頼されているようだ。


 ドワーフというのは、エルフほどではないにせよ、ヒュームよりは長命な種族らしい。

 ブレタの年齢は不明だが、ヒュームなら10台後半くらいに見える。

 丸っこいが、けっこう可愛らしい顔立ちだ。

 背が低くがっしりしているが、出るとこ出ていて、意外に女性らしい外見をしている。

 勝手にドワーフ=ガチムチマッチョ、というイメージを持っていたが、女性には当てはまらないらしい。

 良かった。

 むっちり好きな俺としては、これで表情が明るければ守備範囲に入るんだがなぁ。

 彼女は、全身を強打して内臓が破裂し、鎖帷子の部品やインナーの繊維、岩の破片などが体に食い込んでいる状態だったので、全てひっぺがして触診しながら治療した。

 その時はエロいこと考える余裕なんて無かったが、意外に白い肌と柔らかい感触、思い出したらこう、ムラムラと……。


 アルタミラが何かこっち睨んでる気がする。


 今、魔術師のローブの下は、戦斧を吊り下げるための皮のベルトと、皮のブーツしか着けていない。

 何か、俺としては、変態チックというか、結構エロいコスだと思うの。

 アルタミラの視線が怖いから、あんまり見ないように努力しよう。


 チラッ!



――――――――――――――――――――――――――――



 話をしているうちに、雰囲気もほぐれてきた。


 俺は、うつらうつらしている子ドラゴンの角に魔力を送りながら、コルスの通訳で冒険者達と会話を続けていた。


 今後の方針として、彼らが首都で報告をした後、2人ずつ交代で休暇を取って、この大広間まで物資の差し入れをしてくれたり、諸王国の動向を教えてくれるらしい。

 物資の代金としてドラゴンの角をもう一本渡そうとしたら、「聖者様、そのようなお気遣いはどうかご無用に」と懇願されてしまった。

 次に来てくれた時は、出来る限り歓待するとしよう。


 シグが「俺のとっておき」とやらを振る舞ってくれるというので、何かと思ったら、薄い銅板で出来た小さい水筒のようなモノを見せてくれた。

 中身はアルコール度数の高い酒のようだ。

 コップの類が無いので、全員で回し飲みである。

 <まずは聖人様に>と差し出されたのだが、先にアルタミラに飲んで貰う。

 「ヒュームの酒も久しぶりね。」と言いながらチロチロと舐めるように酒を飲むアルタミラ。

 俺はその酒筒を受け取った後、念いりに飲み口を舐めまわしておく。


 シグ、お前とアルタミラの間接キスは、俺が許さん!


 冒険者達の目が冷たい気がするが、問題ない。



 少量とはいえ、酒が入ればツマミが欲しい。 

 

 俺達用に焼いていた「ドラゴンゾンビの腐ってないところ」の肉だが、十分な量があるので、シグの持ってるナイフで切り分けて貰った。

塩を振り、小型のドラゴンの骨を串代わりに刺して、「ドラゴンの骨付き肉の丸焼き」っぽいものを再現してみる。


 ドラゴンの肉など、いくらこの世界でも、そうそう口に入るものではないらしい。

 冒険者達には、「臭みは強いがなかなかイケる」とご好評を戴いた。


 しかし、食べても安全そうな部分を厳選したものだが、人族が食べても大丈夫だろうか。何しろゾンビ肉なのだから、ちょっと心配だ。

 食中毒とか衛生的な意味で。

 まぁ、たぶん腐ってないし、腹が痛くなったらキュア掛けるけど。


 彼らから貰った塩のお陰で、俺は久しぶりに食事らしい食事を堪能した。

 こうなると、肉の臭みを消す胡椒とかハーブっぽいものも欲しくなる。

 まぁ、この世界の植物とか、どれが安全でどれが毒か分らないから、当面はお預けか。



――――――――――――――――――――――――――――




 さて、時間的にはそろそろ休息を取った方がいいだろう。

 ずっと地底にいる俺達には今が何時頃か分らないが、冒険者というものは「休息がとれる時に休息できない奴は長生きできない」と叩きこまれるらしい。

 

 まずはシブとブレタが警戒にあたり、マウザーとコルスは休むという。


 俺も、「○急救命医○24時」を地で行く治療でかなり疲れた。

人化中で角による魔素吸収も出来ないので、休息を取ってMPを回復しておこう。

 アルタミラも、子ドラゴンとのブレス特訓でMPが底を付いている。

 皮の敷物は冒険者達に譲り、俺とアルタミラは、寝る前のキスを交わした後、かつて人化中のアルタミラが商人に貢がせたという天蓋付ベッドの残骸で休むことにした。



 明日、目を覚ましたら、「暗黒竜の巣窟」入口まで冒険者達を見送った後、子ドラゴンのLV上げ用にドラゴンゾンビの生き残り?を探しに行くとしようか。





登場以来ずっと全裸の主人公。

次話くらいで服を着る予定です。




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